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EZH2 阻害剤TAZVERIK(tazemetostat)を類上皮肉腫治療薬としてFDAが加速承認

Epigenetic 治療薬開発に特化しているバイオ医薬品企業Epizyme, Inc. (Epizyme)が開発中の、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、EZH2 阻害剤TAZVERIK(一般名:tazemetostat)錠について、FDAは、成人および16歳以上の小児患者の、完全切除が不適な転移性または局所進行類上皮肉腫治療薬として、第2 相臨床試験における奏効率と奏効期間に基づいて加速承認を認可した。NDA 提出は2019 年5 月23 日。 本効能は、奏効率と奏効期間に基づいて加速承認の下で、優先審査並びに希少病薬の指定も受けて承認された。本効能を継続的に維持するには、確認試験での臨床上のベネフィットを検証し、ラベルへの記載(一変申請)が承認条件である。 転移性または局所性進行類上皮肉腫の患者を対象とした、多施設、非盲検、単一群ホート(コホート5) からなるEZH-202 試験(NCT02601950)において、TAZVERIKの投与を受けた合計62 人中、ORR(95%信頼区間)は15%(7%、26%)で、1.6%の患者が完全奏効、13%が部分奏効を達成した。67%が6 カ月それ以上の奏効期間を達成した。
 KRASは、ヒトの癌において最も高頻度に変異が認められる癌遺伝子の1 つで、膵癌のうち約90%、非小細胞肺癌(NSCLC)のうち20%に起こると推測されており、予後不良因子としての報告もある。広範な抗癌スペクトルが期待される。  大鵬薬品、Astex、MSD は、本契約下で各々の研究プログラムにある前臨床段階の候補化合物やそのデータ、専門的知識と技術を共有する。低分子阻害剤の候補化合物の独占的グローバルライセンスをMSD に付与する対価として、大鵬薬品とAstex は契約一時金5,000 万US$、本契約から生じる複数の化合物における開発、承認・販売に関わるマイルストン達成に伴い、合計で最大約25 億US$、また売上に対する段階的なロイヤルティを受領する権利を得る。MSD は研究開発資金を提供し製品の全世界での商業化を行う。大鵬薬品は日本における共同での商業化、東南アジアの一部で販促権を保有する契約内容である。
アステラス製薬は、Xyphos 社が有するCAR(Chimeric Antigen Receptor:キメラ抗原受容体)-細胞療法に関する技術基盤であるACCELTM(Advanced Cellular Control through Engineered Ligands)とともに、癌免疫の分野をリードする優秀な人材を獲得することになる。買収の対価として、買収手続完了時に1 億2,000 万$が支払われ、Xyphos 社はアステラス製薬の完全子会社となった。当該支払いと、開発の進捗に応じたマイルストン支払いを合わせ、最大で総額6 億6,500 万$が支払われる可能性がある。 Xyphos 社独自のACCELTM 技術は、タンパク工学により創製した受容体とリガンドタンパクの特異的な結合を利用した合成生物学的手法に基づいている。受容体を発現させたナチュラルキラー(NK)細胞やT 細胞といった免疫細胞 (convertibleCAR® 細胞)と、攻撃標的である癌抗原を認識する抗体をリガンドタンパクと融合させた抗体-リガンド融合タンパク(MicAbody)を患者に投与し、治療する技術である。攻撃対象とな癌細胞の特徴に応じて、MicAbodyを取り換え、複数使用することで、convertibleCAR®細胞に異なる癌抗原や複数の癌抗原を認識させ、様々な癌細胞を攻撃することができる。また、MicAbody の投与量を調節することで、免疫細胞による過剰な免疫反応を制御し、従来のCAR-T 療法で見られるサイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome)の発生を抑制できることも期待される。さらに、MicAbodyの抗体部分を別のタンパクに替えることにより、convertibleCAR®細胞の増殖や生存制御も可能になる。Xyphos のconvertibleCAR®-T 細胞のリードプログラムは現在、前臨床開発段階にあり、2021 年に初めての臨床試験が行われる予定である。

東芝独自のmiRNA 検出技術を使用、血液1 滴から13 種類の癌を精度99%の検出技術を開発

東芝が、血液中のmicroRNA(miRNA)を使った簡便で高精度な癌の検出技術を開発した。同社独自の電気化学的なmiRNA 検出技術を活用することで、膵臓癌、乳癌など13 種類の癌の患者と健常者を2 時間以内に99%の精度で網羅的に識別できることを研究開発レベルで確認した。本成果は、同社と東京医大および国立癌研究センター研究所との共同研究によるものである。今後、早期の社会実装に向けて、2020 年から実証試験を開始する。本成果の詳細を12 月開催の第42 回日本分子生物学会年会で発表する。2~3 年以内の実用化を目指す。

治療困難な小児および若年成人の癌治療に関する腫瘍RNA シーケンシング解析の比較研究

10 月25 日発行のJAMA Network Open 誌[2019;2(10):e1913968. doi:10.1001/jamanetworkopen. 2019.13968]にCalifornia 大学Santa Cruz 校(UCSC)の研究者らのグループが、治療困難な小児および若年成人の癌治療における腫瘍RNA シーケンシング解析の比較研究結果を報告した。DNA シーケンシングに比べて個々の小児癌の症例にRNA シーケンスを使用することにより、腫瘍の遺伝子発現に関してより効率的な標的とすることができる可能性を示唆する成績が得られたと結論している。 California 大学Santa Cruz’校のTreehouse 小児癌イニシアチブのConsortium の下で実施された。 2016 年1 月から2017 年3 月までに4 カ所の臨床試験施設で、合計128 人の患者から採取した144 の腫瘍検体の遺伝子発現が検討された。144 の腫瘍検体中、99 検体(68%)にRNA シーケンス解析の比較で有用性が示された。一方、DNA 変異は、74 検体中34 検体(46%)に有用性が認められた。また、腫瘍サンプルの36%に、RNA 解析のみに基づいて、ドラッガブルで過剰発現された遺伝子および/または経路が特定されたが、DNA の評価では見いだされなかった。 多くの場合、癌を引き起こすのはDNA 変異でなく、遺伝子発現の制御方法の変化に起因する発育過程でのエラーであり、この研究は、個別の精密医療の臨床試験での使用可能性を初めて示した。

GSK とLyell Immunopharma, Lyell の技術を用いた次世代癌細胞療法の共同開発契約締結

GlaxoSmithKline plc(GSK)は、San Francisco に拠点を置く2018 年創設のLyell Immunopharma(Lyell)と、固形癌患者のCAR T 細胞療法を改良する新技術開発について、5 年間の提携契約を締結した。複数の癌種に認められるNY-ESO-1 抗原を標的とするGSK3377794を含めGSK のパイプラインの強化である。GSK は総額6 億$を投資すると報道されている。 2014 年4 月、GSKはNovartis とコンシューマーヘルスケア・ワクチン・癌の3 事業における取引を発表し、2015 年3 月に取引は完了した。GSKは、総額160 億$でGSK のオンコロジー事業をNovartis に売却したが、免疫関連の癌領域の事業は保持していて、2018 年4 月に遺伝子治療に関してOrchard Therapeutics と戦略的提携契約を締結、2018 年12 月に免疫系癌領域のPARP 阻害剤などを開発中のTESARO を51 億$で買収し、癌免疫療法の活性化に入力し始めた。

FDA、ROS1 陽性転移性NSCLCに対して、NTRK 遺伝子融合陽性固形癌治療薬ROZLYTREK 承認

FDA がROS1 陽性転移性非小細胞肺癌(NSCLC)の成人患者の治療薬として、ロシュが開発中のROZLYTREK(一般名:エントレクチニブ)を承認した。また、既知の後天性耐性変異をしていない神経栄養性チロシン受容体キナーゼ(NTRK)遺伝子融合陽性で、転移性であるか、外科的切除が重度の後遺症をもたらす可能性がある、および治療後に進行したか、満足のいく代替療法がない、固形腫瘍の12 歳以上の成人および小児患者の治療について、ROZLYTREK 100 mg & 200mg カプセルをそれぞれ、加速承認、希少病薬および優先審査に指定して認可した。 今回の承認は、ピボタルな第2 相STARTRK-2、第1 相STARTRK-1 および第1 相ALKA-372-001 試験についての統合解析の結果、および第1/2 相STARTRK-NG 試験データに基づいている。統合解析では、ROZLYTREK は、乳癌、胆管癌、結腸直腸癌、婦人科癌、神経内分泌癌、非小細胞肺癌、唾液腺癌、膵癌、肉腫癌、甲状腺癌などのいくつかの固形癌について評価が行われた。ROS1 陽性の転移性NSCLC に対して、ROZLYTREK は78%の癌患者の腫瘍を縮小し [全奏効率(ORR); N = 51]、奏効期間(DoR)は、1.8~36.8+カ月の範囲であった(n=40/51)。ROZLYTREK はまた、NTRK 遺伝子融合陽性、局所進行または転移性固形癌患者の半数以上の癌を縮小し(ORR = 57%; N = 54)、10 種類の癌でORR が観察された(DoR の範囲は2.8〜26.0+カ月でn=31/54)。ROZLYTREK に対するORR は、ベースライン時に中枢神経系転移陽性患者にも認められた。

ROZLYTREKが世界ではじめてNTRK 融合遺伝子陽性進行・再発固形癌の製造販売承認を日本において取得

中外製薬は、ROS1/TRK 阻害剤ROZLYTREK(一般名:entrectinib)カプセル100 mg、同200 mg について、NTRK 融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌を効能とした製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表した。ROZLYTREK は、先駆け審査指定制度対象品目および希少疾病用医薬品の指定を受けていて、世界に先駆けての製造販売承認の取得である。 本剤は、ROS1(c-ros 癌遺伝子、及びTRK(神経栄養因子受容体)ファミリーを強力かつ選択的に阻害する経口投与可能なtyrosine kinase 阻害剤である。ROZLYTREKは、ROS1 及びTRK kinase 活性を阻害することにより、ROS1 又はNTRK 融合遺伝子を有する癌細胞の増殖を抑制する。ROZLYTREK は、前治療後に病勢が進行した、または許容可能な標準治療のないNTRK 融合遺伝子陽性局所進行又は遠隔転移を有する成人及び小児の固形癌に対し、FDA よりBreakthrough Therapy に、EMA よりPRIME(PRIority Medicines)に指定された。 承認は、オープンラベル、多施設、国際共同、第2 相臨床STARTRK-2 試験成績に基づいている。有効性評価は、NTRK 融合遺伝子陽性固形癌の成人患者51 人を対象に行った。また、小児の有効性評価は海外第1/1b 相STARTRK-NG 試験に登録されたNTRK 融合遺伝子陽性固形癌患児5 人で行った。一方、安全性評価はSTARTRK-2 試験に加え、2 つの海外第I 相STARTRK-1 試験およびALKA 試験の3 本の試験に登録された339 人を中心に行った。有効性評価は、① STARTRK-2試験で、RECIST ver.1.1 に基づく独立評価委員判定による奏効率は56.9%(29 人/51人)(95%CI: 42.3~70.7%)であった。② STARTRK-NG 試験で、RECIST ver.1.1 及びRANO 規準に基づく試験担当医師の判定で、5 人中4 人に奏効が認められた。

First-In-Class 免疫checkpoint 阻害薬BI 765063(OSE-172)の第1 相試験で最初の患者に投与

ベーリンガーインゲルハイム(BI)とOSE Immunotherapeutics SA(OSE)が開発中のfirst-in-class の抗SIRPαモノクローナル抗体(mAb) BI 765063(OSE-172) を、初めてヒトに投与する第1 相臨床試験で、最初の患者に投与されたと発表した。 本臨床試験は、骨髄系細胞を標的とする免疫チェックポイント 阻害薬(CPI) BI 765063 を単剤、またBI の開発中のT 細胞免疫CPI 抗PD-1 mAb BI 754091 との併用投与の用量設定試験である。 BI 765063 は、SIRPαリガンドのCD47 がSIRPαに結合するのを阻害することによって、マクロファージ や樹状細胞などの骨髄系細胞の抗腫瘍活性を低下させる細胞のシグナル伝達を阻害する。2019 年3 月、OSE は、進行性固形癌患者においてBI 765063 を評価する第I 相試験の臨床試験実施許可をフランスとベルギー当局から取得した。

NEC、AI を活用した個別化癌免疫療法創薬事業に本格参入、2025 年事業価値3000 億円目標(5月27日)

NEC は、ヘルスケア事業強化の一環として、最先端人工知能(AI)技術群「NEC the WISE」を活用した癌等の先進的免疫療法に特化した創薬事業に本格参入すると発表した。  NEC は20 年間に渡り創薬領域におけるソリューションの開発を行ってきており、ネオアンチゲン予測システムを、公開されているデータベースと独自の実験データセットの両方によって開発してきた。この予測システムは、既に人での別の癌種の抗原の同定に利用されている。NEC は2018 年10 月に仏Transgene S.A.と固形癌の治療を目的とする、ネオアンチゲン による個別化免疫療法においてNEC のAI 予測技術と、Transgene のmyvac™ウイルスベクター技術基盤の治療能力を組み合わせて臨床評価を実施することに合意した。両社は、卵巣癌およびHPV 陰性頭頸部癌の臨床試験を含む個別化癌免疫療法の初期ステージを共同開発し、2019 年に個別化ネオアンチゲン ワクチンTG4050 の臨床試験の開始を予定している。Transgene は2019 年5 月13 日にFDA からTG4050 の卵巣癌に対するIND の許可を取得済みである。 癌患者自身が持つ潜在的な抗腫瘍能力の賦活化に関して、アミノ酸置換を伴う体細胞変異が高度になればなるほど、免疫チェックポイント阻害剤の抗PD-1 抗体あるいは抗CTLA-4 抗体による治療効果が高まるとの報告が増えている。このような遺伝子変異から生じたアミノ酸置換を有するネオアンチゲン がT 細胞の免疫応答に関与しやすい可能性を示唆する研究が増加しつつあることは注目される。

PD-1×CTLA-4 四価二重特異性抗体MGD019 の切除不能/転移性固形癌に対する第1 相試験(5月24日)

DART(dual-affinity re-targeting)技術基盤を有するMacroGenics が開発中の、PD-1×CTLA-4 四価二重特異性抗体MGD019 の切除不能又は転移性腫瘍に対する、第1 相 first-inhuman、オープンラベル、用量漸増、コホート拡大試験の概要が、Chicago で開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019)年次総会のAbstract)に掲載された。同試験は2018 年12 月に開始されたばかりである。 MGD019は、PD-1 とCTLA-4 の両シグナル伝達を同時に阻害する新規二重特異性抗体で、個々の抗体の併用よりも抗腫瘍活性及び/又は安全性を改善すべく開発された。本剤は、いずれの分子に対しても独立に阻害するFc を含む四価DART 分子(各抗原に対して二価)で、両分子を共発現している細胞に対して優先的に同時に阻害することはin vitro で検証済みである。

遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx 癌ゲノムプロファイル」の一変申請提出(1月18日)

中外製薬は、発売準備中の遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx 癌ゲノムプロファイル」に関して、NTRK 融合遺伝子陽性固形癌に対して販売承認申請中のentrectinib のコンパニオン診断法としての機能の追加に関する一部変更承認申請を、厚生労働省に提出した。 “FoundationOne CDx 癌ゲノムプロファイル”は、次世代シークエンサーを用いた網羅的癌関連遺伝子解析システムである。患者の固形癌組織から得られたDNA を用いて、324 の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数の異常、および融合遺伝子などの変異検出、ならびにマイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)や腫瘍の遺伝子変異量(Tumor Mutational Burden:TMB)などのゲノム・バイオマーカーを1 回の検査で検出することができる。癌関連遺伝子の包括的なゲノムプロファイリングおよび抗悪性腫瘍剤のコンパニオン診断の2 つの機能を併せ持った、国内で初の癌遺伝子パネル検査として2018 年12 月に厚労省から承認を取得している。 今回の申請は、 本プログラムによりNTRK 融合遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3 遺伝子と他の遺伝子の融合遺伝子)を検出することにより、entrectinib の適応判定の補助を可能にすることを目的として行った。entrectinib は、先駆け審査指定制度対象品目、希少疾病用医薬品の指定を受けており、非常に稀な遺伝子変異のNTRK 融合遺伝子陽性の固形癌を予定適応症として、中外製薬が2018 年12 月に承認申請を実施している。 entrectinib は、ROS1 融合遺伝子陽性局所進行、または転移性非小細胞肺癌(NSCLC)、またはNTRK1/2/3 融合遺伝子陽性の局所進行、または転移性固形癌を対象に臨床開発中の薬剤である。

DS-8201とアベルマブ等との併用療法を評価する研究開発提携契約

第一三共は、メルクKGaA 及び共同開発パートナーのファイザーと、trastuzumab deruxtecan (DS-8201、HER2に対するADC薬)、アベルマブ(免疫チェックポイント阻害薬)及びメルクKGaA が開発中のDNA損傷応答阻害剤(DDR阻害剤)との併用療法を評価する臨床試験の実施に関する契約を締結した。本契約に基づき、第一三共は、HER2発現またはHER2 変異陽性の固形癌患者を対象に、trastuzumab deruxtecanを含む2剤または3剤併用の第1 相臨床試験を実施する。本試験は3 つのパートから成る。 1) パートA; HER2発現陽性の進行固形癌を対象に、trastuzumab deruxtecanとアベルマブの2 剤併用療法において安全性、忍容性及び有効性を評価する。 2) パートB; HER2発現陽性またはHER2変異のある進行性固形癌を対象にtrastuzumab deruxtecanとDDR阻害剤の2剤併用療法において安全性、忍容性及び有効性を評価する。 3) パートC; HER2発現の進行性固形癌を対象に、trastuzumab deruxtecan、アベルマブ及びDDR 阻害剤の3剤併用療法を評価する。 主要評価項目は最大耐用量、推奨用量及び全奏効率である。欧米及びアジアにおいて約200名の患者を登録する予定である。 Library >  Antibody drug conjugate (ADC)

固形癌に対する腫瘍内投与の二重鎖RNA(polyI:C) BO-112 と抗PD-1 抗体の併用療法を報告

ESMOの年次集会で、スペインバレンシア のBioncotech Therapeutics S.L の二重鎖RNA helicase activator BO-112 について、単剤又は抗PD-1 阻害剤との併用による固形癌に対する初期の臨床試験結果が報告された。 BO-112 は、細胞内デリバリ―を改善する陽イオンキャリアのpolyethylenimine,を製剤中に含む二重鎖RNA(poly I:C)で、前臨床では、Toll 様受容体3(TLR3)、細胞内ウイルスRNA センサーRIG-1 および細胞内ウイルスセンサーMDA-5 を活性化することによって作用し、免疫原性細胞死および免疫チェックポイント阻害の増強効果をもたらす結果が得られている。腫瘍内(IT)BO-112 単剤、または全身性抗PD-1 抗体との併用療法は、最初のヒトの臨床試験である当該試験で分析される(NCT02828098)。 BO-112 のIT 投与と抗PD-1 との併用療法を実施し、単剤では管理可能な安全性プロファイルを示した。その作用機序には、直接的な抗腫瘍効果の他に、自然免疫ならびに適応免疫系の活性化を含んでいる。抗PD-1 抗体との併用療法は、抗PD-1 抗体難治性癌患者に対する治療の可能性を示唆した。予備的有効性の解析結果から、抗PD-1 抗体療法に対する抵抗性の減弱、または感受性回復への転換の可能性も示唆された。

Kite/HiFiBiO、癌治療用ネオアンチゲン反応性T 細胞受容体の開発に関わる提携契約締結

Gilead Sciences の傘下にあるKite は単一B 細胞スクリーニングによる治療用抗体の創製に注力しているバイオ技術企業HiFiBiO Therapeutics(HiFiBiO)と、固形癌を含む種々の癌種の潜在的治療法に向けたネオアンチゲン反応性T 細胞受容体(TCRs)の創製をサポートする技術開発に関わる研究提携とライセンス契約を締結したと発表した。 Kite とHiFiBiO は、養子細胞療法に使用するために、共有抗原ならびにネオアンチゲン受容体を特定するために患者の検体からTCR レパートリーを詳細にスクリーニングできるハイスループットアプローチを構築するためにHiFiBiO が所有する単一細胞技術基盤を使用することに同意した。ネオアンチゲンは、より標的化された抗腫瘍活性を提示する、各患者の癌に固有の腫瘍特異的突然変異から生じる抗原の集まりである。

小野薬品、Fate Therap.とiPS 細胞由来他家CAR-T 細胞療法に関する創薬提携契約を締結(9月18日)

小野薬品は、米国San Diego に拠点を置くFate Therapeutics(Fate)と、癌を対象としたiPS 細胞由来同種異系(他家)細胞療法の創製を目的に戦略的創薬提携契約を締結したと発表した。Fate は研究資金の提供を受け、同社の独自開発のiPS 細胞技術基盤を使って小野薬品が選択した2 つの創薬標的に対するiPS 細胞由来他家CAR-T 細胞療法を創製する。 1 つ目のCAR-T 細胞療法;血液癌を対象として、小野薬品はアジアにおいて、Fate はアジア以外の地域で開発・商業化を行う権利を保有している。 2 つ目のCAR-T 細胞療法;固形癌を対象に、小野薬品は全世界を対象に独占的に開発・商業化の権利を保有するが、Fate は欧米における共同開発・共同販売のオプション権を保有する。本契約から創製される2 つの製品は共にFate が製造の責任を負う。 Fate のiPS 細胞製品の技術基盤:既存の抗癌剤との併用を含め、より効果的な薬理活性を達成するために繰り返し投与することが出来る、均一で改変された他家細胞製品の大量生産を目指している。また、ヒトiPS細胞の遺伝子改変やクローン化したマスターiPS 細胞株の確立などの技術や経験を有している。

PD-1阻害薬キイトルーダの第2 四半期売上はオプジーボを僅差で上回った(7月27日)

メルク/MSDが2018 年第2 四半期決算報告を発表し、その中で、免疫チェックポイント阻害剤の抗PD-1 抗体キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)のグローバル売上が1,667 million$を達成したことが報告された。一方、ブリストル・マイヤーズ スクイブが発表した第2 四半期の決算報告では、抗PD-1 抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)のグローバル売上は1,627 million$であったことから、当該四半期レベルではあるが、初めてキイトルーダがオプジーボ に追いつき追い越したことが判明した。キイトルーダがオプジーボを捉える時期は、非小細胞肺癌の1 次療法の勝敗から、何れ近いうちに実現することは予測されていた。

アッヴィ とCalibr、固形癌を治療対象にスイッチ可能な次世代CAR-T 細胞療法の開発で提携(6月25日)

アッヴィとScripps Research Institute 傘下の非営利組織の創薬部門Calibr が、固形癌を含む癌の治療薬開発を目指して、T 細胞療法を開発するための提携契約を締結した。今回の共同研究契約は、アッヴィ の癌研究の幅を拡大し、高度な精密医療を究明する技術を利用して、癌患者の人生を向上させる治療法の開発に注力する。 Calibr の新しい細胞治療プログラムは、抗体のFab 部分にpeptide-neo-epitope(NPE)を結合させてスイッチ分子として独自のモジュラー型の切替え可能なCAR T 細胞を製造することができる。それにより、CAR-T 細胞の活性化および抗原特異性を制御することが可能になり、安全性、汎用性を高めることができる。Calibr の独自の技術は、いくつかのタイプの血液癌および固形癌に対する普遍的なCAR-T 療法の開発が可能になる。Calibr は、開発候補品を2019 年にリンパ腫の臨床試験に追加する予定である。 ➔ AbbVie 、 抗体技術 、 CAR-T細胞療法

イーライ・リリー、抗癌剤候補ペグ化IL-10 pegilodecakin 取得にARMO BioSciences を現金16 億$で買収(6月22日)

イーライ・リリー は、去る5 月10 日に発表したように、開発後期の癌免疫療法を開発中のARMO Biosciences(ARMO)との最終合意に基づいて、ARMO の発行済み全株式27,542,054 株に対し、1 株当たり現金で50$(総額16 億$)で公開買い付けを行い、90.6%の株式を取得し買収を完了したと発表した。 今回の買収は、ARMO の主要開発化合物pegilodecakin をリリーのパイプライン加えることでリリー の癌免疫療法プログラムを強化することにある。pegilodecakin はペグ化IL-10 で、これまでに複数の癌種に、単剤、および化学療法やチェックポイント阻害剤との併用で、臨床上のベネフィットを提示してきている。pegilodecakin は、現在、膵臓癌に対する第3 相試験を実施中であり、肺癌と腎臓癌、黒色腫、およびその他の固形癌でも初期の臨床試験が進められている。

BMS とIlluminaが 癌免疫療法に関するコンパニオン診断法の開発・商業化戦略提携(4/13)

 Bristol-Myers Squibb Company(BMS)とIllumina, Inc.(Illumina)は、BMS の癌領域のポートフォリオをサポートするため、および体外診断法(IVT)の開発とグローバルな商業化のために、Illumina の次世代シーケンシング(NGS)技術を用いる戦略的提携契約を締結した。  両社の戦略的提携では、腫瘍の遺伝子変異量(TMB; Tumor Mutation Burden)を含む潜在的に予測可能なゲノムバイオマーカーを測定するIllumina TruSight Oncology 500 アッセイ診断法を開発する予定である。このアッセイは、TMBおよびマイクロサテライト不安定性を含む癌治療のための既知の殆どのバイオマーカーを検出することを目的としている。このシリーズのひとつであるTruSight Tumor 170は、DNA とRNA を同時に解析できる濃縮ベースのターゲットパネルで、幅広い範囲の遺伝子や変異型をカバーする。また、わずか40 ng のDNA 及びRNA から5%の変異アリル頻度の変異を検出できる。