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ノバルティスのCAR-T 細胞療法CTL019によるr/rDLBCL成人患者の治療をFDAがBT指定

 CAR-T細胞療法CTL019 (tisagenlecleucel) による再発・難治性(r/r)びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫 (DLBCL) 患者に対する治療がFDAのBreakthrough Therapy指定 (BTD) を受けた。ノバルティス はr/rDLBCLに対する効能追加の申請を年末までに提出する予定である。CTL019に対するBT指定は2度目であり、最初の指定は2014年7月に、小児および若年成人におけるr/r B細胞性急性リンパ芽球性白血病 (B-ALL) の治療である。この適応症でのFDAへのBLA申請は本年3/29に完了している。  今回のBT指定の根拠は、成人r/rDLBCL患者130人を対象とした第2相JULIET試験 (NCT02445248:主要評価項目の完了予定は2024年1月) と、r/rB-ALL患者72人を対象にしたシングルアームのオープンラベル第2相ELIANA試験 (NCT02435849:2023年1月完了予定) である。  CTL019 はペンシルバニア大学で開発され、ノバルティスと更なる癌腫を対象にした研究開発および商業化に向けたグローバル提携契約を2012 年に締結している。 Link  ➜ ノバルティス   CAR T therapy

中外製薬のバイスペシフィック(bispecific)抗体エミシズマブが小児血友病第3相試験の中間解析で好成績

エミシズマブは活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替する。中外製薬が創製し、「12歳以上の第VIII因子の阻害剤(抗体)を保有する血友病A患者に対する予防投与療法」としてFDAの画期性治療(BT)指定を受けている。米国での臨床開発は親会社のロシュグループが進めている。 今回、中間成績を発表した第3相「HAVEN 2」試験は、血液凝固第VIII因子を阻害する中和抗体の産生が確認された12歳未満の血友病A患者を対象として出血予防効果を評価する試験である。投与期間の中央値が12週間を超えた時点で中間集計をおこなった(対象:小児患者19名)。エミシズマブの定期的予防投与(1週間に1回、皮下注)により、統計学的に有意な出血回数の減少が示された。最終的には、小児患者60名を登録し、投与開始後52週時点の成績で最終解析をおこなう予定である。 (参考)12歳以上の血友病A患者を対象とした「HAVEN 1」試験はすでに昨年(2016年)12月に第3相臨床試験(症例数109例)における主要評価項目(出血頻度抑制)の達成を報告している。12歳以上の血友病A患者ではさらに、2週間に1回投与の「HAVEN 3」試験、4週間に1回投与の「HAVEN 4」試験が継続中である。 Link  »   ロシュ     血友病

JAK阻害剤の関節リウマチ治療薬baricitinib に対してFDAがCRLを発行

イーライリリーと共同開発パートナーのIncyte Corp.(Incyte)が提出していた新薬承認申請(NDA)に対してFDAは非承認とする審査終了通知(CRL)を発行した。FDAは追加の臨床試験を実施して用量設定をやり直し、さらに使用する用量群毎に安全性の懸念を明確化する必要があると述べている。認可・発売にはかなりの遅れが生じるものと考えられる。リリーは中等度から重度の関節リウマチ(RA)に対し1 日1 回経口投与で申請していた。欧州ではすでに、2016 年2 月に欧州医薬品庁(EMA) に提出した販売承認申請(MAA)が2017 年2 月13 日に承認され、推奨用量は一日一回4 mg(QD)となっている。 (参考)JAK阻害剤として最も先行しているノバルティスのJAKAVIは骨髄線維症治療薬として2011年11月に米国、2012年4月に欧州で承認された。欧米、ほぼ同時の承認だったが市場が大きい関節リウマチでは承認されていない。ファイザーのJAK阻害剤ゼルヤンツは抗リウマチ薬として2012年に米国で承認された。しかし、欧州では5年遅れて3月に承認されたばかりである。リリーとファイザーはどちらも米国企業であるが、米国で順調だったファイザーは欧州で難航、反対に欧州で順調だったリリーは米国で難航しそうである。 Link  ➜  イーライリリー     関節リウマチ   JAK阻害剤

VMAT2 阻害剤INGREZZA を遅発性ジスキネジー治療薬としてFDAが承認

 Neurocrine Biosciences (Neurocrine)が開発したvalbenazine(販売名:INGREZZA)を成人の遅発性ジスキネジー (Tardive Dyskinesia;TD) 治療薬としてFDAが承認した。Fast Track、Breakthrough Therapy指定、およびNDA提出時(2016年8月)にPriority Reviewの指定を受けて8ヵ月の審査で承認された。  INGREZZAは選択的小胞型モノアミン輸送体VMAT2阻害剤で、TD治療薬として最初で唯一の製品である。TDは、一般に長期にわたって精神病薬で治療された患者に発症し、統合失調症の治療で抗精神病薬を服用した患者の約30%に達すると推定されている。高齢者のTDは進行しやすく、また高齢の女性は、高齢の男性よりもリスクが高い。反復的な不随意の目的のない動作が特徴的な症状である(顔を歪める、顎や唇、舌などの突然の突き出し、手足、指、胴体の早くて不随意な運動、歩行困難など)。  承認の根拠は、統合失調症、統合失調症性感情障害、または気分障害に罹患している患者を対象とした、第3相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、固定用量試験(KINECT 3試験)の結果である。INGREZZA 40 mg、80 mg(1日1回)、またはプラセボ を6週間投与し、その後、全ての被験者は、INGREZZA 40 mg、あるいは80 mgの何れかに割付けられた。主要評価項目のAIMS TDトータルスコアは、プラセボ群の-0.1に対して、INGREZZA 80 mg 群では-3.2であった(p<0.0001)。また、本試験において、AIMS のスコアが少なくとも50%以上低下した被験者の割合は、プラセボ群の8.7%に比べて、INGREZZA 80 mg群は40%であった(p<0.0001)。

消費者向けの遺伝子リスク検査キットをFDAが承認

 FDAはパーキンソン病、後発性アルツハイマー病、セリアック病など10種の疾病/症状について、個人用ゲノムサービスの遺伝子リスク(Genetic Health Risk、GHR) 検査を認可した。開発した 23andMe 社の社名にある「23」の由来は人の体細胞が23対の染色体からなることによる。  23andMe GHR検査は、被験者の唾液からDNAを抽出して50万の変異を検査し、数週間以内に結果を通知する。ある種の疾病または症状に対する個人の遺伝性素因に関する情報を提供し、個人のライフスタイル選択や医療専門家との相談といった場面で新たな情報を提供できる可能性がある。FDAが遺伝子検査サービス製品の消費者への直接販売を認可するのは初めてである。

PD-1阻害剤オプジーボ によるdMMRまたはMSI-H転移性大腸癌の効能追加申請をFDAが優先審査に指定

ブリストル-マイヤーズ スクイブ(BMS)はオプジーボ(一般名:ニボルマブ)について、「ミスマッチ修復機構欠失(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)(dMMR/MSI-H)」転移性大腸癌(CRC)で、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンをベースとした化学療法の前治療歴がある患者を対象とする効能追加の承認申請(sBLA)を提出した。FDAは優先審査として受理し、審査期限は2017年8月2日とされた。 (参考1)今回のsBLA申請は、dMMR/MSI-H の転移性CRC 患者を対象として進行中の第2相CheckMate-142試験のデータに基づいている。RECIST v. 1.1 基準による試験担当医師の評価(INV)、および第三者評価委員会(IRRC)による奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)などを有効性評価項目とし、ニボルマブ 3 mg/kgを2週間に1 回(Q2W)投与した。ニボルマブ投与群(N=74)の84%は前治療歴2 回以上の患者で、ORR は31%(INV)、27%(IRRC)、病勢管理率(DCR)は69%(INV)、62%(IRRC)、奏効までの期間の中央値は約2.7 ヵ月(INV/IRRC)、12 ヵ月時点でのPFS 率は48.4%(INV)、45.6%(IRRC)、DoR およびOS は未到達。OS 率は83.4%(6 ヵ月時点)、73.8% (12 ヵ月時点)であった。奏効性にPD-L1、BRAF、KRAS の発現レベルは影響しなかった。 (参考2)オプジーボにとって消化器がん領域の適応症を申請するのは初めてである。抗PD-1受容体抗体/抗PD-L1抗体で、これまでに消化器がんのFDA承認を取得した製品はない。メルクのキートルーダは昨年11月に今回のオプジーボと同じMSI-Hがんを対象とするsBLAを提出し、優先審査となった。しかし、FDAがデータ不足を指摘、メルクは追加データを提出したがsBLAの「重大な修正」として扱われたため、審査期限は6月9日へと3カ月延長されている。 Link  企業分析➜ ブリストル-マイヤーズ スクイブ