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ブリストル・マイヤーズのPD-1阻害剤オプジーボの非小細肺癌治療薬としての承認申請をEMAが受理

欧州医薬品庁(EMA)は、ブリストル・マイヤーズ(BMS)のオプジーボ(OPDIVO、一般名:ニボルマブ)の非小細肺癌(NSCLC)に対する販売承認申請(MAA)を受理した。肺癌に対するPD-1阻害剤の承認申請としては世界初となる。EMAの医薬品委員会(CHMP)は加速審査の対象に指定しており、通常210日の審査期間は150日へと2ヵ月短縮される。 BMSと小野薬品は、NSCLC、悪性黒色腫(メラノーマ)、腎細胞癌(RCC)、頭頸部癌、神経膠芽腫、非ホジキンリンパ腫などの悪性腫瘍患者7,000人以上を対象とする35本の臨床試験プログラムをグローバルに展開している。NSCLC、メラノーマ、RCCに関しては2013年4月にFDAのファストトラック指定を受け、今年(2014年)4月に肺扁平上皮癌を皮切りにローリング申請を開始した。5月には「自家幹細胞移植およびアドセトリス(武田薬品)による治療が不応となった」ホジキンリンパ腫を対象としてBT指定を受けている( ➜ par news )。9月には「治療歴を有する進行期悪性メラノーマ」を適応症とする承認申請が優先審査対象として受理され、PDUFA に基づく審査期限は2015 年3 月30 日に設定された。 P A R  コメント: PD-1阻害剤はT細胞の細胞死に関与するPD(Programmed Death)-1受容体を遮断して、がん細胞に対する免疫攻撃を回復する。開発段階で現在もっとも注目される免疫療法による抗がん剤である。 米国での first-in-classとしての承認は メルクのKEYTRUDAが 悪性黒色腫を適応症として 取得した(9月4日)。これに対して、 本来のオリジネーターでありながら 先行を許してしまった 小野薬品/BMSグループはメルクによる特許権侵害を提訴している( ➔ par news )。

大塚製薬/ルンドベック共同開発のブレクスピプラゾールのNDA申請をFDAが受理

ブレクスピプラゾール(OPC-34712)は、大塚製薬が自社研究所で創製し、ルンドベック社(デンマーク)と共同開発中の新規抗精神病薬である。ドパミンD2受容体及びセロトニン5HT1A受容体に結合してパーシャルアゴニストとして作用し、また、セロトニン5HT2A受容体およびノルアドレナリンα1B/2C受容体にはアンタゴニストとして働く SDAM(セロトニン ドパミン アクティビティ モデュレーター)と呼ばれる新しい作用機序を有する。 「統合失調症」と「大うつ病補助療法」の適応での承認申請を米国FDAが受理した。申請の根拠となったのは3本の統合失調症試験と4本の大うつ病補助療法試験である。これらの試験で、計5,000人以上の患者がブレクスピプラゾールの投与を受けた。 統合失調症患者を対象とした第3相試験では、6 週目の陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の総得点におけるベースラインからの変化量について、プラセボ群と比較して有意な改善が得られた(p<0.005)。 既存の抗うつ薬が十分な改善効果を示さない大うつ病成人患者を対象とした第3相試験では、6 週目のモントゴメリー / アスベルグうつ病評価尺度(MADRS、Montgomery–Åsberg Depression Rating Scale)総得点のベースラインからの変化量において、プラセボと比較して有意な改善効果が認められた(p<0.005)。 (参考)  大塚製薬とルンドベック社は、大塚が創製した「エビリファイ メンテナ」とブレクスピプラゾール、およびLu AE58054」を含むルンドベックの創製品3剤について、2011年11月に共同開発と商業化に関する提携契約を締結した。エビリファイ メンテナは、2013年3月に米国で発売され、同年11月には欧州で承認を得ている。  「エビリファイ」は米国特許が2015年4月で満了となるが、大塚製薬と大鵬薬品を統合する大塚ホールディングスの最大製品であり、昨年度(2014年3月期)は連結売上高1兆4530億円の40%を占める5,750億円を売上げた。そのほとんど(80%、4,550億円)を米国市場で売上げている。  ブレクスピプラゾールはエビリファイ(一般名アリピプラゾール)の後継品として大塚グループの将来を左右する重要な製品である。NDA申請は7月14日付で「提出」...

武田薬品の「週1 回」経口投与DPP-4 阻害剤トレラグリプチンのP3試験結果

武田薬品が開発中の週1回投与DPP-4阻害剤トレラグリプチンの第3 相試験結果が、欧州糖尿病学会(EASD)で報告された。 試験デザイン:日本人の2 型糖尿病患者243 人を対象とした無作為化二重盲検第3相非劣性試験。トレラグリプチン(SYR-472、100 mg週1回)を実薬対照のアログリプチン(製品名ネシーナ、25mg/日)およびプラセボと比較した。主要評価項目は24 週の時点におけるHbA1c のベースラインからの変化量。 試験結果:HbA1c の変化量の最小二乗平均の差(トレラグリプチン-アログリプチン)は0.11%(95%CI: -0.054, 0.281)で、トレラグリプチン群のアログリプチン群に対する非劣性が証明された。また、治療期間終了時においてトレラグリプチン群とアログリプチン群はプラセボ群と比較してHbA1c を有意に低下した(p<0.0001)。トレラグリプチンは全治療期間を通じて持続的なDPP-4 阻害作用を示した。トレラグリプチン週1回投与の忍容性は良好で、週1回投与のDPP-4阻害剤が2型糖尿病治療の新しい選択肢となる可能性が示された。 P A R  コメント:  経口糖尿病治療薬として最大の58億ドル(5800億円、2013年)を売上げるDPP-4阻害剤ジャヌビアを擁する米国 メルク(MSD)も 週1回投与のMK-3102(オマリグリプチン)を開発中。 P3 臨床試験は 武田薬品と同様に 日本で完了し、 好結果を収めたと発表した ( 9/18 ➔ FierceBiotech ) 。日本では年内に承認申請する予定だが、日本以外での計画は不明 。経口糖尿病薬は2-3剤の併用が大半であり、 メトフォルミンが ベース薬剤となっている。 日本以外ではP3段階に進んでいない背景には、 併用薬では1日1回製剤が限界となっている現状があるようだ。

GLP-1アナログ製剤リラグルチドを肥満症治療薬とする申請に対してFDA諮問委員会が承認を勧告

ノボ ノルディスクのヒトGLP-1アナログ製剤リラグルチド(一般名)はすでに2型糖尿病治療薬ビクトーザ(Victoza)として承認されており、日本でも販売されている。あらたな、肥満治療薬としての申請に対して FDAの 内分泌・代謝薬諮問委員会( EMDAC )は 14 対 1の賛成多数 で承認を勧告した。製品名はSAXENDAとなる予定。 1日最大用量は、2型糖尿病では 1.8mg だが肥満症では 3mgへと増加する。 両投与量を比較した臨床試験では副作用としての低血糖発生率に差は認められなかった。また、 SAXENDA の総合的なベネフィット・リスク評価に関して EMDAC は心血管系への影響などを考慮したうえで、問題なしと判断した。 SAXENDAの承認効能 「肥満度指数( BMI )が 30 以上」、あるいは「 27 以上で 1 つ以上の合併症を有する」人の長期的体重管理。 P A R  コメント :  エーザイが提携するArena社の抗肥満薬ロルカセリン(製品名BELVIQ)は2012年6月にFDA承認を取得した。FDAが抗肥満薬を承認するのはロシュの脂肪吸収阻害剤XENICAL以来13年ぶりだった。その直後の7月にはVivus社のQSYMIAも承認された。一方、武田薬品がOrexigen社と提携した CONTRAVEは開発段階ではBELVIQとQSYMIAに先行していたが 承認審査が難航していた。しかし最近になって FDAはCONTRAVEについても 承認を決定した(9月10日)。肥満症を引き続きアンメット・メディカル・ニーズと位置付ける米国の状況がうかがわれる。 米国では BMI(Body Mass Index)が  30 以上の人の割合が 日本の約 10 倍であり、 30 %を超えている。

糖尿病治療薬ランタスに対する初めてのバイオシミラー製品を欧州委員会が承認

持効型インスリン製剤ランタス(Lantus、一般名:インスリン グラルギン)に対する初めてのバイオシミラー製品 ABASRIAを 欧州委員会( EC )が承認した。 インスリン グラルギンは、 BOT ( 1 日 1 回の時効型インスリンと経口薬を組み合わせる)療法を可能にし(➜  サノフィ資料 )、外来でのインスリン導入を簡単にした画期的な薬剤である。ランタスの2013年売上高は57億ユーロ(ほぼ8000億円)へと前年比26%増加し、グローバル製品ランキングは6位から5位へと上昇していた(➔ 【業界動向】 )。サノフィにとっては医薬品売上の21%を占める最大製品である(➔ 【経営分析】 )。 今回承認されたABASRIAは2011年から糖尿病領域でグローバル提携を結んでいる米国のリリーとドイツのベーリンガーインゲルハイムが共同開発した。 先行品のランタスと全く同じアミノ酸配列を有し、承認効能も先行品と同様、1 型・2 型糖尿病の治療である。 薬物動態( PK )、薬動力学( PD )試験、1 型・2 型糖尿病患者を対象としたP3 試験によりランタスとの同等性が検証された。 2013 年 7 月に 欧州医薬品委員会( EMA )に承認申請を提出、 CHMP 定例会議( 2014 年 6 月) で承認を勧告されていた。(➜  会社発表 ) (参考) 米国ではFDAが 仮承認としている。製品名 BASAGLARとして 2014 年 8 月に NDA 申請されたが、サノフィの特許侵害申し立てにより、 30 ヵ月の待機が必要とされた。 インスリン グラルギン製剤のバイオシミラー製品は他にも、 メルク( MSD)/ Samsung Bioepis 、マイラン/ Biocon (インド)、といった企業がアライアンスを組んで開発中。

メルクの悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬KEYTRUDA をFDAが加速承認

KEYTRUDA( キートルーダ、一般名ペンブロリズマブ) は MSD(米国メルク)が開発した、 完全ヒト型モノクローナル抗体の PD-1 阻害剤である。 悪性黒色腫の治療薬として FDAのブレークスルー 指定を受け、本年 1 月より ローリング申請を開始していた(➜  par news )。 抗PD-1抗体はT細胞の細胞死に関与するPD(Programmed Death)-1受容体を遮断して、がん細胞に対する免疫攻撃を回復する。開発段階で現在もっとも注目される免疫療法による抗がん剤である。   ブリストルマイヤーズ・スクイブ( BMS )/小野薬品のグループとメルクが first-in-class を競ってきたが米国ではメルク、日本では小野薬品が最初の承認を取得することとなった(➜ 会社発表 )。なお、小野薬品は提携するBMSと協働してメルクに対する特許侵害訴訟を起こしたことが報道されている(➜ ウォールストリートジャーナル 9/7/2014 )。 キートルーダの承認効能 : 切除不能または転移性メラノーマで、イピリミマブ(製品名: YERVOY、BMS)治療後、および BRAF V600 変位陽性の場合は BRAF 阻害薬治療後に病勢が進行した症例が対象。 2mg/kg ( 30 分かけて点滴静注)を 3 週間ごとに病勢の進行あるいは副作用の発現まで投与する。 承認条件 : 今回の効能は加速承認制度の下で奏効率と奏効期間の評価を基に承認されており、生存率や病状改善などについては引き続き確認試験を実施し、臨床データを取得することが承認条件となっている。