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5月, 2016の投稿を表示しています

多発性硬化症治療薬ダクリズマブがFDA承認を取得

FDAが、バイオジェンとアッヴィが共同開発中の多発性硬化症(MS)治療薬ダクリズマブ(商品名:ゼナパックス)を承認した。ダクリズマブの適応は、既存の治療を2回あるいは3回受けても効果不十分な患者に限定される。警告に「自己免疫性肝炎を含む肝障害およびその他の免疫介在性障害」が含まれる。 ダクリズマブは、インターロイキン-2(IL-2)受容体サブユニット(CD25)に高親和性であり、かつ選択的に結合するヒト型IgG1モノクローナル抗体である。CD25はMS患者で活性化されており、T細胞上に高レベルに発現している。ダクリズマブの正確な作用機序は不明であるが、CD25に結合することから他の疾病修飾療法とは異なると推定されている。本剤による治療の1年目にはリンパ球の総数、TおよびB細胞数がベースラインから10%減少したが、最終投与後8~12週間でベースラインレベルに回復した。 今回の承認は、第2b相SELECT試験、第3相DECIDE試験などに基づいている。これらの試験において、ダクリズマブ(150 mg、4週間毎に皮下投与)は、主要評価項目の年間再発率を、144週時点でインターフェロンβ1bより45%低下させ、52週時点ではプラセボより54%低下させた(両ケースともにP<0.0001)。 Link  企業分析 ➜ AbbVie  新薬開発➜ 自己免疫疾患(その他)  市場動向➜ 多発性硬化症

ランタス(インスリングラルギン)とリキシセナチド(GLP-1アゴニスト)の新配合剤をFDA諮問委員会が承認勧告を採択

FDAの内分泌・代謝薬諮問委員会(EMDAC)が、2型糖尿病治療薬としてインスリングラルギン(商品名:ランタス)とリキシセナチド(商品名:リキスミア)の配合剤Iglarlixi(会社表記iGlarLixi、ニックネームLixilLan)のNDAに関して、12:2で、承認勧告を採択した。ノボノルディスクのIDegLira [インスリン デグルデグ(商品名:トレシーバ)とリラグルチド(ビクトーザ)の配合剤]に続いてのEMDAC承認勧告であるが、サノフィの場合は配合剤のNDAと、米国未承認のGLP-1受容体アゴニストであるリキシセナチドのNDAも審議の対象となった。 iGlarLixiについては、世界的に行われた2本の第3相試験(対象1,900例以上)に基づいてNDAが申請された。試験の結果は、2016年6月に開催される第76回米国糖尿病学会で報告される予定である。 Link  企業分析 ➜ Sanofi  新薬開発➜ 糖尿病  市場動向➜ 糖尿病治療薬―注射

ノバルティスのエントレスト、承認取得後1 年以内で欧米の心不全ガイドラインでClassⅠ推奨

ノバルティスの新薬エントレストentresto(ネプリライシン阻害薬・sacubitrilとARB・バルサルタンの配合剤)について、米国心臓病学会(ACC)、米国心臓病協会(AHA)、米国心不全学会(HFSA)および欧州心臓病学会(ESC)が同時に発表した改訂版臨床診療ガイドラインにおいて、ENTRESTO(sacubitril/valsartan) (LCZ696)が最も強力な推奨を意味するClass I の推奨を得た。 米国では、ACE 阻害剤またはアンジオテンシン II 受容体拮抗剤(ARB)に替わり、エントレストが、β遮断剤およびアルドステロン 拮抗剤との併用で左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の標準治療法とされた。 ガイドライン推奨の概要: 1) 軽度から中等度の症状のあるHFrEF 患者;ACE 阻害剤またはARB からエントレスト への切り替えを呼びかけている。 2) 米国ガイドライン;ACE 阻害剤またはARB に代わり、エントレスト をHFrEF の標準治療に推奨し、軽度~中等度の症状のある患者には、エントレスト への切り替えを呼びかけている。 3) 欧州心臓病学会(ESC)による改訂版ガイドライン;PARADIGM-HF 試験で検討した集団と同様の患者については、ACE 阻害剤またはARB をエントレスト に変更するよう推奨。 4) 両ガイドライン;エントレスト が患者の心血管系死または心不全による入院のリスクを有意に減少させるというベネフィットを強調している。 PARADIGM-HF 試験は、8,442 名のHFrEF 患者を対象に、エントレストの有効性と安全性をACE 阻害剤エナラプリルと比較検討した無作為化、二重盲検、第3 相試験。NYHA 心機能分類クラスII-IV の典型的なHFrEF患者を対象として、エントレスト がエナラプリルと比較して心血管死を15%以上抑制できるかを検討するようデザインされた。最適な治療が行われている患者に、エントレストまたはエナラプリルが上乗せ投与された。主要評価項目は、心血管系死及び心不全による入院からなる複合評価項目の初回発現までの時間で、心不全試験では過去最大規模の試験である。 心不全は、生命を脅かす消耗性の病態で、世界で6 千万人以上が罹患、65 歳以上の入院の主要原因になっている。患者の約半数が...

ジェネンテック(ロシュグループ)の抗PD-L1抗体atezolizumabをFDAが加速承認

FDAは、ジェネンテックが開発中の抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブatezolizumab(商品名:Tecentriq)を加速承認した。対象は、局所進行または転移性尿路上皮癌(mUC)患者で、プラチナベースの化学療法中、あるいは治療後に病勢が進行した症例、あるいは術前または術後療法としてプラチナベースの化学療法を受け12ヵ月以内に悪化した症例である。抗PD-L1抗体として、FDAから承認を受けた初めての薬剤となった。 今回の承認の根拠おなったのは第2相IMvigor211試験の結果である。このオープンラベル多施設2コホート第2相試験では310例を対象とし、奏効率は14.8%、奏効期間は未到達(フォローアップ期間中央値:14.4ヵ月であった 。 Link  新薬開発 ➜ その他・がん  市場動向➜ 腫瘍免疫(I-O)

Kite PharmaのCAR T細胞療法KTE-C19がFDAの希少病薬指定とBT指定を取得

Kite Pharma, Inc.(Kite)が開発中のCAR T細胞療法であるKTE-C19に対して、FDAが5つの希少病薬に指定し、これらについてBreakthrough Therapy(BT)に指定した。今回の指定は、①原発性縦隔B細胞リンパ腫(PMBCL)、②マントル細胞リンパ腫(MCL)、③濾胞性リンパ腫(FL)、④急性リンパ芽球性白血病(ALL)、⑤慢性リンパ性白血病(CLL)が対象である。KTE-C19はこれまでに難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)についてEUおよび米国で指定を受けていて、これを加えると6種の希少病薬指定となる。また、FDAはDLBCL、PMBCLおよび形質転換したFLの治療法をBreakthrough Therapy (BT)に指定している。 現在進行中の開発プログラムで最も進んでいる臨床ステージは、第2相試験の段階にある。ジェネンテックの抗PD-L1抗体アテゾリズマブとの併用療法について、非ホジキンリンパ腫に対する第Ib/2相試験の契約が2016年3月に締結されている。 Link   新薬開発➜ 血液がん  市場分析➜ 腫瘍免疫(I-O) 、 血液がん