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ファイザーが開発したADC薬「inotuzumab ozogamicin」を欧州委員会が承認

 欧州委員会(EC)は、Pfizer の抗体薬物複合体(ADC)薬BESPONSA(一般名:inotuzumab ozogamicin)を成人の再発・難治性(r/r)CD22陽性の前駆B細胞性急性リンパ芽球性白血病(ALL)の治療薬として承認した。本効能には、成人のPhiladelphia 染色体陽性(Ph+)ならびにPh染色体陰性(Ph‐)r/rALL の治療が含まれる。今回の承認により、BESPONSAは、欧州連合(EU)におけるこのタイプの白血病患者に利用可能な最初で唯一のADC薬となった。  承認の根拠となったのは、r/r 前駆B細胞ALL成人患者326 人を対象に、BESPONSAを標準化学療法と比較した第3 相INO-VATE ALL 試験結果である。Ph+再発性・難治性CD22陽性前駆B 細胞性ALL 患者は、少なくとも1種類のtyrosine kinase 阻害剤(TKI)による治療に失敗している患者が登録された。BESPONSAは血液学的回復の有無に拘わりなく、血液学的寛解(CR / CRi)と全生存期間(OS)の2 つの主要評価項目を達成した。  米国では2015年10月にFDA からBreakthrough Therapyに指定されたが、米国FDAへのBLA申請の提出はEU に遅れて2017年2月になされた。優先審査で受領され、ユーザーフィー審査のゴールは2017年8月に設定されている。 Link  » ファイザー

FLT3を含むマルチキナーゼ阻害剤RYDAPT(一般名:ミドスタウリン)の急性骨髄性白血病(AML)第3相試験成績

ノバルティス が開発中のRYDAPT(一般名:midostaurin)の第3 相RATIFY [CALGB 10603 (Alliance)]試験の完全解析結果がNEJM 誌に掲載された。本試験の最新データ(TLD)は以前に2015 年米国血液学会年次総会の総会会場で発表されている。 RYDAPTは、FLT3、KIT を含むマルチキナーゼ阻害剤で、多くの細胞にとって必須のプロセスを制御し、癌細胞の成長および増殖を阻害する。 NEJM 誌に発表された新たな有効性データは下記の通り。 1) 全生存期間(OS);標準シタラビン+ダウノルビシン導入療法、およびシタラビン の地固め化学療法との併用療法において、RYDAPT群は、プラセボ群に比べて死亡のリスクを22%軽減し、OSを顕著に改善した。RYDAPT 群の (OS)は74.7 カ月(95%CI, 31.5-未達) に対してプラセボ 群のOS は25.6 カ月(95%CI, 18.6-42.9)(片側検定log-rank、p=0.009, HR=0.78)を示し、約3 倍生存期間を延長させた。4 年目の時点で、RYDAPT 群の生存率は51.4%であったのに対して、プラセボ群の生存率は44.3%であった。 2) 無イベント生存率(EFS);RYDAPT 群のEFS の中央値は8.2 カ月(95%CI, 5.4-10.7)に対して、プラセボ群は3.0 カ月であった(95%CI, 1.8-5.9)(片側log-rank 検定 p=0.002, HR=0.78)。 3) 無病生存期間(DFS);プラセボ群に比べて、RYDAPT群のDFS はより延長された [26.7 カ月(95%CI, 19.4-未達) vs. 15.5 カ月(95%CI, 11.3-23.5), p=0.01]。 4) 完全寛解(CR);治療開始60 日以内に報告されたCR は、RYDAPT群58.9%、プラセボ群53.5%(p=0.15)であった。 Link  »   ノバルティス

リツキサンとヒトヒアルロニダーゼ配合の皮下注製剤を血液癌に対する1 次療法としてFDAが承認

Genentech(ロシュグループ)のリツキサン(一般名:リツキシマブ)にヒトヒアルロニダーゼを配合した皮下注製剤RITUXAN HYCELAを成人の血液癌患者の1 次療法治療薬としてFDA が承認した。  承認された対象は、未治療の再発または難治性(r/r)濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)、および未治療および前治療歴の有る慢性リンパ性白血病(CLL)である。静注用製剤の投与には1.5 時間を要していたが、今回の製剤は患者が自分で皮下投与でき、投与時間は5 分から7 分である。配合したヒアルロニダーゼが皮下構造に作用してリツキサン の皮下へのデリバリーを早める。  承認の根拠となったのは、リツキサン 静注製剤と比べて、RITUXAN HYCELA の皮下投与による血中のリツキシマブのレベルの非劣性、ならびに臨床における有効性のアウトカムの同等性を証明した臨床試験結果である。試験の1 つでは大部分の患者(77%)が、クリニックで短時間で投与できるという理由から、リツキサン 静注製剤よりもRITUXAN HYCELA の使用を希望した。  RITUXAN HYCELA 臨床開発プログラムで、以下の試験に合計2000 人近い被験者が参加した。下記の試験のClinicalTrials.gov 登録番号は、記載順にNCT01200758、NCT01292603、NCT01649856 & NCT01724021 である。 1) SABRINA;未治療の濾胞性リンパ腫を対象に化学療法との併用維持療法の第3 相試験。 2) SAWYER;未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者を対象に第Ib 相試験。 3) MabEase;未治療のびまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)の第3 相試験 4) PrefMab;未治療の濾胞性リンパ腫およびDLBCL に対する第3 相試験 Link  »   ロシュ    

キノロン系抗菌剤BAXDELAを皮膚感染症治療薬としてFDAが承認

 BAXDELA (一般名:delafloxacin)はMRSA(methicillin 耐性Staphylococcus aureus)を含むGram 陽性および陰性の病原菌 に抗菌活性を示すフルオロキノロン系抗菌剤である。2014 年5 月に抗菌剤開発の優先制度であるQIDP 指定を受け、ファストトラック、優先審査で承認された。開発元は日本の湧永製薬である。Melinta Therapeutics (Melinta)が申請した。  FDAは急性皮膚および皮膚軟部組織感染症(ABSSSI)治療薬として錠剤および注射剤の2 件のNDA を承認した。ABSSSI は基礎疾患があり、易感染性になっているケースがほとんどで、米国では毎年300 万人が入院し、最適な抗生剤の選択が非常に困難な症例が多い。  承認は、静注および経口錠剤の2 本の第3 相試験結果に基づいてなされた。治療開始48 時間~72 時間における初期臨床効果を主要評価項目とし、標準療法のバンコマイシン+aztreonam 併用療法に対して非劣性を示した。有害事象による試験中止は0.9%で、忍容性は良好であった。

アドセトリス(武田薬品)とオプジーボ併用のホジキンリンパ腫に対する第1/2 相臨床試験結果

難治性(r/r)古典的ホジキンリンパ腫(cHL)に対するアドセトリス(一般名:ブレンツキシマブべドチン)とオプジーボ(一般名:ニボルマブ)の併用療法を評価する第1/2相臨床試験の最新の中間解析結果がスイスLuganoで開催中の悪性リンパ腫国際会議(ICML)で報告された。アドセトリスはcHLを規定するマーカーであるCD30を標的にしたADC薬であり、オプジーボは免疫チェックポイント阻害の抗PD-1抗体で、共にr/rのcHLの承認を取得済みであるが両薬剤の併用療法は未だ承認されていない。 r/r cHL 患者62人に併用レジメンを3 週間毎(Q3W)に4 サイクルまで投与した。45%は原発性難治性疾患で、55%が1 次療法に奏効を示した後に病勢が進行した患者であり、そのうち90%は、1次療法としての標準療法であるABVD ( アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)の治療を受けていた。 有効性評価可能な59人の患者中、50人(85%)が奏効を示した[完全寛解:37人(63%)、部分寛解:13人(22%)、病勢安定:5 人(8%)、病勢進行:4人(7%)]。データ解析時点で37人(60%)が自己幹細胞移植(ASCT)を開始し、12人(19%)が併用療法後に続いて代替の救済治療を受けた。アドセトリスとオプジーボ の併用は幹細胞動員や生着には影響しなかった。 Link  »   PD-1阻害剤      BMS

抗 HER2 ADC 薬 DS-8201a の前治療歴のある HER2 発現固形癌に対する効果

第一三共が開発中の HER2 を標的とする抗体薬物複合体(ADC)薬 DS-8201a の第 1 相臨床試験の中間結果が、ASCO2017において報告された (Abstract #108)。DS-8201a は HER2 を標的として、新規のトポイソメラーゼ I 阻害薬の抗体分子に対する比率が 7-8 と高比率の ADC 薬である。前臨床試験で DS-8201a は、HER2 の低発現腫瘍に対する有効性を含めて、T-DM1 よりも広域の抗癌スペクトラムを示している。今回の臨床試験は、HER2 発現固形腫瘍に焦点を絞って、用量漸増部(パート 1)および用量拡大(パート 2)から構成されている( NCT02564900 )。 パート 1 は乳癌(BC)患者および 胃癌(GC )患者に対する用量拡大を特定するために、修正連続再評価法を使用した。パート 2 は、①T-DM1 の治療を受けた HER2陽性BC 患者、②トラスツズマブの治療を受けた HER2 陽性 GC 患者、③低 HER2 発現 BC 患者、その他の HER2 発現固形癌の HER2陽性の 4 つの拡大コホートを対象に、有害事象(AEs)、奏効率(ORR)、および病勢コントロール率(DCR)が評価された。 合計 89 人の患者に投与された。内訳は、平均 4 回の前治療歴を有する 24 人のパート 1 および 65 人のパート 2 [BC、GC、結腸直腸癌(CRC)、唾液腺癌、および非小細胞肺癌(NSCLC)]。SD-8201a はパート 1 では 8.0 mg/kg まで増量、パート 2 の用量レベルには 6.4 &5.4 mg/kg Q3W IV が選択された。 HER2 低発現患者14人を含む73人の患者で評価し、ORR と DCR はそれぞれ 40%および 90%であった。T-DM1 治療 BC 患者 1 人が完全寛解(CR)を達成、低 HER2 発現の 4 人が部分寛解を達成した。現在 63 人が治療を継続中である。治療期間の中央値はパート 1 が≧27 週、パート 2 は未達であった。 今回の中間結果からその安全性と有効性が示唆されたため、HER2陽性転移 BC および HER2陽性GC における有効性と安全性を評価する第 2 相臨床試験の準備が進められている。 Link  » 第一...

アレセンサがALK 融合遺伝子陽性脳転移NSCLC 患者の脳転移病変の進行を抑制

ALK 融合遺伝子陽性非小細胞肺癌(NSCLC)患者を対象にしたロシュのアレセンサ(一般名:アレクチニブ)、第3 相、国際共同ALEX 試験結果が、ASCO2017で報告された。ALEX 試験は、1 次療法におけるアレクチニブ(ALE)とクリゾチニブ(CRI)の有効性および安全性を比較する、国際共同、第3 相、非盲検、無作為化、比較試験で、303人の未治療ALK 融合遺伝子陽性NSCLC 患者が登録され、ALE 群とCRI 群の2 群に1:1 に割付けられた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は中枢神経系病変の病勢進行までの期間、奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、安全性等であった。 試験担当医師判定において、CRI 群に対しALE 群は、病勢進行又は死亡リスクを53%低下した(HR=0.47、95%CI: 0.34-0.65、層別log-rank 検定、p<0.0001)。PFS中央値はALE 群は未達(95%CI: 17.7-未達)、CRI 群で11.1 カ月(95%CI: 9.1-13.1)であった。 独立評価委員会判定において、CRI 群に対しALE 群で病勢進行又は死亡リスクは50%低下(HR=0.50、95%CI: 0.36-0.70)。PFS 期間中央値は、ALE 群25.7 カ月(95%CI: 19.9-未達)、CRI群10.4 カ月(95%CI: 7.7-14.6)であった。また、CNS病変の病勢進行リスクは、ALE 群はCRI 群より84%低かった(HR=0.16、95%CI: 0.10-0.28)。

ノバルティス 次世代CAR-T 細胞療法CTL119、イブルチニブと併用しCLL 患者9 人中8 人で完全寛解

ノバルティス が、ペンシルバニア大学と共同開発中の次世代CAR-T 療法CTL119 とチロシンキナーゼ阻害薬のイブルチニブとの併用療法が、イブルチニブを6 ヵ月使用しても完全寛解に至らなかった再発/難治性慢性リンパ性白血病(r/r CLL)患者において、9 人中8 人が3 ヵ月の治療で骨髄中にCLL が検出されない、完全寛解を達成したとの知見をASCO2017で報告した(ASCO Abstract #7509)。全ての登録患者はイブルチニブ 投与前に少なくとも1 回の治療レジメンの失敗を経験していた。 2012 年に大学とノバルティスとペンシルバニア大学はグローバル提携契約を締結し、研究開発・商業化を進めてきた。2017 年3 月、ノバルティス はFDA にCTL019 のBLA を提出し、B 細胞性ALL の小児と成人患者のr/rALL 治療薬として受理され優先審査に指定された。2017年4 月、再発・難治性びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫(DLBCL)治療法がBreakthrough Therapyに指定された。 Link  »  ノバルティス

オプジーボとヤーボイの 併用療法により脳転移のある進行黒色腫患者の21%が頭蓋内完全奏効を達成

 ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)の、抗PD-1 抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と抗CTLA-4 抗体ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を評価した第2 相CheckMate-204 試験の有効性データがASCO2017で報告され、脳転移を有する進行性黒色腫患者における抗腫瘍活性が示された。  脳転移を有する悪性黒色腫患者75人において、主要評価項目の頭蓋内(IC)における臨床的有用率 [CBR;clinical benefit rate、完全寛解(CR)+部分寛解(PR)+6ヵ月以上の病勢安定(SD)の割合の和と定義]は、フォローアップの中央値9.2 ヵ月において60%(95%CI:48–71)であった。安全性プロファイルは、脳転移の見られない黒色腫患者において従来から報告されたプロファイルと同様で一貫していた。治療に関連するグレード3~4の有害事象(TRAEs)が、患者の52%(39人)に発生、うち8%(6人)に頭痛を含む神経性AEs が発生した。治療に関連する死亡が3人、心原性ショック、頭蓋内出血および悪性新生物の進行によるものであった。 Link  »   PD-1阻害剤      小野薬品  BMS ブリストルマイヤーズースクイブ