投稿

1月, 2017の投稿を表示しています

抗PD-1抗体に関するBMS/小野薬品とメルク(MSD)の間の特許係争が決着

メルクはBMS/小野薬品に対して和解金6.25億ドル(625億円)を支払い、さらに今後のキートルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の売上高に応じて特許料(ロイヤルティ)を支払う。特許料率は2017年1月1日から2023年12月31日までは6.5%、2024年1月1日から2026年12月31日までは2.5%と定められた。小野薬品は和解金およびロイヤルティの25%を受領する。この和解により、双方とも争ってきた全ての地域で特許侵害訴訟を取り下げることも同意された。 Link  企業分析➜ Bristol-Myers Squibb 、 Merck(MSD) 、 小野薬品

天然ペプチド由来の慢性便秘治療薬TRULANCEをFDAが承認

 FDAは成人慢性特発性便秘症(CIC:Chronic Idiopathic Constipation)患者の治療薬としてSynergy Pharms. Inc.のTRULANCE (一般名:plecanatide)を承認した。  TRULANCEは、 1日1回3 mg 錠1錠を経口投与する。plecanatide は、腸管の機能の維持に関与しているヒト消化器ホルモンuroguanylin の構造に類似したguanylate cyclase-C (GC-C)作動薬である。plecanatide とその活性代謝物が共にGC-C に結合して、腸管上皮の管腔表面に局所的に作用する。GC-C の活性化は、細胞内および細胞外のcyclic GMP濃度の上昇をもたらす。細胞内cGMP レベルが上昇すると、主に嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)イオンチャネルを通じて、腸管管腔内にchlorideとbicarbonate の分泌を促進する。その結果、腸管内の体液が増加し内容物が流動化して移動を早める。動物モデルで、plecanatide は消化管内への体液の分泌を高め、腸管内容物の移動を早め便の硬さを変えることが示されている。  承認申請の根拠は、1,775人の成人被験者を登録した2本の12週にわたるプラセボ対照比較試験である。被験者は無作為に2:1になるようにTRULANCE群あるいはプラセボ群に割付けられた。被験者は少なくとも試験開始6ヵ月前から慢性の便秘症と診断された患者で、便秘に伴う諸症状と共に、直前の3ヵ月間の排便の回数は週3回以下の状態であることが登録条件であった。TRULANCE群の被験者は、プラセボ群に比べて完全に自然の腸管の動きと共に排便回数が改善され、その状態の持続性が示された。

小野薬品がオプジーボの胃癌に対する第3相試験で全生存期間(OS)延長を報告

 小野薬品とBristol-Myers Squibb(BMS)は、抗PD-1 抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)が、標準療法に抵抗性または不耐の切除不能進行または再発胃癌を対象とした第3 相ONO-4538-12 試験の結果をASCO の2017 消化器癌シンポジウムで報告した。  この試験は、日本・韓国・台湾で行われたプラセボ 対照の多施設共同、二重盲検、無作為化臨床試験である。主要評価項目はOS、副次評価項目は、PFS、ORR、安全性等で、493 例の患者をオプジーボ 投与群(N = 330)とプラセボ 群(N = 163)に2:1 の割合で無作為に割り付けた。  オプジーボ 群はプラセボ 群に対してOS を有意に延長し[ハザード比(HR) = 0.63; 95%CI:0.50 - 0.78;p <0.0001]、死亡リスクを37%低減した。OS 中央値は、オプジーボ 群 5.32 ヵ月、プラセボ群 4.14 ヵ月、12 ヵ月の全生存率は、オプジーボ群それぞれ26.6%と 10.9%であった。ORRは、それぞれ11.2%(95%CI:7.7 - 15.6)と 0%(95%CI:0.0 - 2.8)(p <0.0001)、PFS 中央値は、1.61 ヵ月と1.45 ヵ月(HR=0.60; 95%CI:0.49-0.75;p <0.0001)であった。 Link  企業分析➜ ブリストル・マイヤーズ 、 小野薬品 、新薬開発➔ PD-1/L1阻害剤

米国内科学会・家庭医学会の診療ガイドラインは60 歳以上高齢者の血圧管理目標を150 mmHg に改定

 米国内科学会(ACP)および米国家庭医学会(AAFP)は、60歳以上の患者の血圧の管理目標に関する合同の診療ガイドラインを公開した。本ガイドラインは「無作為化、対照比較された臨床試験の主要評価項目および有害反応」に着目して、これまでに公表されている臨床成績データを系統的に解析した。  評価結果は、全死亡、脳卒中関連の罹患率および死亡率、重要心イベント(致死性・非致死性心筋梗塞、突然の心臓死)、および副作用を含んでいた。本ガイドラインはエビデンスと推奨事項にGRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluation)によりその度合いに順位をつけた。推奨とGradeは以下の通り。 推奨1;死亡率、脳卒中および心イベントのリスクを低減させるため、SBPを150 mm Hg 以下を治療目標として、150 mmHg 以上のSBPを示す 60歳以上の成人の治療を開始するよう勧告する。(Grade; Strong) 推奨2;脳卒中の再発のリスクを軽減するために、脳卒中または一過性の虚血性心臓発作歴のある60歳以上の成人について、SBPの目標値140 mmHg以下を達成するために、薬剤療法の開始または強化を考慮するよう勧告する。(Grade: weak recommendation, moderate-quality evidence) 推奨3;患者個々の状況に応じて、脳卒中あるいは心臓イベントのリスクを低減するために、高い心血管系リスクを有する60歳以上の成人に対してSBP140 mmHg以下の目標達成のために、薬剤療法を開始または強化を考慮することを勧告する。(Grade: weak recommendation, low quality evidence)

Kite PharmaがCAR-T療法の日本における開発・商業化で第一三共と提携

 Kite Pharma, Inc.(カイト社)は、開発中のCAR T(キメラ抗原受容体T細胞)療法KTE-C19 (axicabtagene ciloleucel)の日本における開発並びに商業化に関して、第一三共と戦略的提携契約を締結したと発表した。  CAR T療法は患者のT細胞を採取し、遺伝子操作により、B 細胞リンパ腫および白血病細胞表層に発現しているCD19 抗原を標的とするキメラ抗原(CAR)受容体を発現させ、癌細胞を死滅させる治療法である。奏効率(ORR)90%以上、完全寛解率(CR)40~50%を示し、現段階で最強の癌免疫療法と言われている。しかし、主作用が暴走すると重篤なサイトカイン放出症候群を引き起こすため、これを抑える「安全装置」(ブレーキ)の開発が成功のカギとされている。(注)  カイト社は、2015 年12 月にFDA からBreakthrough Therapy、2016 年6 月にEMA からPRIME スキームの指定をそれぞれ受けた。 2016 年12 月4 日にFDA にローリング申請によるBLA の提出を開始、2017 年第1 四半期末迄に完了すると発表した。申請効能は「自己幹細胞移植が不適な再発・難治性進行性B 細胞NHL 患者の治療」とし、化学療法が無効なびまん性大細胞型B 細胞性リンパ腫(DLBCL)、形質転換濾胞性リンパ腫(TFL)、原発性縦隔大細胞型B 細胞性リンパ腫のサブタイプからなるNHL 患者が含まれている。  第一三共は日本におけるKTE-C19 の開発ならびに商業化を行う。カイト社は契約の一環として第一三共に技術供与を行い、更に第一三共はKITE-718 を含め、カイト社が今後3年以内に米国にINDを提出するその他の開発候補品のライセンス権利を有している。 (参考:注) 強力なキメラ抗原受容体T 細胞(CAR-T 細胞)療法には長所と短所があることから、安全スイッチの開発の必要性が論じられている。承認されれば超大型製品に成長すると期待されるだけに、安全スイッチを組み入れた開発アプローチに移行する企業も出てきた。そのため、今後3~4年以内の承認は期待できず、固形癌への承認は更にその先になるとアナリストは予測している。アステラス製薬は米国子会社が開発したCAR T療法をBellicum社に導出しており、日本国内では...