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ロシュのADC抗がん剤Kadcyra(T-DM1)が乳がん治療薬としてFDA承認を取得 [2/22]

乳がん治療薬KADCYRA はハーセプチンに強力な化学療法剤をリンカー(接続分子)で組み合わせた抗体・薬物複合体(ADC、Antibody-Drug Conjugate)である。HER2陽性のがん細胞に抗体医薬として結合し、細胞内に取り込まれるとDM1を放出して細胞を破壊する。悪性度の高い「HER2陽性・転移性乳がんの治療薬として初めてFDA 承認を取得したADC」である。FDA は2年前に、武田薬品の子会社Millennium がSeattle Genetics と共同開発したADC剤のホジキンリンパ腫治療薬ADCETRIS を承認している。Seattle Genetics のリンカー技術はロシュも提携契約を結んでおり、「次世代」抗体医薬の開発を一段と加速している。

グローバル大手製薬企業10社のうち8社が減収:主力製品の特許切れによる「パテントクリフ」が2012年決算を直撃

グローバル企業の2012年決算は主力製品の特許終了が影響し、大手10社のうち8社で連結売上高が減少、うち3社は2ケタの大幅減収だった。2011年世界売上トップのコレステロール低下薬リピトール(ファイザー)、2位の抗血小板薬プラビックス(BMS/サノフィ)、9位の抗精神病薬セロクエル(AZ)の特許が終了、「2012年問題」として懸念されてきたとおりの惨状となった。連結売上はBMSが17%、AZが15%、ファイザーが10%と大幅に減少した。しかし、12年のファイザーの株価は15%上昇し、2年間の累積上昇率は42%となり、サノフィ(48%)に続く2位だった。BMSも2年間で20%上昇、NY市場の上昇率12%を上回った。いつもながら気の早い株式市場は「パテントクリフを乗り越える高分子シフト」の成功を織り込んできたようだ。一方、抗リウマチ薬fostamatinibが難航するなど、高分子医薬品の開発に遅れたAZの株価は2年間横ばいだった。

ファイザーから分離独立した動物薬子会社Zoetisの株価も好調、動物薬事業をもつ米メルクにも注目が集まる [2/2]

ファイザーの子会社Zoetisはアニマルヘルス事業が独立、2月1日にNYSE上場。株価は売り出し価格の上限25ドルを上回る26ドルから始まり、初日から31ドルを超えた。アボットとAbbVieの場合は資本関係も含めて完全な別会社となったが、ファイザーは依然としてZoetis株の83%を保有する親会社である。持分の17%を放出するだけで調達額は22億ドル(2000億円)に達し、株式公開(IPO)は大成功だった。メルクも非医薬品事業IPOの可能性が投資家の関心を集めた。動物薬事業の12年売上はメルクが34億ドル、ファイザーが43億ドルで連結構成比はどちらも7%だった。たまたまZoetis上場の翌日に行われたメルクの12年決算説明においてCEOのフレージャー氏は動物薬事業の温存を表明、厳しい業績見通しも重なり、株価は3%下落した。

アストラゼネカ(AZ)とブリストル・マイヤーズ(BMS)が糖尿病領域の販売組織を統合する計画を発表 [2/1]

AZとBMSの糖尿病領域提携が新しい段階に入った。両社が共同開発してきたSGLT2阻害剤FORXIGAが昨年11月に欧州で承認された。すでにDPP4阻害剤Onglyzaを共同販売してきたがFirst-in-classの製品を上市するのは初めである。米国での承認はまだ先となるが、「糖尿病カンパニー」は米国フィラデルフィアを本拠地として数百名規模で新設される。ロシュ医薬品部門のCOO(最高執行責任者)から転じて、昨年10月にAZのCEO(最高経営責任者)に就任したソリオ氏による経営刷新の一環でもあるようだ。新CEOは成長回復を実現するため、市場としては「日本」と「新興国」、治療分野としては「呼吸器」と「糖尿病」の重点化を表明している。