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ノバルティスのCAR-T療法CTL019が非ホジキンリンパ腫に有効

ノバルティスが開発中のキメラ抗原受容体-T細胞(CAR-T)療法のCTL019 の第2相試験の中間解析データがASCO2015で報告された。成人の再発または難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)および濾胞性リンパ腫(FL)を対象として実施されたこの試験において、奏効率(ORR)はFL患者では100%、DLBCL患者では50%であった。評価対象患者19例(DLBCL:12例、FL:7例)中13例で奏効が認められ、このうち11例は完全寛解(CR)であった。追跡期間中央値は、DLBCLが274日、FLが290日で、2例にグレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)が発症した。 [ リンク ] 経営分析 ➜ ノバルティス   [ リンク ]   市場分析➜ 血液がん   リンク ]  新薬開発➜ 血液がん

FDAがメラノーマに対するオプジーボとヤーボイの併用療法の一変申請を受理

ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の未治療進行性メラノーマに対する併用療法に関する生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)をFDAが受理した。FDAによる審査完了目標の期日は2015年9月30日に設定されている。これは、癌免疫療法薬の併用療法としては初めての申請である。 一変申請の根拠は、未治療進行性メラノーマを対象としてオプジーボとヤーボイの併用を検討した無作為化試験(CheckMate-069試験)の結果などである。CheckMate試験では、BRAF野生型患者において、併用療法はヤーボイ単剤と比較して奏効率を改善した。 【参考】 オプジーボは、わが国では小野薬品とBMSが2014年9月にメラノーマを適応症として発売しており(➜ per news )、現在、腎癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、胃癌、食道癌、肝細胞癌、ホジキンリンパ腫を対象とした臨床試験が実施されている。米国では、FDAから2014年12月にメラノーマの治療薬として承認され、2015年3月には肺扁平上皮癌の適応が追加されている(➜ per news )。 リンク ]  経営分析 ➜   Bristol-Myers Squib( BMS)  ➜ 小野薬品

ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)の抗PD-1抗体ニボルマブが扁平上皮非小細胞肺癌でOSを改善

進行性肺扁平上皮癌を対象とした第3相試験(CheckMate-017試験)においてニボルマブ(商品名:オプジーボ、BMS)が標準治療のドセタキセルより生存期間(OS)を有意に延長したことが、ASCO2015(Abstract #8009)およびNEJM誌に同時に発表された。 CheckMate-017試験は、プラチナ製剤を含む化学療法の治療後に進行した肺扁平上皮癌患者272例を対象として、ニボルマブ(3 mg/kg、2週間に1回)とドセタキセル(75 mg/m2平方メートル、3週間に1回)を比較する非盲検無作為化第3相試験である。本試験にはPD-L1発現の有無にかかわらず患者を組み入れた。主要評価項目の生存期間中央値はニボルマブ群9.2ヵ月、ドセタキセル群6ヵ月、1年生存率はそれぞれ42%と24%であった。副次的評価項目の一つである無増悪生存期間(PFS)中央値は、ニボルマブ群3.5ヵ月、ドセタキセル群2.8ヵ月、1年PFS率はそれぞれ21%と6.4%であった。薬剤関連有害事象発現率はニボルマブ群のほうが低かった(全グレード:58%、86%、グレード3/4:6.9 %、55%)。 [ リンク ]  経営分析 ➜ Bristol Myers   ➜ 小野薬品   [ リンク ]  新薬開発 ➜ 肺がん

ロシュの株価が年初の水準に回復、米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)での発表に注目

 ロシュの株価は今年1月に15%急落した後、緩やかな上昇基調に転じ、5月末になってようやく年初の水準まで回復した。その間の医薬品セクターは全体として堅調に推移し、株価指数は年初から5%上昇している。ロシュだけに特異な株価の下落要因として思い当たるのは、昨年秋からバイオシミラー製品の承認が加速されてきた、大きな状況変化である。  欧州では昨年9月に、持効型インスリン製剤ランタス(サノフィ)に対する初めてのバイオシミラー製品ABASRIA(リリー/ベーリンガー)が承認され、大型バイオ医薬品に対するジェネリックの脅威が現実のものとなった。ランタスは世界3位となる80億ドル(9600億円)の売上げを誇り、サノフィにとっては医薬品売上げの23%を占める最大製品である。  米国では、ノバルティスの子会社サンドが開発したG-CSF製剤ZARXIOが今年3月に「米国で初めてのバイオシミラー製品」として承認された。また、欧州で昨年承認されたバイオシミラーの時効型インスリン製剤ABASRIAも、米国名BASAGLARとして仮承認されている。  バイオ医薬品の最大メーカーであるロシュは抗体医薬が医療用医薬品売上げの66%を占めている。そのうちリツキサン(2014年売上げ76億ドル)、アバスチン(71億ドル)、ハーセプチン(69億ドル)の三大製品は欧州など、部分的ながらも特許満了となっている地域もある。いつジェネリック製品が承認されてもおかしくない状況であり、株価の反応もうなずける。  今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)は5月29日に開催されたが、抗がん剤最大手であるロシュの株価も直前まで上昇してきた。ASCO終了とともに今年の後半にかけては、バイオシミラーの話題が株価に与える影響は一段と強まりそうだ。

DNAミスマッチ修復機能の欠損がPD-1阻害剤の効果に関連、ASCOでメルクが発表

メルク(MSD)の抗PD-1抗体キートルーダ(一般名:ペンブロリズマブ)の有効性とDNAミスマッチ修復(MMR)機能の欠損との関連性を検討した第2相の結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO2015)で発表された。 KEYNOTE-164試験は、治療歴があり、MMR機能を欠損または機能を有する進行性転移性疾患の患者を対象として、キートルーダ(10 mg/kg、2週毎)の単剤療法を評価した試験である。MMR機能欠損の大腸癌13例における奏効率(ORR)は62%、病勢コントロール率(DCR)92%に達した。MMR機能を有する大腸癌25例においてORRは1例も認められず、DCRは16%であった。 MMR機能欠損の癌に対してキートルーダが有効であることが明らかにされた。 . リンク ]  経営分析 ➜ Merck(MSD)    . リンク ]  新薬開発 ➜ 消化器がん  ➜ PD-1阻害剤

ジョンソン&ジョンソン(J&J)の新薬開発が好調、業界1位への躍進を示唆

ジョンソン&ジョンソンが2年ぶりに、医薬品事業(ヤンセン、Janssen)単独のアナリスト説明会を開催し、新薬開発の好調ぶりを報告した。この2年間、各四半期の対前年伸び率はすべて、ブランド医薬品市場の成長率2.98%(2009-2014 CAGR)を上回り、売上高は250億ドル(2012年)から320億ドル(2014年)へと大幅に拡大した。その結果、グローバル製薬企業のなかで一二を争う成長率を実現し、米国内での医療用医薬品売上げは1位となった。 2009年以降の新薬承認数は年間平均2品目を上回るハイ・ペースとなり、合計14品目の新薬を発売してきた。その中には、XARELTO(血液凝固)、INVOKANA(糖尿病)、STERALA(乾癬)、SIMPONI(関節リウマチ)、INVEGA SUSTENNA(統合失調症)、ZYTIGA(前立腺がん)など、数多くのブロックバスター製品が含まれている。 今後も、2019年まで(5年間)にブロックバスター候補の新薬10品目、他にも効能拡大などのライン・エクステンション(Line Extension)プロジェクトで40件の承認申請を予定している。開発パイプラインに関しては、「広さと、深さ」に加えて、「持続可能性」をも誇っている。

抗IL-6抗体のリウマチ治療薬サリルマブがP3で好成績

サノフィとリジェネロンが共同開発中の抗IL-6受容体抗体サリルマブが関節リウマチ患者を対象とするフェーズ3臨床試験「SARIL-RA-TARGET」において好成績を収めた。 抗TNF-α抗体治療薬の効果が不十分だった患者546例を、1)サリルマブ200mgを2週間に1回皮下注射(200mg SC-Q2W)、2)サリルマブ150mg SC-Q2W、3)プラセボ投与の3群に分けてDMARDとの併用効果を見た。主要評価指標とした「治療開始後24週時点の症状改善(ACR20)」、「治療開始後12週時点の運動機能改善(HAQ-DI)」で統計的有意差が確認された。ACR20達成率はプラセボ群34%に対して、サリルマブ投与患者では200mg群で61%、150mg群で56%となり、p値は0.001を下回った。 (参考) サリルマブ(sarilumab)はIL-6受容体(IL-6R)を標的とする完全ヒト型抗体でリジェネロンのVelocimmune技術を用いて開発された。抗IL-6R抗体として世界で初めて開発に成功した中外製薬のアクテムラはサリルマブのRA-TARGET試験と同様に「TNF-α製剤の効果が不十分な症例」を対象としたRADIATE試験において、高用量(8mg/kg)投与群のACR20が50%だった。サリルマブはアクテムラよりも低用量で優れた成績をあげている印象だ。他にも、J&JはIL-6R(受容体)ではなく、リガンドのIL-6そのものを標的とする抗IL-6抗体シルクマブ(sirukumab)を開発中。  アクテムラの2014年世界売上げは12億スイスフラン(ロシュ連結ベース、前年比18%増、およそ1600億円)だった。抗TNF-α抗体医薬も、最大製品のヒュミラが2014年に18%増加して125億ドル(1兆5000億円)に達するなど成長を持続している。 [ リンク ] 市場動向 ➜ 抗リウマチ薬   [ リンク ] 新薬開発 ➜ 関節リウマチ

ロシュの抗PD-L1抗体がNSCLC患者の生存期間を2倍に延長

ロシュが開発中の抗PD-L1抗体であるMPDL3280Aの無作為化第2相試験(POPLAR試験)の中間解析が発表された。POPLAR試験は既治療の非小細胞肺癌(NSCLC)を対象とした試験で、中間解析では、PD-L1を高度に発現している患者ではMPDL3280群はドセタキセル群と比較して全生存期間(OS)を約2倍に延長した。この解析結果は本年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告される予定である。 MPDL3280Aは腫瘍細胞と腫瘍浸潤性免疫細胞に発現しているPD-L1を標的とするモノクローナル抗体で2015年2月にFDAからNSCLCに対するBreakthrough Therapy指定を受けている。指定対象は、PD-L1陽性のNSCLCで、プラチナ製剤を含む化学療法、EGFR変異陽性またはALK陽性の場合は適切な分子標的薬による治療を施行中、または施行後に進行した患者である。 POPLAR試験はグローバル無作為化第2相試験で治療歴のある進行性NSCLC 287例が登録されている。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)および安全性である。PD-L1の発現が中等度から高度の症例でのOS中央値は、MPDL3280A群13ヵ月、ドセタキセル群7.4ヵ月、ハザード比0.56(95%CI:0.33-0.95)であった。 [ リンク ] 経営分析➜ ロシュ   [ リンク ] 新薬開発➜ 肺癌  ➜ PD-1阻害剤   [ リンク ] 市場分析 ➜ 肺癌

ノバルティスのZYCADIAが「治療歴のあるALK陽性」の進行性非小細胞肺がん(NSCLC)に対してEC承認を取得

ECは、ノバルティスのザイカディアZykadia(一般名:セリチニブceritinib)を治療歴のあるALK陽性進行性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して承認した。 ザイカディアは、経口の選択的ALK阻害剤で、ALKは肺癌における重要な治療ターゲットである。ザイティガはピボタル試験で重要な結果が得られたこと、またALK陽性NSCLCが重篤で致命的な疾患であることから、2013年3月にFDAからBT指定を受け、2014年4月に優先審査で承認された(➜ per news )。 EU承認の根拠は、2本のグローバル、多施設オープンラベル、シングルアーム試験で、試験AとBからなっている。試験Aは第1相試験で、化学療法歴のあるALK陽性NSCLC患者246例が登録され、ザイカディア750 mg/日の投与により奏効率56.4%を達成した。奏効期間中央値は8.3ヵ月、無増悪期間中央値(PFS)は6.9ヵ月であった。ALK阻害剤の治療歴がある患者は163例であった。 [ リンク ]  経営分析 ➜ ノバルティス    [ リンク ]  肺がん  ➜ 新薬開発  ➜ 市場分析

大日本住友製薬と武田薬品が統合失調症治療薬「ラツーダ」の欧州における提携を解消

武田薬品は大日本住友製薬の非定型抗精神病薬「ラツーダ」(Latuda、一般名:ルラシドン)に関して、2011年3月に欧州における共同開発・独占販売契約を締結、2014年3月に欧州医薬品庁(EMA)の承認を取得し、発売したばかりだった。発売初年度の売上げは低調で開示基準に達していなかった模様。 ラツーダは大日本住友製薬が創製した非定型抗精神病薬であり、ドーパミン2、セロトニン2A、セロトニン7の各受容体に対してアンタゴニストとして作用し、セロトニン1A 受容体にはパーシャルアゴニストとして作用する。米国では大日本住友製薬の子会社サノビオンが2011年に発売し、投与患者数は累計100万人を超えたと推定される。 (参考) 大日本住友製薬が2013年度に計上したラツーダの世界売上げは422億円だった。国内では第Ⅲ相臨床試験「PASTEL」が不調に終わり、承認申請を見合わせている。武田薬品は国内では関与していないが今後の海外戦略を見直す気運となったようだ。 統合失調症治療薬は2012年にセロクエル(AZ)、ジプレキサ(リリー)といった大型製品が米国で相次いて特許終了となり、市場規模は激減した。2014年に58億ドル(7000億円)を売上げた最大製品のエビリファイ(大塚製薬)にも今月(2015年5月)からジェネリック製品が参入している。 [ リンク ]  統合失調症  ➔ 市場動向  ➜ 新薬開発

第一三共の米国子会社PlexxikonがCSF-1R阻害薬PLX3397と抗PD-1抗体の併用でメルクと提携

第一三共の米国子会社Plexxikonが開発中のCSF-1R阻害薬であるPLX3397とメルクの抗PD-1抗体ペンブロリズマブpembrolizumab(商品名:キートルーダKeytruda)との併用療法を評価する臨床試験を共同で実施する提携契約が発表された。進行メラノーマおよび複数の固形癌を対象とする第1/2相試験で、両剤の併用療法の安全性と忍容性を評価する。 PLX3397は、CSF-1R、Kit、およびFLT3などの変異陽性キナーゼを選択的に阻害する。CSF-1RとKitは、腫瘍とその微小環境(マクロファージ、破骨細胞、マスト細胞など)に関わる重要な要素を制御している。PLX3397は、メラノーマやその他の固形癌に加えて、腱滑膜巨細胞腫瘍(TGCT)、色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)、腱鞘巨細胞腫(GCT-TS)、乳癌、膠芽細胞腫などに対する有効性が臨床試験で検討されている。 [参考1]  メルクの抗PD-1抗体キートルーダの併用療法を検討する試験に関しては、すでにファイザー、アムジェン、イーライリリー、エーザイ、小野薬品、協和発酵キリンなどが契約を締結している。 [参考2] 第一三共は新規の悪性黒色腫治療薬としてBRAF阻害剤Zelboraf(ゼルボラフ)を創製し、Rocheとの共同開発に成功したPlexxikonを2011年に9億ドル(770億円)をかけて買収したが、減損損失約350億円を2014年度の売上原価に計上している。 [ リンク ]  経営分析  ➜ 第一三共  ➜ メルク  (MSD)