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第一三共子会社PlexxikonのCSF阻害剤 PLX3397 による腱滑膜巨細胞腫治療をFDAがBT 指定

第一三共の米子会社プレキシコン(Plexxikon Inc.)が開発中の経口CSF-1R 阻害薬ペキシダルチニブpexidartinib(PLX3397)による、腱滑膜巨細胞腫(TGCT)の治療法をFDAがBreakthrough Therapy(BT)に指定した。日本企業のBT指定取得は小野薬品、旧三井製薬、武田薬品、中外製薬、エーザイに次ぎ6 社目、品目では7 番目となる。 TGCTは、関節や腱鞘に発症する破壊性腫瘍で、関節の破壊による非常な痛みから関節を動かし難くなり、しばしば外科手術が必要なとなる疾患である。100 万人当たり11 例に発症し、20 歳代から50 歳代の女性に多い。 ペキシダルチニブは、TGCTを引き起こす滑膜中の異常細胞の増殖を促進するコロニー刺激因子1 受容体(CSF-1R)を強力かつ選択的に阻害する新規経口低分子薬である。現在、症候性TGCT 患者を対象とする第3 相ENLIVEN 試験が126例の患者登録を目指して進行中である。今回の効能以外に、glioblastoma(膠芽細胞腫)、メラノーマ、卵巣癌、乳癌、およびMerck の抗PD-1 療法との併用で進行メラノーマや複数の固形癌での評価を予定または進行中である(➜ par news )。 Link   企業分析 ➜ 第一三共  新薬開発 ➜ 新規メカニズム

アステラスのFLT3/AXL阻害薬ギルテリチニブの第3相試験開始

アステラス製薬が開発中のFLT3/AXL阻害薬ギルテリチニブgilteritinib(ASP2215)の、再発または難治性急性骨髄性白血病(AML)を対象とした国際共同第3相試験が開始された。ギルテリチニブは日本において厚生労働省から「先駆け審査指定制度」の第1回の対象品目のひとつに指定されている。 ギルテリチニブは、癌細胞の増殖に関与する受容体型チロシンキナーゼであるFLT3の遺伝子内縦列重複変異(ITD)とチロシンキナーゼドメイン変異(TKD)の双方を阻害する。 今回開始された第3相試験では、一次治療後に再発、または治療抵抗性のAML患者を対象に、ギルテリチニブと救援化学療法を比較する。骨髄あるいは血液でFLT3活性化変異陽性のAML患者369例を組み入れる。主要評価項目は全生存期間である。 (参考) グリベックの登場で慢性骨髄性白血病(CML)の治療成績は飛躍的に向上したが、急性骨髄性白血病(AML)については依然として予後が厳しく、新たな治療法が求められている。FDAがBT指定したベーリンガー・インゲルハイムのPlk阻害薬volasertibの他にも、ロシュのエピジェネティック作用薬ORY-1001、Seatle GeneticsのADC技術を用いた抗CD33抗体薬物複合体SGN-CD33A、など様々な取り組みが続いている。 Link   企業分析 ➜ アステラス製薬  新薬開発 ➜ 血液がん / ➜ AML  市場動向 ➜ 血液がん

FDAが初の腫瘍融解ウイルス療法IMLYGICを承認

FDA が米国初の腫瘍融解ウイルス療法としてアムジェンが開発中のIMLYGICTM (タリモゲン ラヘルパレプベックtalimogene laherparepvec)のBLA を承認した。EMA のCHMP も10 月23 日に本品のMAA の承認勧告を採択した。 IMLYGICTM (タリモゲン ラヘルパレプベック)は、メラノーマの病変組織に直接注入するワクチンである。 腫瘍細胞内でのみ複製するよう遺伝子操作を施したherpes simplex ウイルス1 型で、ウイルス遺伝子に免疫系を刺激し殺癌細胞活性を高めるためにヒトGM-CSF 遺伝子を組み入れている。腫瘍細胞を溶解し腫瘍抗原およびGM-CSF を放出し抗腫瘍活性を高める。 申請の根拠となった多施設共同オープンラベル第3 相無作為化臨床試験OPTiM(005/05)試験では、切除不能の進行メラノーマ(IIIB、IIIC またはIV)患者を対象に、IMLYGIC とGC-CSF とを比較した試験である。主要評価項目は持続的奏効率(DRR)で、CRまたはPRを最低6 ヵ月間継続することと規定した。OPTiM 試験では436例を登録し、IMLYGIC 治療群の16.3%がDRR を達成したのに対してGM-CSF治療群で は2.1%に留まった(p<0.0001)。DRR のうち29.1%がCR 、70.8%がPRであった。また、IMLYGIC 群の奏効までの期間は4.1 ヵ月(範囲;1.2~16.7 ヵ月)であった。なお、アムジェン はIMLYGICTM とヤーボイ との併用試験を開始している。 Link   企業分析 ➜ Amgen  新薬開発 ➜ 腫瘍免疫I-O  ➜ 腫瘍溶解ウイルス  市場動向 ➜ 腫瘍免疫I-O

レンビマの腎細胞癌に対する第2相試験の結果をLancet Oncology誌が掲載

エーザイが自社創製した新抗癌剤レンビマ(一般名:レンバチニブ)の進行または転移性の腎細胞癌(RCC)を対象とした第2相臨床試験(205試験)の結果が、Lancet Oncology誌電子版に掲載された。 205試験は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の標的薬による治療後に進行した腎細胞癌患者153例を対象として、レンバチニブ単剤群、エベロリムス単剤群、両剤の併用群を比較する試験である。併用群はエベロリムス群と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、レンバチニブ群はエベロリムス群よりPFSを延長した。また、併用群とレンバチニブ群は、エベロリムス群と比較して、より高い奏効率を示した。対照薬のエベロリムスはノバルティスが開発したmTOR阻害剤で製品名アフィニトールとして腎細胞がん(RCC)、および乳がんの治療薬として承認されている。 レンバチニブは、VEGF受容体、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、KIT、RETな害活性を有するチロシンキナーゼ阻害剤である。現在、米国、日本、欧州、韓国で甲状腺癌の適応が承認されている。進行または転移性腎細胞癌に対して、FDAよりbreakthrough-therapy指定を受けている(➜ PAR news )。また、肝細胞癌、子宮内膜癌、非小細胞肺癌など複数の癌を対象にした臨床試験が進行中である。 Link   企業分析 ➜ エーザイ  新薬開発 ➜ その他のがん

急性リンパ芽球性白血病治療薬inotuzumab ozogamicinがADC薬剤として初めてのBT指定を取得

ファイザーとUCBが開発中の抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)薬であるイノツズマブオゾガマイシンinotuzumab ozogamicinが、急性リンパ芽球性白血病治療薬としてFDAからbreakthrough therapy(BT)指定を受けた。 イノツズマブオゾガマイシンは、B細胞性悪性腫瘍の約90%に発現している細胞表面抗原CD22を認識するモノクローナル抗体と細胞傷害性薬剤calicheamicinを結合したADC薬である。今回、ADC薬としては初のBT指定となった。 BT指定の根拠は、再発または難治性CD22陽性ALL成人患者を対象とした第3相INO-VATE ALL試験の結果である。この試験では、主要評価項目である血液学的完全寛解率において標準化学療法より良好な成績が得られた。   Link   企業分析 ➜ Pfizer  新薬開発 ➜ 血液がん  市場動向 ➜ 血液がん

抗凝固剤プラダキサの中和剤をFDAが加速承認

FDAは、ベーリンガーインゲルハイムが申請していた、経口凝固剤プラダキサPRADAXA(一般名:ダビガトランdabigatran)に対する中和剤プラキシバインドPRAXBIND(一般名:イダルシズマブidarucizumab)のBLAを加速審査制度の下で優先審査により承認した。プラキシバインドは、プラダキサを服用中の患者で出血を伴う手術を要するなどの緊急時に使用される。プラキシバインドは、ヒト型モノクローナル抗体のFabフラグメントで、凝固系カスケードには影響せずにプラダキサの抗凝固活性のみを特異的に解消し、患者の凝固活性を回復させる。本剤は、2014年6月にFDAからBT指定を受けていた。 申請の根拠は、健常人を対象とした3本の臨床試験と、第3相RE-VERSE AD試験の中間解析である。RE-VERSE AD試験では、患者90例中81例で凝固因子能の回復達成が認められた。血栓性イベントが5例に認められたが、抗血栓療法を受けた患者はなかった。 (参考)Xarelto(バイエル/J&J、日本名イグザレルト)やEliquis(BMS/ファイザー、日本名エリキュース)といったファクターXa阻害剤がシェアを拡大し、プラダキサの成長に陰りが見えはじめていた。ベーリンガーインゲルハイムが2014年度決算で計上したプラダキサ売上12億ユーロ(1800億円)は前年比1%減だった。中和剤プラキシバインドの投入によってプラダキサが競争力を回復するか、注目される。 Link   企業分析 ➜ Boehringer Ingelheim  新薬開発 ➜ 循環器系疾患  市場動向 ➜ 抗血液凝固薬

エーザイと味の素が消化器疾患領域の事業を統合、国内最大の消化器スペシャリティファーマを目指す

エーザイが消化器疾患領域に関連する事業の一部を分割し、味の素社の100%子会社である味の素製薬株式会社が承継する統合契約を締結した。新統合会社EAファーマ株式会社の株式はエーザイが60%、味の素が40%を保有し、エーザイの連結子会社、味の素社の持分法適用会社となる。 消化器疾患領域は生活様式の変化や社会的ストレスの増加などを背景に、より若い世代を中心にクローン病や潰瘍性大腸炎といった難治性の自己免疫疾患が急増するなど、未だ満たされない医療ニーズの高い領域である。新統合会社の開発パイプラインには潰瘍性大腸炎治療薬のAJG511およびAJM300がフェーズIII段階にある他、慢性便秘治療薬AJG533の国内フェーズIII試験が進行中である。 Link   企業分析➜ エーザイ /➔ 事業統合   新薬開発➜ 潰瘍性大腸炎   

抗PD-1抗体オプジーボの「プラチナ併用療法後に進行した非小細胞肺癌」効能追加をFDAが加速承認

ブリストルマイヤーズ・スクイブ/小野薬品のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)が、プラチナ併用療法後に進行した非小細胞肺癌(NSCLC)に対してFDAの効能追加承認を取得した。FDAは本効能について予備的な臨床試験データをもとにBreakthrough Therapy(BT)指定しており、そのユーザーフィーゴールは2016年1月2日であったが、さらに3ヵ月前倒しの承認となった。2015年3月にメラノーマと扁平上皮性肺癌の効能がすでに承認されており(➜ PAR news )、今回の承認により非扁平上皮性NSCLCが効能に含まれることになった。 承認申請の根拠:プラチナベースの化学療法中あるいは治療後に病勢が進行した転移性非扁平上皮性NSCLCを対象とした第3相無作為化試験(CheckMate-57試験)では、オプジーボ群(3mg/kgを3週毎に静注、292例)とドセタキセル群(75mg/m2を3週毎に静注、290例)を比較した。登録患者について、PD-L1発現の有無は問わなかった。主要評価項目の全生存期間(OS)は、オプジーボ群12.2ヵ月(95%CI:9.7-15.0)、ドセタキセル群9.4ヵ月(95%CI:8.0-10.7)、ハザード比0.73(95%CI:0.60-0.89;p=0.0015)であった。副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)中央値は、オプジーボ群2.3ヵ月、ドセタキセル群4.2ヵ月(p=0.39 )で有意差は認められなかった。オプジーボ群では重篤な有害事象が47%に認められた。最も重篤な有害事象は、肺炎、肺塞栓症、呼吸困難、胸水、呼吸不全であった。 Link   企業分析 ➜ Bristol-Myers-Squibb  新薬開発➜ 肺がん   PD-1阻害剤  市場動向➜ 肺がん

LillyのCDK4/6阻害薬アベマシクリブの進行乳癌治療法をFDAがBT指定

Eli Lillyが開発中のCDK4/6阻害薬abemaciclibアベマシクリブによる進行乳癌治療をFDAがBreakthrough Therapy(BT)に指定した。Eli Lillyにとっては初めてのBT指定品目となる。大手製薬企業としては非常に遅い指定取得である。2015年に入ってから18件目の指定である。 今回のBT指定は、難治性ホルモン受容体(HR)陽性の進行または転移性乳癌患者を対象とした第1相JPBA試験の乳癌コホートの延長試験データに基づいている。 ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2受容体陰性(HR+/HER2-)の乳癌を対象とするアベマシクリブの開発プログラムは、単剤療法を検討する第2相試験(MONARCH-1)、閉経後の進行または転移性乳癌でフルベストラント(製品名:フェソロデックス、AZN)との併用療法を評価する第3相試験(MONARCH-2)、局所再発または転移性乳癌を対象としてアロマターゼ阻害薬との併用を評価する第3相試験(MONARCH-3)からなっている。 Link   企業分析➜ Eli Lilly   新薬開発➜ 乳がん   CDK4/6阻害  市場動向➜ 乳がん

独メルクとファイザーの抗PD-L1抗体avelumabをFDAが迅速審査指定

独メルク(Merck KGaA)とファイザーが共同開発中の完全ヒト抗PD-L1モノクローナル抗体(mAb)avelumabアベルマブを悪性皮膚癌の一種であるMerkel細胞癌(MCC)に対する治療法としてFDAがファスト・トラックに指定した。本剤は9月21日には希少病薬に指定されている。 ファスト・トラック指定の根拠となったのは、少なくとも1回の化学療法後に進行した転移性MCCにおけるアベルマブの安全性と有効性を評価する第2相試験(JAVELIN Merkel200試験)などである。本試験は、アジア太平洋、オーストラリア、欧州および米国で実施され、現在88名が登録されている。 アベルマブの臨床開発プログラムは、MCCのほか、乳癌、胃癌・消化器癌、頭頸部癌、中皮腫、メラノーマ、非小細胞肺癌、卵巣癌、腎細胞癌、尿路上皮(膀胱)癌など、15種類の癌腫を対象に1,000例以上を登録して進行中である。 また、9月24日には両社はDAKOとコンパニオン診断法(CoDx)開発の契約を締結した 。 Link   企業分析 ➜ Pfizer  新薬開発 ➜ PD-1阻害剤  市場動向 ➜ 腫瘍免疫

抗PD-1抗体キートルーダをプラチナ併用療法後に進行した肺癌に対してFDAが追加承認

FDAは、メルク/MSDの抗PD-1抗体であるキートルーダ(一般名:ペンブロリズマブ)について、プラチナ併用療法施行中または終了後に病勢が進行した転移性非小細胞肺癌(NSCLC)に対する効能を追加承認した。キートルーダは、扁平上皮および非扁平上皮NSCLCの両効能が承認された唯一のPD-1療法となった。 また、Dako North Americaが開発したPD-L1 IHC 22C3 pharmDx kitがコンパニオン診断法(CDx)として同時に承認された。 本効能は2014年にBreakthrough Therapyの指定を受けており、加速承認制度の下で、奏効率と奏効期間で評価された。そのため、生存期間および症状改善についての確認試験を行うことが承認条件となっている。 承認の根拠は、多施設、オープンラベル、マルチコホート活性推定試験のKEYNOTE-001試験の結果である。この試験では、プラチナ併用療法後に進行したEGFR-TKIあるいはALK-TKI既治療、あるいはPD-L1発現のある転移性NSCLC 280例を対象としている。 PD-L1発現腫瘍細胞の比率が50%以上であった61例中25例が部分寛解に至り、11例では6ヵ月以上奏効が持続している。頻度の高い副作用は、疲労感、食欲減退、呼吸困難であった。 Link   企業分析➜ Merck(MSD)  新薬開発➜ PD-1抗体 、 肺がん  市場動向➜ 肺がん