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11月, 2014の投稿を表示しています

武田薬品のプロテアソーム阻害薬イクサゾミブをFDAがBT指定

武田薬品が開発中のプロテアソーム阻害薬イクサゾミブ(ixazomib:MLN9708)を、再発・難治性全身性ALアミロイドーシスの治療薬としてFDAがBT指定した。この疾患の治療薬としてBT指定を受けたプロテアソーム阻害薬は本剤が初めてである(➔ par library )。第1相試験とその後行われている第3相TOURMALINE-AL1試験がBT指定の根拠となった。 イクサゾミブは、米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについて希少疾患薬の指定を受けている。上記の第3相試験のほかにも、多発性骨髄腫を対象とした3本の国際共同第3相試験が現在進行中である。

Junoの白血病に対するCAR T細胞療法JCAR015をFDAがBT指定

Juno Therapeutics(以下Juno; 米国シアトル)が、Memorial Sloan Kettering癌センターと共同開発中の癌免疫療法、キメラ抗原受容体(CAR)JCAR015が、再発・難治性B細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療薬としてFDAからBT指定を受けた。CAR T細胞療法では、ノバルティスのCTL0019(➜ per news )に次いで2番目のBT指定となった。 Junoは、このほかに、JCAR017(対象:小児のCD-19陽性・再発・難治性白血病)とJCAR014(対象:難治性慢性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫および急性リンパ芽球性白血病)を開発している。 参考: CAR(Chimeric Antigen Receptor)は、腫瘍抗原に特異的なモノクローナル抗体可変領域の軽鎖と重鎖を直列に結合させた単鎖抗体(scFv)とT細胞受容体ζ鎖をそれぞれN末端側とC末端側にもつキメラタンパク質。scFvとζ鎖の間に共刺激分子(CD28、4-1BBなど)を組み込んだ第二世代や第三世代のCARでは、細胞傷害活性が高められている。 Juno Therapeuticsは、CAR技術と高親和性T細胞受容体(TCR)技術を用いて、Fred Hutchinson癌研究センター、Memorial Sloan Kettering癌センター、Seattle小児研究所と共同で癌免疫療法を開発している、米国のバイオ医薬品ベンチャー企業。 par library ➜ 【新薬開発】血液がん

グローバル医薬品市場は今後5年間で30%拡大する見通し(年率5-6%の成長率)

グローバル医薬品市場 は2018年までの5年間で30%拡大し、1.3兆ドル(140兆円)に達すると予想するレポート「Global Outlook for Medicines Through 2018」をIMSが発表した(11月20日)。➜ 【 IMSウェブサイト 】 IMSヘルスケアによる市場予想の要約 米国 が最大の成長地域となり、増加分の30%を占める。米国市場は特許切れ医薬品の落ち込みが続く一方で、「抗がん剤」や「抗ウイルス薬」などの発明新薬が市場全体を拡大し、2018年まで年率5-8%の成長を持続する。医療費全体は2020年代まで年率6%の成長が予想され、米国の薬剤比率は1960年代から一定して10-12%の水準で推移する。 米国の他には 東南アジアと東アジア 地域の成長が期待される。人口増加と所得水準の向上、加えて医療提供体制の発展が見込まれる。 反対に 欧州 では経済危機からの回復過程で国家間に不均衡が見られ、市場予想を引き下げるリスク要因となっている。ロシアをめぐる政治的な緊張、中東やアフリカの情勢も不安材料だ。

サノフィ/Regeneron共同開発のデュピルマブがアトピー性皮膚炎治療薬としてFDAのBT指定を取得

サノフィとRegeneron Pharmaceuticals社が開発中のIL-4/IL-13抗体のデュピルマブが、「局所療法ではコントロールできない、あるいは局所投与が適さない」、中等度から重度の成人アトピー性皮膚炎の治療薬としてBT指定を受けた。これは、以前に発表された第1相および2相試験で良好な結果が得られたことに基づいている。 現在は中等度から重度のアトピー性皮膚炎に対する効果的な治療法が少なく、多くの患者が広範囲の皮膚炎、かゆみ、不眠のために長期にわたり苦しんでいる。デュピルマブは、このような患者にとって新しい治療選択肢となる可能性がある。(➔ par library ) 参考: デュピルマブはIL-4受容体のαサブユニットに対する完全ヒトモノクローナル抗体で、IL-4とIL-13両方のシグナルをブロックする。IL-4とIL-13は、アレルギー反応に重要と考えられているTh2反応の開始と維持にキーとなるサイトカインである。デュピルマブは、Regeneron Pharmaceuticals社の先駆的なVelocImmune®技術(マウスの遺伝子組み換えを用いる完全ヒト抗体作製技術)によって創出され、アトピー性皮膚炎、喘息、慢性副鼻腔炎、鼻ポリープを対象疾患としてサノフィと共同開発中である。 Regeneron Pharmaceuticals社(タリータウン、ニューヨーク)は総合バイオ医薬品会社で、ARCALYST®(一般名:rilonacept)はその初の上市製品である。その他、バイエルに導出した眼疾患(滲出型加齢黄斑変性症と網膜中心静脈閉塞症)の治療薬アイリーア(Eylea)、サノフィに導出した結腸直腸癌(CRC)治療薬ザルトラップ(Zaltrap)の開発に成功している。

コレステロール低下剤Vytolinのアウトカム試験が成功

Vytolinはメルクが開発し、販売している。スタチン系コレステロール低下剤「ゾコール」(Zocor、一般名シンバスタチン)とコレステロール吸収阻害剤「ゼチーア」(Zetia、一般名エゼチニブ)の合剤である。 2007年に発表されたゼチーアとゾコールの単剤同士の併用試験「ENHANCE」はLDLコレステロールの一層の低下と頸動脈肥厚の抑制に成功したにも関わらず死亡率はゾコールの単独投与を上回り、その後のゼチーア、Vytolinの伸びを阻害する結果となった。 本日の米国心臓病学会(AHA)での発表には、Vytolinに対する反対派の急先鋒だったニッセン教授(Nissen)も脱帽したと報じられている。抗PCS9抗体をコレステロール低下剤として開発中のアムジェン、サノフィ、リリーにとっては承認への障害(ニッセン教授のこと?)が一つ減った。2014年11月18日 (リンク➜  Bloomberg )

オプジーボ、悪性黒色腫を対象とした第3相試験で生存率を改善

未治療のBRAF野生型進行悪性黒色腫(メラノーマ)を対象として、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)/小野薬品工業の抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と化学療法剤ダカルバジン(略名:DTIC)を比較した第3相試験(Checkmate-066試験)の結果がNEJM誌および黒色腫研究学会国際会議2014で発表された。 418例をオプジーボ群(3mg/kg、2週に1回投与)とDTIC群(1,000mg/m2、3週に1回投与)に無作為に割り付けた。DTIC群の38%は、治療中止後にヤーボイ(一般名:イピリムマブ、CTLA-4を標的としたモノクローナル抗体)の投与を受けた。 生存期間(OS)中央値は、オプジーボ群では未到達、DTIC群では10.8ヵ月(95%CI: 9.3-12.1)、1年生存率はオプジーボ群73%(95%CI: 66-79)、DTIC群42%(95%CI: 33-51)で、オプジーボ群で死亡リスクが58%軽減され(ハザード比0.42、P<0.0001)、良好な成績が得られた。 参考: 欧州医薬品庁(EMA)は9月26日付でオプジーボの非小細肺癌(NSCLC)に対する販売承認申請(MAA)を受理した。PD-1阻害剤の肺癌に対する承認申請としては世界初となる。米国ではNSCLC、メラノーマ、腎細胞がん(RCC)に関して2013年4月にFDAのファストトラック指定を受け、今年(2014年)4月に肺扁平上皮癌を皮切りにローリング申請を開始した。9月には「治療歴を有する進行期悪性メラノーマ」を適応症とする承認申請が優先審査対象として受理され、PDUFA に基づく審査期限は2015 年3 月30 日に設定された。

アストラゼネカとヤンセン(J&J)が癌領域の併用臨床試験で提携

アストラゼネカ、Pharmacyclics社およびヤンセンは、アストラゼネカ社の抗PD-L1免疫チェックポイント阻害剤MED14739と、Pharmacyclics社とヤンセンが共同開発した経口ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤であるイブルチニブ(海外での製品名:IMBRUVICA®)の併用療法の有効性と安全性を評価する臨床試験に関して提携契約を締結した。固形癌と血液癌を対象とした第I相および第IIa相試験が実施される。 参考 イブルチニブの標的であるBTK はB 細胞受容体を含む複合体において重要なシグナル伝達分子で、腫瘍化B リンパ球の生存と転移に重要な役割を果たしている複合体のシグナルを伝達する。なお、イブルチニブは、FDAから3件のBT指定を受けている。 MEDI4736はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)を標的とするヒトモノクローナル抗体製剤。PD-L1のシグナルは癌免疫システムによる探知を回避するが、MEDI4736はこのシグナルを阻害することで、癌の免疫回避に対処し、免疫システムを活性化して癌細胞を攻撃する。 P A R   コメント 2014年10月にはIMBRUVICA®とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)の非ホジキンリンパ腫に対する併用に関して、臨床試験の提携契約が締結されており、癌免疫療法における併用の提携が一段と盛んになっている (➜ per news ) 。