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BCL-2阻害薬とDNAメチル基転移酵素阻害薬の併用によるAML治療

03/23 AbbVie , BCL-2 inhibitor , AML AbbVie Announces Positive Topline Results from Phase 3 Trial of VENCLEXTA® (venetoclax) in Combination with Azacitidine in Patients with Acute Myeloid Leukemia (AML) アッヴィは急性骨髄性白血病患者を対象にBCL-2阻害薬ベネクレクスタ(一般名:ベネトクラックス)とDNAメチル基転移酵素阻害薬アザシチジン(製品名:ビダーザ)を併用したフェーズ3試験の良好なトップライン成績を発表した。独立モニター委員会の勧告および事前に規定した中間解析における基準(全生存期間)が達成されたことから、臨床成績を早期段階でFDAに提出する予定である。

EC、治療歴の無い慢性リンパ性白血病患者の治療法としてVENCLYXTO 併用療法を承認

EC が、前治療歴の無い成人の慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療法として、アッヴィのVENCLYXTO (一般名:べネトクラクス)+obinutuzumab の併用療法を承認した。本承認は、EU 全27 加盟国、およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー及び英国で有効である。EC 承認は3 月9 日で、英国 の承認はEU 離脱に関わる1 年間の移行期間の処置である。 承認の根拠としたCLL14 試験では、 German CLL Study Group との共同作業の下、併存疾患があり(累積疾患評価尺度のスコアが6 超またはクレアチニンクリアランス 70 mL/min 未満)、未治療のCLL 患者を対象に、べネトクラクス+obinutuzumab 併用レジメン(n=216)の有効性および安全性をobinutuzumab+クロラムブシル 併用レジメン(n=216)との比較により評価をした。主要評価項目は、試験担当医師の評価に基づくPFS、重要な副次評価項目は、末梢血中および骨髄中の微小残存病変陰性、奏効率および完全奏効率であった。 参考 米国ではFDAが慢性リンパ性白血病(CLL)を適応症として2016年4月に初回承認し、2018年11月には化学療法不適応の急性骨髄性白血病(AML)新規患者に対する治療薬として加速承認している。

遺伝子低メチル化剤CC-486による急性骨髄性白血病の維持療法

12/10 BMY , Acute myeloid leukemia (AML) , Epigenetics Bristol-Myers Squibb Presents Overall Survival and Safety Data From Pivotal CC-486 Study QUAZAR AML-001 (ブリストルマイヤーズ・スクイブがCC-486の申請用臨床試験から全生存期間と安全性に関するデータを発表した) CC-486はエピジェネティック作用を有する遺伝子低メチル化剤である。新たに診断され集中的な導入化学療法により症状が緩和した急性骨髄性白血病(AML) 患者の維持療法としてCC-486を一次選択薬として投与した。投与群238例とプラセボ群234例を比較した結果、全生存期間の中央値24.7か月はプラセボ群14.8か月に対してハザード比0.65(95%CI:0.55,0.81) p=0.0001となった。

BTK阻害薬LOXO-305によるB細胞白血病およびリンパ腫治療

12/08 LLY , BTK inhibitor , B-Cell Leukemias , Lymphoma Lilly Presents Interim Clinical Data from LOXO-305 Dose Escalation Trial in B-Cell Leukemias and Lymphomas at the American Society Hematology Annual Meeting (リリーはLOXO-305のB細胞白血病およびリンパ腫に対する用量漸増試験の中間データを米国血液学会(ASH)年次総会において発表した) (参考) LOXO-305は高度に選択性の非共有結合型のブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬である。現在販売されているBTK阻害薬は2013年に承認されたアッヴィとヤンセンのイブルチニブ(販売名イムブルビカ)と2017年に承認されたアストラゼネカのアカラブルチニブ(販売名Calquence)だけである。いずれもマントル細胞リンパ腫を対象として初回承認を取得した。イムブルビカは2014年に慢性リンパ性白血病(CLL)の適応症拡大が承認され、売上高が急増した。2018年売上高はアッヴィが36億㌦、ヤンセンが26憶㌦を計上している。

FDA、TGA・Health Canada との協力下、CALQUENCE の慢性リンパ性白血病治療法承認

FDA は、豪州医療製品管理局(TGA)よびカナダ保健省(HC)との共同ProjectであるProject Orbis の一環として、アストラゼネカのBTK 阻害CALQUENCE(一般名:アカラブルチニブ)(CAL) について、慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者の治療に関わる一変承認申請による効能追加を承認した。CAL の新たに承認されたCLL またはSLL 患者の治療法の効能は、1 次またはそれ以降の治療法として新たな治療の選択肢を提供することになる。 CLL とSLL は類似の癌であるが、身体の異なる部位で発生する。 CLL は主に血液と骨髄で発生し、SLL は主にリンパ節で発生する。どちらもリンパ球の癌であり、リンパ球は体が感染と戦うのを助ける免疫細胞の一種である。CLL 又はSLL の症状には、赤血球数の減少(貧血)、血小板数減少、疲労、リンパ節腫大、及び感染リスクの増加が含まれる。 CLL 又はSLL 患者に対するCAL の効能追加の承認は、CAL を他の標準療法と比較した2 本の無作為化臨床試験に基づいている。最初臨床試験は、治療歴の無いCLL 患者(n=535)を登録した試験で、CAL 投与患者は、他の標準療法を受けた患者と比較して、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長された。2 本目の臨床試験には、前治療歴の有るCLL 患者(n=310)が含まれている。CAL の投与を受けた患者は、他の標準療法を受けた患者よりもPFS が有意に延長された。

イムブルビカの慢性リンパ性白血病における一次療法追加

Nov 08 , 2019    AbbVie , BTK inhibitor , Chronic lymphocytic leukemia (CLL) AbbVie Submits Supplemental New Drug Application to U.S. FDA For IMBRUVICA® (ibrutinib) in Combination with Rituximab for the Treatment of Previously Untreated, Younger Adults with Chronic Lymphocytic Leukemia アッヴィはイムブルビカ(一般名イブルチニブ)とリツキシマブの併用による、前治療歴のない若年成人に対する慢性リンパ性白血病(CLL)の治療について、FDAに追加承認の申請を提出した。 (参考)  イムブルビカは世界初のBTK阻害薬として2013年にマントル細胞腫の治療薬として承認され、2014年に「前治療歴のある」CLL患者へ適応症が拡大された。2017年には骨髄移植患者の移植変対宿主病(GVHD)、辺縁帯リンパ腫(MZL)にも承認されている。今回は「前治療歴」がないCLL患者への一次療法としての承認を申請した。本薬を創生し、導出先のヤンセンと共同開発していたPharmacyclics社をアッヴィは2015年に買収して傘下に収めている。イムブルビカの2018年売上高はアッヴィが36憶㌦(3900億円)、ヤンセンが26憶㌦(2900億円)を計上した。2番目のBTK阻害薬としてアストラゼネカが2017年に発売したアカラブルチニブ(製品名Calquence)の2018年売上高は70億円にとどまった。

CMS、トランプ政権、CAR T 細胞による癌治療を全国Medicare 加入者に提供を決定と発表

Centers for Medicare & Medicaid Services (CMS)は、トランプ大統領とAzar連邦保健福祉省(DHHS)長官のリーダーシップにより、FDA が承認した、患者自身の遺伝子組み換え免疫細胞によるキメラ抗原受容体T 細胞(CAR T 細胞)療法をMedicare の対象とする決定を確認したと発表した。FDA が承認したCAR T 細胞療法は、特定の種類の癌として、非Hodgkin リンパ腫とB 細胞前駆体急性リンパ芽球性白血病の一部の患者の治療法である。 Medicare は、FDA が承認した効能について、FDA リスク評価および緩和策(REMS)に登録された医療施設で使用される場合に限って、自家CAR T 細胞療法に対する給付を行う。被験薬としてCAR T 細胞療法を使用した臨床試験におけるルーチンのコストに対して給付する基本方針に変わりない。更に、Medicare はCMS 承認のCompendium(医薬品処方指針、又は医薬品情報集)に推奨される適用外使用としてFDA 承認のCAR T 細胞療法に給付することになる。Compendium は、医学的に認められた医薬品及び生物薬品の使用を決定する際に利用される。

アストラゼネカ のCALQUENCE、R/RCLL 患者の無増悪生存期間を有意に延長

アストラゼネカのCALQUENCE(一般名:acalabrutinib)の第3 相ASCEND 試験(中間解析結果)において、再発又は難治性慢性リンパ性白血病(CLL)患者の無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが発表された。 本剤は、2017 年10 月にFDA から1 回以上の前治療歴のある成人Mantle細胞リンパ腫(MCL)患者の治療薬として加速承認で承認された。本効能の承認を維持するには、確認試験による臨床上のベネフィットを証明し、sNDA により標準承認への移行をラベルに記載しなければならない。本剤はBruton tyrosine kinase (BTK)阻害剤で、BTK に共有結合することにより阻害作用を発揮する。BTK シグナルはB 細胞の増殖、移動、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られている ASCEND 試験は、前治療歴のあるCLL 患者を対象にCALQUENCE の有効性を評価する、無作為化、多施設、非盲検、国際共同第3 相試験である。310 人を無作為に1:1 の2 群に割り付け、一群はCALQUENCE 単剤療法 [100mg 1 日2 回(BID)、病勢進行が認められるまで]を、二群はリツキシマブ をベースに試験担当医師が選択したidelalisib[IdR]またはbendamustine[BR]の併用療法をそれぞれ投与された。本試験では、16.1 カ月の追跡期間(中央値)において、CALQUENCE はIdR またはBR に対して、統計学的に有意に、かつ臨床上意義のあるPFS の改善を示し、病勢進行もしくは死亡のリスクを69%低減した [ハザード比(HR)= 0.31; 95%CI, 0.20-0.49, p<0.0001]。PFS の中央値はCALQUENCE 単剤群では未達の一方、対照群は16.5 カ月であった。12 カ月の時点で、CALQUENCE 単剤群の88%に病勢進行が認められなかったのに対して、対照群その割合は68%であった。

マクロファージチェックポイント阻害抗CD47 抗体Hu5F9-G4 のAML/MDS の第1b 相試験

Forty Seventy, Inc が開発中のfirst-in-class の抗C47 抗体Hu5F9-G4 について、アザシチジン(AZA)との併用療法による急性骨髄性白血病(AML)および骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する第1b 相試験の最初の試験結果をASCO 2019)で報告した。 Hu5F9-G4(5F9)は、CD47 を標的とする抗体で、マクロファージの免疫チェックポイントである。CD47 は、血球細胞がマクロファージ、樹状細胞等の貪食細胞の攻撃から細胞を守る蛋白質で、赤血球、血小板、リンパ球等の血球細胞表面に存在し、AML/MDS、NHL(非ホジキンリンパ腫)、および乳癌などの固形癌細胞で過剰発現が知られている。CD47 が過剰発現する癌細胞では、CD47 がマクロファージのSIRPα(阻害受容体シグナル制御蛋白α)と結合し“Don’t eat me”のシグナルで貪食から逃れ、免疫系の攻撃を回避している。CD47 は、AML モデルで癌細胞の食作用を誘発し、白血病幹細胞(LSC)の放出を阻害する。アザシチジン(AZA)は、AMLに“eat me”シグナルを誘導し5F9 と相乗作用を示して食作用を増強する。本試験において、AML/ MDS 患者における5F9 の単剤またはAZA との併用による安全性/有効性を検証したところ、5F9 単独またはAZA との併用でMTD に達することなく忍容性は良好であった。また、5F9 はAZA の毒性を増強しなかった。25 人の有効性評価可能な患者において、8/15(53%)の未治療のAML/MDS 患者は、5F9 +AZA によりCR/CRiはAML で5/10(50%)、MDS で3/5(60%)であたった。 1/10(10%)のR/R AML / MDS 患者は5F9の単剤に奏効性(MLFS;形態学的に白血病細胞が検出されない状態)を示した。ほとんどの5F9+AZA 奏効患者でLSC 頻度が減少/排除された。奏効患者の50%がフローサイトメトリーで検査した微小残存病変(MRD)は陰性を示した。 4/10(40%)のAML 患者はRBC 輸血非依存性となり、4/5(80%)のMDS 患者は血液学的改善を示した。

FDA、p53 を標的とする骨髄異形成症候群治療薬APR-246 をFast Track 及び希少病薬指定

FDA が、株式非公開の私企業であるAprea Therapeutics(Aprea)が開発中のAPR-426(腫瘍抑制性タンパクp53 を標的にした新規抗癌剤)によるTP53 に変異を有する骨髄異形成症候群(MDS)に対する治療をFast Track に指定し、更に希少病薬にも指定した。p53 腫瘍抑制遺伝子は、ヒトの癌で最も高頻度に変異を生じている遺伝子で、全腫瘍の約50%に認められている。この変異は、抗癌剤に対する耐性や全生存率の低さに関連していることが多く、癌治療における重大なアンメット・メディカルニーズであると考えられる。 APR-246は、野生型p53 遺伝子の立体構造および機能を回復させることによって、変異型および不活性化されたp53 タンパク質を再活性化し、ヒト癌細胞においてプログラム細胞死を誘導することが示されている。APR-246 は、特にMDS、AML、および卵巣癌を含む多様な固形および血液腫瘍に対して前臨床 試験で抗腫瘍活性を示すことが確認されている。さらに、化学療法などの伝統的な抗癌剤、ならびにより新しい機序に基づく抗癌剤や癌免疫療法である免疫チェックポイント阻害剤の両者との併用による前臨床試験で、強い相乗効果が認められている。更に、この前臨床試験結果に加えて、APR-246 の第1/2 相臨床試験プログラムが終了し、血液腫瘍およびTP53 遺伝子変異陽性の固形腫瘍に対して、好ましい安全性プロファイル、生物活性および臨床効果が実証された。

ファイザーのDAURISMOを急性骨髄性白血病治療薬としてFDAが優先審査で承認(11月21日)

FDA は、75 歳以上の成人、あるいは強化化学療法が不適な可能性があり、他の慢性的な健康状態あるいは基礎疾患の有る、新たに診断された急性骨髄性白血病(AML)患者の治療薬として、ファイザーのDAURISMO(一般名:glasdegib)錠とシタラビン の低用量(LDAC)との併用療法を承認した。 glasdegib は、開発中の1 日1 回の経口薬で、Smoothened(SMO)受容体を阻害することによりHedgehog シグナル伝達経路を阻害する。Hedgehog シグナル伝達経路の異常な活性化は、固形癌や血液癌を含む複数の癌の発現に影響を及ぼすと考えられている。glasdegib は、何れの国の規制当局から未だ承認を受けていない。 申請は、無作為化、非盲検、多施設共同、第2 相BRIGHT 1003 試験結果に基づいている。この試験では、強力化学療法が適さない未治療のAML または高リスク骨髄異形成症候群(MDS)の患者111 人を対象に、glasdegib とLDAC の併用療法(n=77)とLDAC単独療法(n=34)を比較評価した。その結果、主要評価項目であるOS について統計的に有意な改善が示され、OS中央値は、glasdegib とLDAC の併用群で8.3 カ月、LDAC 単独群で4.3 カ月であった。この差は、glasdegib とLDAC の併用群における死亡リスクの54%の低下に相当する(HR: 0.46、95% CI: 0.30, 0.71、片側検定p 値=0.0002)。

FDA、MM 及びALL の最小残存病変検出用次世代シークエンシング解析法clonoSEQ を承認

FDA が、Adaptive Biotechnologies の次世代シークエンシング(NGS)アッセイ法clonoSEQ を承認した。clonoSEQアッセイは、多発性骨髄腫(MM)及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)の患者の骨髄試料中のDNA を用いて、患者の最小残存病変(MRD)の検出およびモニタリングに用いられるfirst-in-class の検査法である。 Blood 誌に掲載されたIFM 2009 試験では、2 つの治療群のMRD 状態とOS、PFS の関係を解析した。維持療法開始前にNGS MRD 検査を使用して患者のサブセット(N =224)を分析し、維持療法後に183 人の患者を評価した。凍結骨髄サンプルから500 ng – 20μg DNA を抽出し、clonoSEQ によりMRD を検査した。シーケンシングはIllumina NextSeqTM 500 System を使用した。MRD 陰性の判定は、維持療法前(P <0.001)と維持療法後(P <0.001)のPFS の延長と関連し、NGS MRD 検査で結果を十分に予測出来ることを示した。 PAR Library » Next generation gene sequencing , Bioventure

アストラゼネカの抗CD22抗体LUMOXITI (moxetumomab)をFDAがヘアリー細胞白血病治療薬として承認(9月14日)

FDA は、アストラゼネカとMedImmune が開発中のLUMOXITI(moxetumomab pasudotox-tdfk)を2 回以上の全身療法の前治療歴の有る、再発または難治性(r/r)ヘアリー細胞(毛状細胞)性白血病(HCL)の成人患者の治療薬として承認した。first-in-class の新HCL 治療薬LUMOXITI の承認は、20 年振りである。 LUMOXITIは、短縮型細菌毒素と抗CD22 抗体のCD22 結合部分からなる抗CD22 指向細胞トキシンの融合蛋白で、B 細胞の細胞表層のCD22 に結合して細胞内に内在化し、毒素はタンパク質合成を阻害し、最終的にアポトーシスを誘発する。 LUMOXITI の創薬・研究開発は、国立癌研究所(NCI)によって進められ、以後の開発はMedImmune とNCI と提携契約の下で進められた。官民の科学的パートナーシップが癌治療に重要な進歩をもたらした好例として特記される。 承認申請の根拠となった1053'試験は、上前治療歴の有るr/r HCL 患者におけるmoxetumomab pasudotox 単剤療法の有効性、安全性、免疫原性および薬物動態を評価する、シングルアーム、多施設、第3 相臨床試験である。14 カ国、34 施設の参加の下に80 人の患者を登録して実施された。主要評価項目の完全奏効 (180 日以上の血球数の正常化) 率は30%であった。副次評価項目は、奏効率(ORR)、無再発生存期間(RFS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効までの期間(TTR)、安全性、薬物動態および免疫原性能などである。 LINK » AstraZeneca , CD22 , Blood cancer

ノバルティスのCAR T細胞療法キムリアを欧州委員会(EC)が承認

欧州委員会(EC)が、ノバルティスのキムリア (一般名:tisagenlecleucel)(CTL019)の販売承認申請(MAA)を認可した。キムリアの販売承認申請(MAA)は、 2017 年11 月にEMA に提出され、2018 年6月末のCHMP 会議で承認勧告を受けていた。EMA からの開発支援では、希少病薬への指定、およびEU の革新的治療法を対象にしたPRIME (PRIority MEdicines)スキームの指定品目第1 号であった。承認効能は、難治性で、幹細胞移植後の再発、2 回目あるいはそれ以上の再発状態にある、小児あるいは25 歳以下の若年成人のB 細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者、および、2 回以上の全身療法の後に、再発または難治性(r/ r)のびまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)の成人患者である。 この承認は、欧州8 カ国の患者を含む唯一の2 つのグローバ験試験、JULIET およびELIANA の試験の結果に基づいている。

第一三共のFLT3 阻害剤quizartinibをFDAが再発・難治性AML治療としてBT 指定(8月1日)

第一三共株式会社のFLT3 阻剤害quizartinib が、FLT3-ITD 変異を有する再発又は難治性(r/r)の急性骨髄性白血病(AML)治療を対象として、米国FDA から、Breakthrough Therapy(BT)の指定を受けた。今回のBT指定は、FLT3-ITD 変異陽性の、r/r AML 患者を対象としたグローバル第3 相QuANTUM-R 試験結果に基づくものである。本試験において、quizartinib は既存の化学療法剤と比較して全生存期間(OS)を有意に延長した。本剤はこの他、FDA よりFLT3-ITD 変異陽性のr/r AML 治療を対象にFast track の指定を、またFDA 及びEMA よりAML 治療を対象としてOrphan drug(希少病用薬)の指定を受けている。

IDH1変異陽性再発/難治性急性骨髄性白血病(AML)に対する初めての経口治療剤TIBSOVOをFDAが承認(7月20日)

Agios Pharmaceuticals, Inc.(Agios)のTIBSOVO®(一般名:ivosidenib)が、FDAの承認した診断法で検出された感受性イソクエン酸デヒドロゲナーゼ-1(IDH1)変異陽性の再発・難治性急性骨髄性白血病(r/rAML)の成人患者の治療法として承認された。TIBSOVO は、経口のIDH1 酵素標的阻害剤で、IDH1 変異陽性のr/rAML 患者に対する最初で唯一のFDA 承認の治療法になった。 本品はファストトラック、および希少病薬の指定を受けていた。FDA への承認申請は、r/r AML およびIDH1 突然変異陽性患者を対象にした臨床試験AG120-C-001 試験結果に基づいたものである。 TIBSOVO の治療に適したr/r AML 患者を選択するためのAbbott 社創製 RealTime™IDH1 コンパニオン診断法も同時に承認された。 LINK > 急性骨髄性白血病(AML)

FLT3-ITD 変異陽性再発難治性急性骨髄性白血病に対するquizartinib の第3 相試験結果発表(6月6日)

米国第一三共は、開発中のFLT3 阻害剤quizartinib について、FLT3-ITD 変異陽性、再発難治性急性骨髄性白血病(r/rAML)に対し、quizartinib 単剤による第3 相QuANTUMR試験結果を、来る6 月14~17 日にStockholm で開催される第23 回欧州血液学会(EHA2018)総会において、16 日のLate- Breaking Session で初めて口頭で報告すると発表した。 QuANTUM-R 試験は、造血幹細胞移植を受けたあるいは受けていないに関わらず、1 次療法の標準療法に難治性、あるいは1 次療法の標準療法後、6 カ月以内に再発したFLT3-ITD変異陽性AML 患者367 人を登録した、ピボタル、グローバル、第3 相、オープンラベル、無作為化試験である。登録患者は2:1 の比率で無作為に分けられ、quizartinib の経口単剤療法、又は救済化学療法のいずれかを投与された。主要評価項目は、全生存期間(OS)である。

国内初のCAR-T 細胞療法(CTL019)の承認申請

ノバルティスが、25 歳以下の再発・難治性B 細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)及び成人の再発・難治性びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、日本国内初のCAR-T 細胞療法CTL019 (国際一般名:tisagenlecleucel、海外における製品名:Kymriah) の製造販売承認を申請した。 本申請は、ペンシルバニア 大学とノバルティスの協働による国際多施設共同第2 相ELIANA 試験及びJULIET 試験に基づいて行われた。CTL019 は、2017 年8 月に25 歳以下の再発・難治性ALL を適応症として、初のFDA 承認を取得し、2017 年10 月に2 つ目の効能である成人のDLBCL に対する承認申請が行われた。また、2017 年11 月には、小児・若年成人のALL および成人のDLBCL に対する販売承認申請がEMA に提出された。今回、日本での承認申請は、米国、欧州に続くものである。なお、2016 年5 月には、日本国内においてCD19 陽性のALL 及びDLBCL の適応に対し、希少疾病用再生医療等製品に指定されている。

タカラバイオ、大塚製薬とNY-ESO-1・siTCR 及びCD19・CAR 遺伝子治療の提携契約締結

タカラバイオ(タカラ)は、大塚製薬(大塚)とNY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療薬(開発コード番号:TBI-1301、TBI-1301-A)及びCD19・CAR 遺伝子治療薬(開発コード番号:TBI-1501)の、日本国内における共同開発・独占販売に関する契約を締結した。 NY-ESO-1・siTCRTM 遺伝子治療は、 癌患者から採取したリンパ球(T 細胞)に癌細胞を特異的に認識するTCR 遺伝子を体外で導入し、培養によって増殖させた後に治療薬として患者に輸注する治療法である。TCR 遺伝子が導入されたリンパ球が、癌細胞を特異的に認識して攻撃し、消滅させる効果が期待される。現在、日本国内においては、滑膜肉腫を対象とした第1/2 相試験を実施中である。また本治療薬は2018 年3 月27 日に厚労省の『先駆け審査指定制度』の対象品目に指定されている。 CD19・CAR 遺伝子治療は、 急性リンパ芽球性白血病(ALL)を含む多くのB 細胞性リンパ腫およびB 細胞の表面に発現しているCD19 タンパク(抗原)を特異的に認識するCAR(キメラ抗原受容体)の遺伝子を、患者由来のリンパ球に導入し、再び輸注する治療法である。現在、日本国内においては、成人のALL に対する第1/2 相試験を実施中である。

ノバルティスとKite Pharma/ギリアドの両CAR-T 細胞療法に関するICER の最終報告

ICER は、B 細胞癌に対するCAR-T 細胞療法のtisagenlecleucel (キムリア、ノバルティス)とaxicabtagene ciloleucel (YESCARTA, Kite Pharma/ギリアド)に関する最終エビデンス報告書を発表した。公開でレビューされたCalifornia 技術評価フォーラム(CTAF)パネルの大多数が、tisagenlecleucel がB 細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児患者に総合的なベネフィットを付与し、tisagenlecleucel 及びaxicabtagene ciloleucel がB 細胞サブタイプの非ホジキンリンパ腫(NHL)の成人患者にベネフィットを十分に付与していると評価した。NHL に対しては2 種のCAR-T 細胞療法の相互の優劣を判断するにはエビデンスが不十分との票決結果であった。さらに、パネルの大多数は、tisagenlecleucel によるB-ALLの治療の長期的な価値は中等度と評価した。