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FDA、ブリリンタのハイリスク冠動脈疾患における心筋梗塞又は脳卒中発症リスク軽減を承認

アストラゼネカの抗血小板剤ブリリンタ(一般名:チカグレロル)が、冠動脈疾患(CAD)を有するハイリスク患者における心筋梗塞または脳卒中の初回発症リスクの低下に対する効能を米国FDA から取得した。心筋梗塞または脳卒中の既往歴の無い、心血管系疾患のリスクが高い患者に対するアスピリン+ブリリンタの抗血小板剤2 剤併用療法に対する薬事承認は今回が初めてである。実際のFDA のsNDA 承認日は5 月28 日である。 本承認は第3 相THEMIS 試験の良好な結果に基づいている。試験では、心筋梗塞または脳卒中の初回発症リスクの高い2 型糖尿病合併の冠動脈疾患患者を対象に、アスピリン+ブリリンタ 60 mg の併用療法をアスピリン単剤療法と比較検討し、36 カ月の時点で併用療法群において、主要心血管イベントからなる主要複合評価項目のリスクが統計学的に有意に低下した。主要複合評価項目の中では心筋梗塞と脳卒中の発症抑制が顕著に認められた。

FDA、ALUNBRIG(brigatinib)のALK 陽性転移性NSCLC に対する1 次療法の効能追加承認

武田薬品のALUNBRIG(一般名:brigatinib)について、FDA が、成人のALK遺伝子転座陽性転移性非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する1 次療法として承認した。今回の承認により、ALUNBRIG の適応症に1 次療法が追加された。ALUNBRIG は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)分子変異を標的とするようデザインされた強力かつ選択的な次世代チロシンキナーゼ 阻害剤(TKI)である。 本承認は、ALK 阻害剤による前治療歴のない成人のALK 陽性局所進行あるいは転移性NSCLC 患者を対象に、クリゾチニブと比較してALUNBRIG の安全性および有効性を評価する第3 相ALTA-1L 試験の結果に基づくものである。2 年以上の追跡調査後、ALUNBRIG はクリゾチニブよりも良好な結果が示され、特にベースラインで脳転移のある患者に対して抗腫瘍活性が有意に高いことが示された。本試験において、盲検下での独立評価委員会(BIRC)による評価では、無増悪生存期間(PFS)の中央値はクリゾチニブの11 カ月に対してALUNBRIGは24 カ月であり、ALUNBRIGはクリゾチニブと比較して病勢進行または死亡のリスクを2 倍低下させた(PFS ハザード比=0.49)。確定奏効率(ORR)がALUNBRIG 群では74%(95%CI:66-81)、クリゾチニブ群では62%(95%CI:53-70)であることがBIRC の評価として示された。

エンハーツ(DS-8201)をHER2 陽性胃癌治療薬としてFDAがBreakthrough Therapy に指定

第一三共とアストラゼネカ のエンハーツ (一般名:トラスツズマブ デルクステカン)[DS-8201、HER2 に対する抗体薬物複合体(ADC)]が、FDA よりHER2 陽性の再発・転移性胃癌治療を対象として、画期的治療法(Breakthrough Therapy)の指定(BTD)を受けた。 今回のBTD は、トラスツズマブを含む2 回以上の前治療を受けたHER2 陽性の進行・再発性胃腺癌患者、または胃食道接合部腺癌患者を対象として、日本及び韓国で実施した第2 相DESTINY-Gastric01 試験、並びに日米共同第1 相臨床試験の解析結果に基づくものである。第2 相試験結果は、本年5 月下旬に開催されるASCO 2020 で発表予定である。 エンハーツは、FDA より2017 年8 月にHER2 陽性再発・転移性乳癌治療を対象に、BTD を受けている。

抗Trop-2 ADC 薬TRODELVY, FDA が治療歴の有る転移性TNBC 患者の治療法として承認

抗体薬物複合体の開発企業Immunomedics, Inc.(Immunomedics)は、FDA が、転移性疾患に対して少なくとも2 回の前治療歴を有する転移性トリプルネガティブ乳癌(mTNBC)の成人患者の治療法として抗Trop-2 ADC 薬TRODELVY (sacituzumab govitecan-hziy)を承認した。TRODELVYはトロポブラスト細胞表面抗原-2 に対するヒト型モノクローナル抗体hRS7 IgG1k (sacituzumab)1 分子に7~8(平均7.6)分子のtopoisomerase 阻害剤SN-38 を結合したリンカー(CL2A)を組み込んだADC 薬である。再発または難治性の転移性TNBC患者の治療法としてFDAによって承認された最初のADC藥であり、FDA によって承認された最初の抗Trop-2 ADC 薬でもある。TRODELVY の承認審査は、FDA の加速承認プログラムにおいて、単一群、多施設、第2 相試験における奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)に基づいて、加速承認(Accelerated approval)、Breakthrough Therapy (BT)と優先審査に指定されて承認された。

MEK阻害薬による蔓状神経線維腫を有する神経線維腫症1 型小児患者の治療

アストラゼネカ とメルクが開発中のkinase阻害剤KOSELUGO (一般名:セルメチニブ)について、FDA が、症候性で手術不能な蔓状神経線維腫(PN)を有する2歳以上の神経線維腫症1型(NF1)の小児患者の初の治療法として承認した。KOSELUGOは、細胞外シグナル関連kinase(ERK)経路の上流レギュレーターであるMEK1/2の阻害剤である。MEK とERK はどちらも、多様な種類の癌で活性化されるRAS 制御のRAF-MEK-ERK経路の重要な構成因子でもある。 本品は、NF1 PN 小児患者の治療に関して、2019 年4 月にFDA からBreakthrough Therapyの指定を受けた。2019 年12 月に希少小児病藥に指定、2018 年2 月には希少病藥に指定、2018年8 月にEU でも希少病薬の指定を受け、2018 年12 月にはSwissmedic からも希少病薬の指定を受けている。

COVID-19 迅速抗体検査キットの緊急時使用許可

FDA が、Cellex Inc.申請の、医療関係者によってCOVID-19 が疑われる個人から採取された血液検体(血清、血漿、全血等)中に存在するSARS-CoV-2 virus に対するIgM およびIgG 抗体の定性的に検出する迅速抗体検査キットqSARS-CoV-2 IgG/IgM Rapid Test について、緊急時使用許可(EUA)を認可した。本検査キットがSARS-CoV-2 virus に対する最初の承認された抗体検査法となった。 qSARS-CoV-2 IgG/IgM Rapid Testは、ヒトの免疫反応の一部としてウイルスに対して生成されたSARS-CoV-2 抗体のIgM およびIgG の検出キットである。SARS-CoV-2 に対するIgM 抗体は一般に最初の感染から数日後に血中に検出されるが、感染過程との関係は十分に解明されていない。SARS-CoV-2 に対するIgG 抗体は感染後、暫く経過後に検出可能になる。 本検査法の特徴は以下の通り。 1) 検体は血清、血漿、または全血から10μL を使用。 2) 迅速で簡便で、1 検査当り15 分で結果が判明、機器は一切不要。 3)手ごろな価格で実施できる。特別の訓練は不要で、時と場所を選ばずに実施可能。 4) 正確で信頼性の高い検査能力から、医師はCT スキャンや他の検査結果と合わせて、即 刻患者の状態を判断できる。

FDA、重症COVID-19 肺炎に対するGenentech のアクテムラ の第3 相試験の実施を認可

ロシュ のグループ企業Genentech は、同グループの中外製薬と大阪大学が共同開発したヒト化抗ヒトIL-6 受容体モノクローナル抗体ACTEMRA(US)/ROACTEMRA (EU)(一般名:トシリズマブ)(遺伝子組換え)について、米国生物医学先端研究開発局(BARDA)と共同で実施する無作為化、二重盲検、placebo 対照第3 相臨床試験の実施について、FDA の承認を取得した。同試験では、重症COVID-19 肺炎による成人入院患者におけるアクテムラ静注と標準的な医療措置の併用の安全性および有効性を評価する。主要評価項目および副次評価項目には、臨床状態、死亡率、人工呼吸器および集中治療室(ICU)等が含まれる。患者は無作為化後60 日間追跡され、有効性の初期の証拠を検証するために中間解析が実施される予定である。これは、この状況におけるアクテムラの最初のグローバルな臨床試験で、米国を含む全世界で約330 人の患者を目標として、4 月初旬に可及的早期に患者登録を開始する予定である。

FDA、ソラフェニブ の治療歴の有る肝細胞癌患者の治療に、オプジーボ+ヤーボイ 併用療法承認

ブリストル-マイヤーズ スクイブ(BMS)のオプジーボ(一般名:ニボルマブ) 1 mg/kg とヤーボイ(一般名:イピリムマブ) 3 mg/kg(いずれも点滴静注)の併用療法が、ソラフェニブによる治療歴を有する肝細胞癌(HCC)患者の治療薬として、FDA の承認を取得した。本効能は、第1/2 相CheckMate -040 試験のオプジーボ+ヤーボイ 併用療法コホートで認められた奏効率および奏効期間に基づいて、迅速プログラムの下で加速承認された。本効能の承認の継続条件は、検証的臨床試験において臨床上のベネフィットを証明し示すことである。 CheckMate -040 試験は、ソラフェニブによる治療中に病勢が進行、またはソラフェニブ に不耐のHCC 患者を対象にオプジーボ+ヤーボイの併用療法を受けたコホートを含む、非盲検、第1/2 相臨床試験である。本試験には PD-L1 発現患者および非発現患者が含まれていた。 最短28 カ月間の追跡調査の後、オプジーボ+ヤーボイの併用療法の奏効率(ORR)は、33%(49 人中16 人;95%CI:20-48)であり、うち8%(49 人中4 人)が完全奏効(CR)、24%(49 人中12 人)が部分奏効(PR)を示した。奏効期間(DOR)は 4.6~30.5 カ月以上にわたり、患者の88%で 6 カ月以上、56%で 12 カ月以上、31%で24 カ月以上継続した。 参考 オプジーボは2017年9月にPD-1阻害薬としては初めてHCC適応症を取得した。ソラフェニブ無効患者に対する二次療法として単独投与での承認だった。その後、一次療法としての追加承認を目指したCheckMate-459試験が2019年6月に失敗している。今回はCTLA-4阻害抗体ヤーボイとの併用による、進行性HCCに対する二次療法が承認された。

抗VEGF受容体抗体サイラムザによる転移性EGFR 変異陽性NSCLC 1 次療法

FDA の腫瘍薬諮問委員会(ODAC;Oncology DrugAdvisory Committee)が、治療歴の無い転移性EGFR 変異陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対するサイラムザ (一般名:ラムシルマブ) とエルロチニブ の併用療法を評価した第3 相RELAY 試験結果を基に申請したsBLA を審議し、採決の結果6:5 で承認勧告を採択した。RELAY 試験では、VEGF 受容体2 拮抗薬ラムシルマブ と、グローバルに承認済みのEGFR 標的とするチロシンキナーゼ阻害剤(TKI) エルロチニブの併用療法が、エルロチニブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)を統計的に有意に、かつ臨床的にも意味のある改善を証明した。しかし、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)には有意差が認められずネガティブな結論であった。 未治療の転移性EGFR陽性NSCLC患者に対するラムシルマブとエルロチニブの併用療法のベネフィット・リスクプロファイル?との問いに、諮問委員の採決の結果6:5 で辛うじて承認勧告が採択された。

テセントリクの進行性非小細胞肺癌に対する1 次療法

FDA がロシュのテセントリク(一般名:アテゾリズマブ)の一変承認申請(sBLA)を受理し、優先審査に指定した。申請内容は、EGFR またはALK 変異の無い、PD-L1バイオマーカーテストによって判定した高PD-L1 発現 (TC3 / IC3 野生型[WT]) 陽性の、進行非扁平上皮および扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対するテセントリク の単剤療法による1 次療法である。FDA はPDUFA の審査目標を2020 年6 月19 日に設定している。 IMpower110 試験は、シスプラチンまたはカルボプラチン とペメトレキセドまたはゲムシタビン(化学療法)と比較したテセントリク 単剤療法の有効性と安全性を評価する第3 相、無作為化、非盲検試験である。ALK またはEGFR 変異のない(野生型)進行非扁平上皮または扁平上皮NSCLC 患者で化学療法の治療歴の無いPD-L1高発現の被験者572 人(野生型555 人)が登録され、1:1 に無作為に割り付けられた。テセントリク単剤療法は、化学療法と比較して7.1 カ月OS を改善した [OS の中央値:20.2 vs.13.1 カ月;ハザード比(HR) = 0.595、95%CI:0.398–0.890; p = 0.0106]。

血友病の遺伝子治療valoctocogene roxaparvovec の承認申請

FDA が、BioMarin Pharmaceutical Inc.(BioMarin)が開発中のAAV5 遺伝子治療valoctocogene roxaparvovec の成人の血友病A に対する生物薬品承認申請(BLA)を受理し、優先審査に指定した。FDA による今回の申請受理により、米国のあらゆる種類の血友病に対する遺伝子治療製品について最初の販売承認申請となる。また、FDA はvaloctocogene roxaparvovec のコンパニオン診断検査を目的としたAAV5 Total Antibody アッセイの市販前承認申請(PMA)も受理している。AAV5 の抗原性が低いことから、BioMarin は、米国の血友病A 患者の約80%は、AAV5 による遺伝子治療が不適となるようなAAV5 に対する既存の抗体を有していないと推定している。このアッセイ法は、Utah 大学の研究所ARUP Laboratories によって創製された。

PADCEVの進行膀胱癌の1 次療法の第1b/2 相試験結果

Seattle Genetics とアステラス製薬が共同開発中のADC薬PADCEV(enfortumab vedotin-ejfv)について、未治療の局所進行性又は転移性尿路上皮癌の第1b/2 相EV-103 試験の最新データを米国臨床腫瘍学会泌尿生殖器癌Symposium(ASCO GU 2020)で口頭発表され、2 月19 日には本効能がFDA からBreakthrough Therapy に指定された。 EV-103 試験では未治療の局所進行性又は転移性尿路上皮癌で、シスプラチンによる化学療法に不適な患者45 人を対象に、PADCEV と抗PD-1 抗体薬ペムブロリズマブとの併用における安全性と有効性を評価した。追跡期間11.5 カ月(中央値)後の解析において、管理可能な安全性プロファイルを持続しており、臨床での有用性も期待できる結果が示された。 追跡期間(中央値:11.5 カ月、範囲:0.7‐19.2 カ月)後の奏効率(ORR)は73.3%(n=33/45)(95%CI:58.1‐85.4)で、そのうち完全奏効(CR)は15.6%(n=7/45)、部分奏効(PR)が57.8%(n=26/45)であった。奏効期間の中央値は未達である(範囲:1.2‐12.9 カ月以上)。解析時点で、ORR 患者33 人のうち18 人(55%)が奏効状態を持続しており、そのうち83.9%が6 カ月間以上、53.7%が12 カ月以上、奏効状態を持続すると推定された(Kaplan-Meier 推定)。無増悪生存期間(PFS)の中央値は12.3 カ月(95%CI:7.98, -)で、12 カ月の全生存率は81.6%(95%CI:62‐91.8)であった。全生存期間(OS)の中央値は未達であった。

再発/難治性(r/r)Mantle 細胞リンパ腫(MCL)に対するCAR T 細胞療法KTE-X19

Gilead Sciences 傘下のKite Pharma(Kite)が開発中のCAR T 細胞療法KTEX19の、成人の再発/難治性(r/r)Mantle 細胞リンパ腫(MCL)の治療薬としてFDA に2019 年12月11 日に提出していた生物薬品承認申請(BLA)が受理され、優先審査に指定された。承認されればKiteにとって二つ目の製品となる。先行品のエスカルタ(Axi-cel)は2017年10月にB細胞リンパ腫(DLBCL)を適応症として承認されている。 優先審査の終了目標は2020 年8 月10日に設定された。本品の本効能はBreakthrough Therapy の指定を受けている。EU におけるEMA に提出したMAA の審査もバリデーションが終了し、PRIME スキームの指定を受けて審査が開始されている。

EZH2 阻害剤TAZVERIK(tazemetostat)を類上皮肉腫治療薬としてFDAが加速承認

Epigenetic 治療薬開発に特化しているバイオ医薬品企業Epizyme, Inc. (Epizyme)が開発中の、ヒストンメチルトランスフェラーゼ、EZH2 阻害剤TAZVERIK(一般名:tazemetostat)錠について、FDAは、成人および16歳以上の小児患者の、完全切除が不適な転移性または局所進行類上皮肉腫治療薬として、第2 相臨床試験における奏効率と奏効期間に基づいて加速承認を認可した。NDA 提出は2019 年5 月23 日。 本効能は、奏効率と奏効期間に基づいて加速承認の下で、優先審査並びに希少病薬の指定も受けて承認された。本効能を継続的に維持するには、確認試験での臨床上のベネフィットを検証し、ラベルへの記載(一変申請)が承認条件である。 転移性または局所性進行類上皮肉腫の患者を対象とした、多施設、非盲検、単一群ホート(コホート5) からなるEZH-202 試験(NCT02601950)において、TAZVERIKの投与を受けた合計62 人中、ORR(95%信頼区間)は15%(7%、26%)で、1.6%の患者が完全奏効、13%が部分奏効を達成した。67%が6 カ月それ以上の奏効期間を達成した。

甲状腺眼症(TED)の治療薬としてHorizon Therapeutics のteprotumumab をFDAが承認

FDA が、Horizon Therapeutics plc(Horizon)が開発中の甲状腺眼症(TED)の治療薬としてTEPEZZA(一般名:teprotumumab-trbw)を承認した。TEPEZZA は、重度の進行性の視力を奪う可能性が高く、眼球突出(眼球の膨らみ)、複視、視力障害、痛み、炎症、顔の外観の異常さを伴う、自己免疫疾患のTED の治療薬としてFDA が承認した最初で唯一の医薬品である。TEPEZZA は、完全にヒトmAb であり、3 週間に1 回、合計8 回の注入で患者に投与されるinsulin 様成長因子1 受容体(IGF-1R)の標的阻害剤である。 BLA の提出は、2019 年7月6 日、PDUFA のゴールは2020 年3 月8 日に設定されていた。本品はBreakthroughTherapy、優先審査、希少病指定、さらにはファストトラック指定の下で承認された。

FDA、消化管間質腫瘍患者の稀な変異に対する初の標的療法AYVAKIT (avapritinib)を承認

FDA は、胃腸管、最も一般的には胃または小腸に発症する腫瘍の一種で、血小板由来成長因子受容体α(PDGFRA)のexon 18 変異を保有する、切除不能または転移性消化管間質腫瘍(GIST)治療薬としてBlueprint Medicinesが開発したkinase 阻害剤のAYVAKIT (avapritinib)を承認した。本承認には、最も一般的なexon 18 変異のPDGFRA D842V 変異を含むGIST が治療対象に含まれる。 2019 年6 月のNDA提出から、FDAのBreakthrough Therapy、ファストトラック、優先審査、希少病の各指定を受けて2020 年1 月9 日に承認された。 承認の根拠となったのは、PDGFRA 遺伝子D842V 変異を有する38 人の患者を含む、PDGFRA 遺伝子exon 18 変異を有するGIST 患者43 人を含む臨床試験結果である。患者は、AYVAKIT 300 mg または400 mg を1 日1 回(QD)経口投与された。 主要評価項目no 奏効率は84%(完全奏効率7%、部分奏効率77%)であった。PDGFRA 遺伝子 D842V 変異陽性患者のサブグループの奏(完全奏効率8%、部分奏効率82%)であった。奏効期間中央値は未達であるが、exon 18 変異陽性の奏効患者の61%は6 カ月以上奏効を持続した(進行中の奏効患者の31%の追跡期間は6 カ月未満)。

ENHERTU、複数の治療歴の有るHER2 陽性切除不能/転移性乳癌の治療薬の米国承認取得

第一三共とAstraZeneca は、米国FDA が。転移状態にあり2 回以上の抗HER2 ベースのレジメンの治療を受けている、成人女性の切除不能または転移性HER2 陽性乳癌患者の治療薬として、抗HER2 抗体薬物複合体(ADC)のENHERTU® (fam-trastuzumab deruxtecan-nxki)を承認したと発表した。本効能は、癌に対する奏効率と奏効持続期間に基づいて迅速プログラムのうちの加速承認により承認された。本効能の承認を継続させるには確認試験で臨床上のベネフィットを証明し、ラベルへの記載を行わなければならない。 FDA の承認は、HER2 陽性転移性乳癌の女性患者184 人を対象に、ENHERTU(5.4 mg/ kg)単剤療法の単一群からなるピボタル第2 相DESTINY-Breast01 試験結果に基づいている。試験結果は、完全奏効率4.3%(n = 8)と部分奏効率56.0%(n = 103)を含む、全奏効率(ORR)60.3%を示した(n = 111; 95%CI:52.9-67.4)。2019 年8 月1 日時点で、奏効期間(DoR)の中央値は14.8 カ月(95%CI:13.8-16.9)であった。さらに、フォローアップの中央値の11.1 カ月において、無増悪生存期間(PFS)の中央値が16.4 カ月((95%CI:12.7-未達)との試験結果がSan Antonio 乳癌シンポジウム(SABCS19)で報告され、同時にNEJM 誌にも掲載された。

FDA、現行治療法で病勢が進行したHER2 陽性乳癌患者に対する新治療法の選択肢を承認

FDA が、アステラス製薬とPfizer Inc.(Pfizer)と共同開発・商業化を進めている経口アンドロゲン 受容体阻害剤XTANDI(一般名:エンザルタミド)(XTA)に関し、転移性去勢感受性前立腺癌(CSPC: Castration-Sensitive Prostate Cancer)の効能追加を承認した。本承認により、XTA は米国において、既に承認を取得している非転移性および転移性去勢抵抗性前立腺癌(CRPC:Castration-Resistant Prostate Cancer)に加えて、転移性CSPC の効能を有する最初で唯一の経口治療薬になった。今回のsNDA は2019 年6 月21 日に提出し、2019 年12 月16 日に承認されたことから、審査期間は凡そ6 カ月であった。 今回の承認は、転移性CSPC 患者1,150 人を対象に実施した第3 相ARCHES試験結果に基づいている。本試験において、主要評価項目である画像診断による無増悪生存期間(rPFS)を有意に延長した 。

FDA、TGA・Health Canada との協力下、CALQUENCE の慢性リンパ性白血病治療法承認

FDA は、豪州医療製品管理局(TGA)よびカナダ保健省(HC)との共同ProjectであるProject Orbis の一環として、アストラゼネカのBTK 阻害CALQUENCE(一般名:アカラブルチニブ)(CAL) について、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者の治療に関わる一変承認申請による効能追加を承認した。CAL の新たに承認されたCLL またはSLL 患者の治療法の効能は、1 次またはそれ以降の治療法として新たな治療の選択肢を提供することになる。 CLL とSLL は類似の癌であるが、身体の異なる部位で発生する。 CLL は主に血液と骨髄で発生し、SLL は主にリンパ節で発生する。どちらもリンパ球の癌であり、リンパ球は体が感染と戦うのを助ける免疫細胞の一種である。CLL 又はSLL の症状には、赤血球数の減少(貧血)、血小板数減少、疲労、リンパ節腫大、及び感染リスクの増加が含まれる。 CLL 又はSLL 患者に対するCAL の効能追加の承認は、CAL を他の標準療法と比較した2 本の無作為化臨床試験に基づいている。最初臨床試験は、治療歴の無いCLL 患者(n=535)を登録した試験で、CAL 投与患者は、他の標準療法を受けた患者と比較して、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長された。2 本目の臨床試験には、前治療歴の有るCLL 患者(n=310)が含まれている。CAL の投与を受けた患者は、他の標準療法を受けた患者よりもPFS が有意に延長された。

FDA、FETROJA(cefiderocol)を他の治療の選択肢の無い複雑尿路感染症治療薬として承認

塩野義製薬が、FETROJA(cefiderocol)について、「他の治療の選択肢が無い、もしくは限られた 18 歳以上の患者における、グラム陰性菌による腎盂炎を含む複雑尿路感染症(cUTI)治療」を適応としてFDA から販売承認を取得した。 グラム陰性菌のカルバペネム 系抗菌剤に対する耐性獲得には、3 つの機序が関連するが、FETROJA はそれらに影響されずに抗菌力を発揮する初のβラクタム 系抗菌剤である。今回の承認は、複雑尿路感染症を対象にした国際共同試験(APEKScUTI)とカルバペネム耐性菌感染症を対象にした、国際共同試験(CREDIBLE-CR)の結果を基に評価された。また、FDA からQIDP の指定を受けて、優先審査で審査を受け、市販後の独占期間が5 年延長される特典を取得した。EU では2019 年3 月に承認申請が受理されている。