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抗IL-4/IL-13抗体dupilumabの重症アトピー性皮膚炎治療薬としての承認申請をFDAが優先審査に指定

 サノフィとRegeneronが開発中の抗IL-4/IL-13抗体dupilumabについて、「管理不良の中等度から重度のアトピー性皮膚炎(AD)の成人患者」を対象とした生物薬品承認申請(BLA)をFDAが優先審査の対象として受理、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は 2017年3月29 日に設定された。2014年11月にブレークスルー治療に指定されている。  dupilumabはADの主要原因とされるTh2免疫反応を引き起こす IL-4 および IL-13 のシグナル伝達を阻害するモノクローナル抗体である。申請の根拠としたLIVERTY AD試験プログラムは「外用薬では管理が不十分な、中等度~重度のAD 成人患者」2,500例以上を対象として、dupilumab単剤療法(SOLO 1 およびSOLO 2)と外用ステロイド薬との併用療法(CHRONOS)の3本のフェーズIII試験を行った。   (考察)  抗体医薬によるアレルギー性疾患治療薬の開発が進んできた。2002年に重症喘息治療薬として発売されたノバルティスの抗IgE抗体ゾレアの年間売上は500億円程度にとどまっていたが、2014年に米国などで蕁麻疹の皮膚科適応症が承認されると700億円を超えて再び増加傾向にある。古い製品だが1000億円(ビリオン・ドル)を超える「ブロックバスター」となる可能性が見えてきた。  アトピー性皮膚炎も同様に、これまで新薬開発が進んでいない領域である。新規の薬効メカニズムでFDAのブレークスルー治療指定(BTD)、優先審査となった抗IL-4/IL-13抗体dupilumabが売上高10億ドルを超えるブロックバスターとなる可能性は大きいと思われる。 Link   企業分析 ➜ Sanofi  新薬開発➜ アトピー性皮膚炎

アダリムマブ(ヒュミラ)に対するバイオシミラー製品をFDAが全面的に承認

 アッヴィーが世界最大の売上高1兆4000億円を誇る抗リウマチ薬ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)のバイオシミラー製品となるAMJEVITA(adalimumab-atto)が、ヒュミラが持つ炎症性7疾患①関節リウマチ、②多関節若年性特発性関節炎、③乾癬性関節炎、④強直性脊椎炎、⑤慢性尋常性乾癬、⑥クローン病、⑦潰瘍性大腸炎、すべての効能でFDAの承認を取得した。  AMJEVITAを開発したアムジェンは承認申請に際して、関節リウマチと尋常性乾癬の2本のフェーズIII試験を行った。欧州では2015年12月にEMA申請しており、審査中。アムジェンはアダリムマブ(ヒュミラ)のほかにも、トラスツズマブ(ハーセプチン)、ベバシズマブ(アバスチン)、など合計9品目のバイオシミラー製品を開発している。 Link   企業分析 ➜ Amgen   新薬開発➜ biosimilar  ➜ autoimmune disease

初のデュシェンヌ型筋ジストロフィー治療薬EXONDYS 51をFDAが加速承認

 FDAはデュシェンヌ(Duchenne)筋ジストロフィー(DMD)患者の治療薬としてアンチセンス薬EXONDYS 51(eteplirsen)を承認した。Sarepta Therapeutics が開発した30 ユニットからなる分子量10305.7 ダルトンのphosphorodiamidate morpholino oligomer (PMO) subclass のアンチセンスoligonucleotide である。推奨用量は30 mg/kg 週1 回、35 分から60 分かけて静脈内インフュージョン投与する。治療コストは年間$30万ドル(3000万円)が見込まれている模様。  本品はFDA からファストトラック、加速承認、ならびにNDA 提出時に優先審査の指定を受けていた。加速承認制度の下での承認のため、この治療法を先ず患者に使用できるようにし、次いで有効性データを補充するため、承認後に企業に確認臨床試験の実施が義務付けられた。 Link   新薬開発➜ Exon Skipping Therapy     ➜ Duchenne Muscular Dystrophy (DMD)

ファイザーが開発したCDK 4/6阻害剤 IBRANCEのHR+/HER2- 転移性乳癌に対する承認を欧州CHMPが勧告

 欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)は IBRANCE(一般名:パルボシクリブpalbociclib)に関して、ホルモン受容体(HR)陽性、HER2受容体陰性の局所進行あるいは転移性乳癌の治療薬として販売承認を勧告した。IBRANCE は細胞増殖の引き金となる細胞サイクルの制御因子である cyclin dependent kinases (CDK) 4 と 6を選択的に阻害する経口薬である。米国では転移性乳癌の治療薬として2013年にBreakthrough Therapy の指定(BTD)を受け、優先審査で2015年2月に加速承認されている。  欧州では、アロマターゼ阻害剤との併用療法、あるいはホルモン療法が不十分となった患者に対してはフルベストラントとの併用療法として承認勧告された。  申請データは第2相PALOMA-1試験および第3相PALOMA-3試験の最終結果に基づいて提出された。これらの臨床試験で、HR+/HER2-の転移性乳癌患者において、IBRANCE とホルモン療法の併用療法は無増悪生存期間(PFS)を有意に改善した。また、第3相PALOMA-2試験においてもPFSの有意な改善が認められ、この結果も申請データに追加された。 Link   企業分析 ➜ Pfizer   新薬開発➜ 乳がん   ➜ CDK4/6阻害

エーザイが開発したレンバチニブの腎細胞癌への効能拡大を欧州委員会(EC)が承認

 欧州委員会(EC)はレンバチニブによる「VEGFを標的とした前治療歴を有する進行性腎細胞癌に対するエベロリムスとの併用療法」を追加承認した。  レンバチニブは希少病の甲状腺癌に対する治療薬として米国で2015年2月、欧州では2015年5月に承認された。腎細胞がんの効能については欧州では希少病指定がないため、KISPLYXという別名称で承認を受けた。米国では本年(2016年)5月に同一名で追加承認されている。  申請の根拠は、VEGF を標的にした前治療歴のある、切除不能進行性または転移性腎細胞癌患者を対象にした多施設、国際共同、無作為化、非盲検、第2 相試験(205 試験)である。レンバチニブ/エベロリムス併用群、レンバチニブ単剤群、エベロリムス単剤群の 3 群に、153名の患者を1:1:1に無作為に割り付け、有効性と安全性を比較した。  レンバチニブ/エベロリムス併用群は主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した [併用群14.6 ヵ月vs. エベロリムス単剤群5.5 ヵ月(中央値)、ハザード比(HR)= 0.40;95%信頼区間(CI)= 0.24-0.68、p=0.0005]。また、レンバチニブは単剤投与群においてもPFS(中央値7.4 ヵ月)がエベロリムス単剤群(5.5 ヵ月)を有意差をもって上回った[HR=0.61(95%CI= 0.38-0.98)]。  レンバチニブの併用群および単剤群はエベロリムス群と比較して、より高い奏効率(ORR)を示した [併用群(43%)、レンバチニブ群(27%)、エベロリムス群(6%)]。また、全生存期間(OS)に関しては、2014 年12 月時点におけるアップデート解析で、併用群におけるエベロリムス群に対し延長が示唆された [HR= 0.51;(95%CI = 0.30-0.88)]。さらに、アップデート解析で、OS 中央値は、併用群25.5 ヵ月、エベロリムス群15.4 ヵ月であった [HR= 0.59(95%CI = 0.36-0.97)]。 Link  企業分析 ➜ エーザイ  新薬開発➜ 腎細胞がん

キートルーダによる進行非小細胞肺癌の一次療法をFDAがBT指定

 メルク(MSD)の抗PD-1 抗体キートルーダ(一般名:ぺムブロリズマブ)の進行非小細胞肺癌に対する一次療法の効能追加申請について、FDAはBreakthrough Therapy(BT)に指定し、優先審査とした。審査期日は2016 年12 月24 日に設定されている。メルクはまた、欧州医薬品庁(EMA)に対しても同じ患者集団に対する一変申請による効能追加を申請した。競合するBMS のオプジーボ(一般名:ニボルアブ)は、非小細胞肺癌の1 次療法第3 相試験に失敗している。  申請の根拠としたKEYNOTE-024試験は、白金錯体ベースの標準化学療法と比べて無増悪生存(PFS)ならびに全生存(OS)で優れた成績を示した。高度にPD-L1を発現している非小細胞肺癌患者を対象としている。登録患者は進行病変に対して全身性化学療法による治療歴が無く、免疫組織化学アッセイを用いて、PD-L1が50%以上の腫瘍細胞で発現していることが条件であった。305 人の患者が、キートルーダ 200 mg Q3W または白金ベースの化学療法 のいずれかに割付けられた。非対照群に割付けられた患者が病勢進行した場合には、キートルーダを投与するクロスオーバーの選択肢が認められた。主要評価項目はPFS、副次評価項目はOS および奏効率(ORR)である 。 Link  企業分析 ➜ MSD  新薬開発➜ 肺がん