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BMSのPD-1阻害薬オプジーボによる進行性膀胱癌治療をFDAがBT指定

 ブリストルマイヤーズ スクイブ(BMS)/小野薬品のPD-1阻害薬オプジーボによる「白金製剤を含む併用療法の治療中または治療後に進行した切除不能進行性または再発性の尿路上皮癌」治療をFDAがBreakthrough Therapy(BT)に指定した。BT指定の申請には「治療歴を有する膀胱癌患者」を対象とした第2相CA209-275試験(NCT02387996)と、他のサポートデータを合わせて提出した。  オプジーボは「治療歴を有する再発または転移性の頭頸部扁平上皮癌」、「自家造血幹細胞移植やADC薬ブレンツキシマブべドチン(商品名:アドセトリス)が不応になったホジキンリンパ腫」、「治療歴を有する進行性悪性黒色腫」、「治療歴を有する非扁平上皮非小細胞肺癌」、「進行性または転移性の腎細胞癌」、以上5つの癌腫についてFDAのBT指定を受けており、今回のBT指定は6番目の癌腫となる。このうち4つの癌腫はすでに承認されている。  CA209-275 試験は、「白金製剤を含む併用療法による治療中または治療後に進行した切除不能進行性または再発性の尿路上皮癌」の患者242例を登録し、2015 年3月に開始された。2016年4月に一次試験を終了し、最終試験結果は2017年10月に発表される予定。ファストトラック、ローリング申請の権利を得て、sBLA 提出時に優先審査の指定を申請し、遅くとも2017 年3 月には承認される見通しである。第2相試験開始から2年というスピード承認となりそうだ。  膀胱癌は世界で9 番目に多い癌腫であり、毎年43万人が新たに診断され、16万5千人が死亡すると推定されている。尿路上皮癌は、膀胱癌で最も一般的なタイプであり、膀胱癌患者の約90%を占めている。膀胱癌の大部分は早期に診断されるものの、再発率と病勢進行率が高く、78%の患者は5年以内に再発する。生存率は病期、癌のタイプ、および診断時期によって異なるが、ステージIVの膀胱癌の5年生存率は15%とされている。 Link  企業分析 ➜ Bristol-Myers Squibb (BMS)   小野薬品  新薬開発➜ その他のがん  市場動向➜ 腫瘍免疫(I-O)

SGLT-2阻害薬エンパグリフロジンが心血管疾患のある2型糖尿病患者の進行性腎疾患リスクを抑制

心血管系疾患のある2 型糖尿病患者を対象に、エンパグリフロジン(Empagliflozin、商品名:ジャディアンス、開発コード:BI-10773)を標準療法へ上乗せしたことにより、腎疾患の新規発症または進行のリスクを、プラセボに比較して39%低下させたことが、New England Journal of Medicine 誌に掲載され、ニューオーリンズで開催された第76 回米国糖尿病学会(ADA)学術集会でも報告された。この結果は、EMPA-REG OUTCOME®試験の探索的評価項目に対して、事前に規定した計画により解析された結果の一部で、腎疾患の新規発症または悪化は事前に規定した複合有効性評価項目である。 EMPA-REG OUTCOME®試験:世界42 ヵ国、7,000 人超の心血管系疾患の既往歴のある2 型糖尿病患者を対象にした、長期、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ 対照試験である。主要評価項目は、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のいずれかの初回発現までの時間と定義された。中央値3.1 年の観察期間において、エンパグリフロジン は、プラセボと比較して、心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクを14%有意に低下させた。心血管死のリスクは、プラセボと比較して38%低下し、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のリスクに有意差は認められなかった。 Link  企業分析 ➜ Boehringer Ingelheim , Eli Lilly  新薬開発➜ 糖尿病  市場動向➜ 経口糖尿病治療薬

Charleston/Daiichi Sankyo, Inc.の軽度から重度の鎮痛薬CL-108 のNDA をFDAが 受理

Charleston Laboratories, Inc.(Charlestone)とライセンシーのDaiichi Sankyo, Inc(DSI)が開発中の、中等度から重度の鎮痛薬で、オピオイド誘導悪心嘔吐(OINV)を抑制または予防する配合錠剤CL-108 のNDA をFDA が受理した。  CL-108は、最外層の速放層にはプロメタジン12.5 mg を含み、内側の層にはヒドロコドン 7.5 mg およびアセトアミノフェン325 mg を含む即放性二層錠である。FDA は処方箋薬ユーザーフィー法に則り審査終了目標を2017 年1 月31 日に設定した。ヒドロコドン は、米国で年間1 億3 千万件以上処方されている疼痛治療剤であるが、その約30%でオピオイド誘発性の悪心が、15%で嘔吐がみられている。CL-108 は、このような患者の副作用の負担軽減に貢献できると考えられる。  NDA の根拠は、CL-108 の2 本のピボタル、無作為化二重盲検プラセボおよび実薬対照の第3 相試験でサポートされている。 1 本は臼歯の抜歯後の試験、他の1 本は足の腱膜瘤の切除術後の鎮痛効果の検証試験である。さらに第3 相オープンラベル追加試験で、実際の医療現場における急性疼痛患者に対する安全使用、あるいは膝や腰の関節炎に伴う突然の疼痛に対する鎮痛効果が検証された。合計でCL-108 の第3 相臨床試験プログラムには1,000 名以上の患者が登録された。 Link   企業分析➜ 第一三共  新薬開発➜ 疼痛

特定タイプの進行肺癌患者に対するアバスチンとタルセバの併用をEC が承認

 ロシュの抗VEGF抗体アバスチン(一般名:ベバシズマブ)とEGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)の併用療法を、「EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行性転移性または再発性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の1 次療法」として欧州委員会(EC)が承認した。アバスチンと他の分子標的治療薬の併用療法としては初めての承認である。  中外製薬が日本で実施したJO25567 試験は、EGFR 遺伝子変異陽性の進行非扁平上皮NSCLC を対象に、「アバスチン とタルセバ の併用療法」と「タルセバ単剤療法」を比較した第2相臨床試験である。154 名の患者を登録した。アバスチン・タルセバ併用療法を受けた患者群はタルセバ 単剤療法群と比較して、病勢進行または死亡の相対リスクが有意に減少した。[無増悪生存期間(PFS)中央値:16.0 ヵ月 vs. 9.7 ヵ月、ハザード比(HR)0.54、p=0.0015]。 Link  企業分析 ➜ Roche   中外製薬  新薬開発➜ 肺がん  市場動向➜ 肺がん

アストラゼネカがPARP 阻害薬オラパリブ、PD-L1 阻害durvalumabなど、がん関連73報をASCOで発表

アストラゼネカはInvestor Science Eventを開催し、 オンコロジー事業について①腫瘍増殖・耐性対策、②DNA 損傷反応(DDR)、③癌免疫(I-O)療法、④ADC 薬の4つの分野に集中している状況をPascal Soriot CEOが紹介した。 I-O療法に関してはPD-L1 阻害薬durvalumabを開発中だが、ブリストルマイヤーズ スクイブ と同様にCTLA4 阻害薬(tremelimumab) にも取り組んでいる。PD-L1阻害薬とCTLA4阻害薬の併用療法を開発戦略の中心として、癌腫横断的に臨床開発を進める方針である。 なお、PD-L1 阻害はPD-1 およびCD80 との相互作用を同時に阻害できるが、PD-1 阻害はPD-L1 とCD80 との相互作用を阻害できないという違いがある。 Link  企業分析 ➜ AstraZeneca 、新薬開発➜ 腫瘍免疫I-O 、市場動向➜ 腫瘍免疫I-O

抗Claudin18.2 抗体IMAB362が進行胃癌患者の全生存期間を延長

 ドイツマインツ に拠点を置く、高度な癌免疫療法を目標に開発中のバイオ企業Ganymed Pharmaceuticals AG(Ganymed)が開発中の新規抗Claudin18.2 抗体IMAB362の胃癌1 次療法の無作為化、第2 相臨床試験の成績をASCO2016 年次総会において報告した。 IMAB362は、選択的なtight junction 蛋白Claudin 18.2 に特異的な抗体である。Claudin 18.2は、およそ80%の胃消化管腺癌、60%の膵癌、胆管癌、卵巣癌、肺癌で発現している。  作用機序には抗体依存性細胞介在性細胞障害(ADCC)、補体依存性細胞毒性(CDC)の活性化、ならびに腫瘍微小環境のT 細胞浸潤と調節が含まれている。胃癌および膵癌に対して欧米当局から希少疾患指定を受けている。  第2 相試験は腫瘍中にClaudin 18.2 の特異的最低レベルを発現している進行または再発性の胃あるいは胃食道接合部癌患者161 名を登録してスタートした。Claudin 18.2 レベルは、腫瘍組織からバイオプシーで採取した検体を用い、検証済みのCE マークを受けた診断アッセイ法CLAUDETECT®18.2.を使用して測定した。患者は無作為に標準化学療法(エピルビシン、オキサリプラチン、カペシタビン)とIMAB362(800/600 mg/m2)との併用群、あるいは標準化学療法単独群に割り付けられた。さらに85 名の患者を探索コホートとして高用量投与群に追加した。  IMAB362 と化学療法の併用群は、化学療法単独群に比べて病勢進行までの期間の中央値を4.8 から7.9 ヵ月(HR 0.47; p=0.0001)に改善し、全生存期間の中央値を8.4ヵ月から13.2 ヵ月(HR 0.51; p=0.0001)に改善した。Claudin 18.2 の最高の発現レベルの患者では、全生存期間の中央値がIMAB362 と化学療法の併用群では16.7 ヵ月、化学療法単独群では9 ヵ月(HR 0.45; p<0.0005)であった。 Link  新薬開発 ➜ 大腸がん、胃がん、肝臓がん

ペメトレキセド、ラムシルマブとペムブロリズマブの肺癌に対する併用

イーライリリーのペメトレキセド(商品名:アリムタ)+カルボプラチンとメルクの抗体PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キートルーダ)の併用を検討したKEYNOTE-021 試験、およびイーライリリーのVEGF抗体ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)とペムブロリズマブの併用を検討したKEYNOTE-021 試験の結果が、ASCO 2016で発表された。 KEYNOTE-021 試験は、進行非小細胞肺癌に対する ペムブロリズマブ+ペメトレキセド+プラチナ製剤併用療法の安全性と予備的な有効性を評価するマルチコホート第1/2 相試験で、今回はC コホートの第1 相試験結果の報告である。コホートC(登録患者、n=24)の奏効率(ORR)は71%、うち1 例が完全寛解、16 例が部分寛解を達成した。PD-L1 の発現状態とORR の関係をみると、少なくともPD-L1 腫瘍細胞発現率(TPS)が≧50%のグループのORR は75%を達成、全PD-L1 発現グループのORR でも、TPS≧1%で75%、<1%で69%を示した。無増悪生存期間(PFS)の中央値は10.2ヵ月(95%CI;6.3-15.2)、全生存期間(OS)は未達であった(95%CI;13.9-NR)。 KEYNOTE-098 試験は、ラムシルマブ(RCM)とペムブロリズマブ(PBM)の併用療法の第1 相臨床試験である。対象の癌腫は、非小細胞肺癌、胃・食道接合部位腺癌(GE)、尿路上皮移行癌である。コホートC の大部分を占める(20/25)非小細胞肺癌患者で標的とする病変部の縮小が認められた。本グループのPD-L1 発現状態のスペクトルは広範で、陰性(40%)および25%は報告例がないことから、弱陽性(5%)、強陽性(30%)まで多様であった。RCM+PBM 併用群におけるORR 達成率は26%、完全寛解が1 例(PD-L1発現陰性で、3 回の治療歴を有していた)、部分寛解が6 例(1 例はPD-L1 発現陰性、5 例は、術前術後のアジュバント療法および病勢進行を含む2 回の前治療歴のある患者)であった。 Link  企業分析 ➜ Merck(MSD ) ➜ Eli Lilly  新薬開発➜ 肺がん  市場動向➜ 肺がん

BMSがASCOで13 癌腫にわたる癌免疫(併用)療法による長期生存データ36 報を報告

 ブリストルマイヤーズ スクイブ(BMS)は、ASCO2016 においてInvestor meeting を開催し、同社の癌免疫療法の戦略、ASCO 発表の重要データ、革新的な次世代癌免疫療法について発表した。13 癌腫に対するオプジーボ 、ヤーボイ 、EMPLICITI、スプリセルなどの単剤療法、あるいは併用療法の最新データを報告し、広範な固形腫瘍、血液腫瘍におけるアンメットニーズに応えるとのコミットメントを表明した。  BMSは当面の治療目標について、癌免疫併用療法による「質の高い長期生存」の達成としている。また、8 種の新たなターゲットについて2016 年内に臨床評価を開始する。①腫瘍の微小環境に作用する抗CSF1R、IDO、抗CD73 阻害、②オプジーボと同様のT 細胞の活性化を狙う、抗LAG3、抗CD137 (urelumab)、抗GITR、抗OX40、③EMPLICITI と同様のNK 細胞活性化を狙う抗KIR(lirilumab)が挙げられている。 Link  企業分析 ➜ Bristol-Myers Squibb (BMS)  新薬開発➜ 腫瘍免疫I-O  市場動向➜ 腫瘍免疫I-O

分子プロファイルに基づいた進行固形腫瘍標的療法:第2a 相アンブレラ・バスケット試験

 進行固形腫瘍の標的療法に分子プロファイルに基づいたアンブレラ試験とバスケット試験を組み合わせた第2a相MyPathway 試験の結果を、Sarah Cannon Research Institute/Tennessee Oncology の研究グループがASCO年次総会で報告した。遺伝子異常のある腫瘍に対する承認適用外の分子標的薬の効果を評価した。  患者は分子レベルでの変化に応じてトラスツズマブ+ペルツズマブ (HER2 阻害)、ベムラフェニブ(BRAF 阻害)、 vismodegib (Hh 阻害)、エルロチニブ(EGFR 阻害)の標準用量の治療を受けた。主要評価項目は試験担当医師が腫瘍のパスウェイコホート毎に奏効率をRECIST v1.1 を基準に評価した。コホートのサイズと拡大は、Simon’s two-stage design criteria により実施した。  MyPathway 試験にはベースラインの評価が可能な遺伝子変異を有する129 名の患者が登録された(2015 年末時点)。内訳は、HER2(n=82; 発現増強53例、変異23例、増強と変異5例、PBMS-NRG1 融合1例)、BRAF(n=33; V600E変異18例, その他15例)、Hh(n=8; PTCH1変異7例、SMO変異1例)、EGFR変異6例であった。  【結果】 22 名が部分・完全奏効(1 完全奏効)を達成し、奏効期間の中央値は11 カ月以上であった。現行効能外の9 種の異なる癌腫に対して分子標的薬の奏効例が認められた。