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1月, 2015の投稿を表示しています

プロテアソーム阻害薬カイプロリス(KYPROLIS)の承認申請をアムジェンが欧米当局に提出

アムジェンとその子会社Onyx pharmaceuticals, Inc.は、再発性多発性骨髄腫の治療を適応として、プロテアソーム阻害薬のカイプロリス(一般名:カーフィルゾミブ、carfilzomib)の承認申請を欧米規制当局に提出した。 FDAに対しては2011年9月に新薬承認申請(NDA)を提出し、オーファン指定を受けて2012年7月に加速承認されていた( ➜ per news )。しかし、サロゲートエンドポイントとして「奏効率」を用いていたことから、「生存期間の延長」あるいは「症状の改善」などで臨床的ベネフィットを証明する義務を負っていた。また、ベルケイド(武田薬品/J&J)などの他剤が無効となった患者への2ndライン治療としての承認であり、今回の一変申請(sNDA)により、標準承認に切り替える必要があった。EUへは初めての販売承認申請(MAA)であるが、2008年に希少病薬の指定をECから受けている。 申請の根拠とした試験は、国際共同、無作為化、第3相試験のASPIRE試験で、この試験では1~3回の前治療歴のある再発寛解型多発性骨髄腫患者792例を対象に、カイプロリス+レナリドミド+低用量デキサメタゾン併用療法と、レナリドミド+低用量デキサメタゾン併用療法を比較した。

サノフィ/リジェネロンのコレステロール低下剤alirocumabの第3相試験で結果発表

サノフィとRegenoron Pharmaceuticals, Inc.(リジェネロン)は、共同開発中のコレステロール低下剤alirocumab(アリロクマブ)の高コレステロール血症を対象とした2件の第3相試験(ODYSSEY CHOICE 1試験とODYSSEY CHOICE 2試験)において、主要有効性評価項目を達成したと発表した。アリロクマブは、PCSK9(前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)を標的とするモノクローナル抗体である。PCSK9は、主に肝臓・腎臓・小腸で発現している分泌タンパク質で、LDL受容体に直接結合してその分解を促進する。 ODYSSEY CHOICE 1試験では、中等度または重度の心血管系リスクを有する高コレステロール血症患者803例を対象とし、有効性と安全性についてアリロクマブ(300mg/4週ごと)とプラセボを比較した。68%の患者ではスタチンにアリロクマブを上乗せしている。 ODYSSEY CHOICE 2試験では、重度の心血管リスクを有する、あるいは2種類以上のスタチンに不耐容の既往がある高コレステロール血症患者233例を対象とし、有効性と安全性についてアリロクマブ(150mg/4週ごと)とプラセボを比較した。 [参考]   PCSK9阻害剤の開発で先行するアムジェンはモノクローナル抗体evolocumab(エボロクマブ)を2014年8月28日にLDLコレステロール低下剤としてFDAにBLA申請、また2014年10月17日には、リジェネロンとサノフィを特許侵害を理由に提訴し、2社にアリロクマブの製造・使用・販売の差し止めを求めている。

アステラスの抗真菌剤クリセンバをFDA諮問委員会が承認勧告

FDA感染症薬諮問委員会(AIDAC)は、アステラス製薬が承認申請したアゾール系抗真菌剤isavuconazonium(イサブコナゾニウム、予定製品名:クリセンバCRESEMBA)のカプセルおよび静注用製剤を審議し、「侵襲性アスペルギルス感染症」に関しては満場一致で、「侵襲性ムコール感染症」に関しては賛成8、反対2、棄権1、で承認勧告を採択した。投与法は、負荷用量200mg(1日3回)を48時間継続後、維持療法として200mgを1日1回投与する。 クリセンバ(CRESEMBA)はアステラスとスイスのBasilea Pharmaceutica International Ltdが共同開発中の抗真菌剤で、認定感染症製品(QIDP)の指定を受け、2014年7月8日にNDAを提出していた。一般名のイサブコナゾニウムは従来のisavuconazole(イサブコナゾール) から変更された。 [参考] 侵襲性アスペルギルス感染症は主に白血病患者などの免疫不全患者で発症する重篤な真菌感染症で死亡率が高い。侵襲性ムコール感染症は比較的まれな疾患だが、免疫不全症、高血糖、鉄過剰血症などの患者の生命に危険をもたらす原因の一つである。

ノバルティスのIL-17A阻害剤コセンティクスが尋常性乾癬治療薬として欧米で承認

ECは、ノバルティスのIL-17A阻害薬コセンティクス®(Cosentyx®:一般名セクキヌマブ、secukinumab)を尋常性乾癬(PPs)治療薬として承認した。1月21日にはFDAも承認したことから、欧米同時承認となった。 適応は、中等度から重度の尋常性乾癬に対する第一選択薬である。他のバイオ医薬品はすべて二次療法として推奨されていることから、一次療法として使用できる唯一のバイオ製剤となる。 EUでは2014年11月20日のCHMP月例会議で承認勧告を採択し、米国では2014年10月のFDA諮問委員会において全会一致で承認勧告を採択している (➔ par news )。 [参考] 乾癬は、慢性の皮膚角化疾患で、その9割を尋常性乾癬が占める。患者QOLに及ぼす影響は、癌、心臓疾患、関節炎、2型糖尿病、うつ病などと同程度に大きいといわれる。痛みは、日常生活に支障をきたし、社会生活にも影響を及ぼしている。  

バイオ医薬品の生産に関してサノフィとベーリンガーが戦略提携を発表

Sanofi Enters Strategic Manufacturing Collaboration with Boehringer Ingelheim To Produce Biologics Sanofi announced today it has entered into a strategic agreement with Boehringer Ingelheim for the manufacture of therapeutic monoclonal antibodies to reinforce Sanofi's manufacturing capacity to support upcoming product launches. Today, 72 percent of Sanofi's Research and Development projects are in biologics, nearly half of which are monoclonal antibodies (mAbs).  Under the terms of the agreement, Sanofi will have access to Boehringer Ingelheim's capabilities in Biberach an der Riss, Germany to transfer and manufacture therapeutic mAbs. Initial product transfers will begin in early 2015. Financial terms were not disclosed.

アストラゼネカの抗血小板薬ブリリンタが大規模アウトカム試験で主要評価項目を達成

アストラゼネカのブリリンタBrilinta錠(一般名:チカグレロルticagrelor)は21,000人以上を対象とする大規模アウトカム試験PEGASUS-TIMI 54試験において、有効性主要評価項目を達成した。この試験の対象は、心筋梗塞の既往歴(1~3年前)に加えて1つ以上の心血管系リスク因子をもつ50歳以上の患者である。試験の主要評価項目は、心血管系死、心筋梗塞または脳梗塞からなる複合イベントで、投与量は60mg錠1日2回、あるいは90mg錠1日2回である。いずれの投与群も低用量のアスピリンを併用した。 PEGASUS-TIMI 54試験は、8万人を対象とする大規模市販後臨床試験プログラム「PARTHENON」の一環として実施された試験で、欧米など31ヵ国の1,100以上の施設が参加した。パルテノン(PARTHENON)プログラムでは主要5試験を異なるタイムスケールで実施している。ソクラテス(SOCRATES、脳梗塞、一過性脳虚血発作)、ユークリッド(EUCLID、末梢動脈疾患)、テーミス(THEMIS、心血管系イベントのリスクが高い2型糖尿病)の各試験が含まれ、心血管系障害を網羅している。ブリリンタは、今後4年間で4つの新規効能の取得を目指している。 [参考] ブリリンタは、cyclo-pentyl-triazolo-pyrimidines(CPTPs)群に属する薬剤で、P2Y12受容体に直接作用し、血小板活性を阻害して急性冠症候群(ACS)患者における心筋梗塞や心血管系死亡などの血栓性心血管系イベントの発生を抑制する。 チカグレロル90mg錠は、米国では2011年に承認され、わが国では現在申請中。米国での適応症は、ACS(不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞、またはST上昇型心筋梗塞)患者における血栓症心血管イベントの発症抑制」である。 第一三共が米国リリーと共同販売する抗血小板薬EFFIENT(一般名プラスグレル)の2014年売上高は5億ドルで横ばいだった。一方、ブリリンタは4.8億ドルへと70%増加しており、2015年中にEFFIENTを逆転する見通しである。

第一三共の株価が急落、抗血液凝固薬SAVAYSAのFDA承認に付された黒枠警告に反応

第一三共が開発したファクターXa阻害剤の抗血液凝固薬SAVAYSA(一般名:エドキサバン)をFDAが承認した(22015年1月8日)。適応症はFDA諮問委員会の承認勧告(2014年10月30日、リンク➔  par news )にそって「非弁膜症性心房細動患者における脳卒中(SPAF)及び全身性塞栓症(SE)のリスク低減」及び「静脈血栓塞栓症(VTE)(深部静脈血栓症及び肺塞栓症、DVT/PE)の治療」となった。ただし、「クレアチニン・クリアランスが95以上」の患者では他の抗凝固薬を選択するよう指示された。1月9日の株価急落(-5%)はこの黒枠警告に反応したようだ。 クレアチニン・クリアランス(ml/min)の正常範囲は男性90-120、女性80-110だが腎機能障害などにより低下する。SAVAYSAを処方する医師はクレアチニン・クリアランスを事前に測定することが義務付けられ、正常値の場合はその患者に投与できなくなる。非常に不思議な指示である。先行して発売されているベーリンガーのPRADAXA(日本名:プラザキサ)やバイエルとJ&Jが共同販売するXAELTO(日本名:イグザレルト)で腎機能が問題とされたことはなかった。 リンク ➔ 新薬開発(第一三共)  ➔ 新薬開発(循環器系)  

Xa阻害剤イグザレルトと抗凝固能中和剤剤andexanet alfaの第3相試験で主要評価項目達成

Portola Pharmaceuticals(Portola)の抗凝固能中和剤andexanet alfa とファクターXa 阻害剤リバロキサバン (商品名:XARELTO、イグザレルト)の第3 相ANNEXA-R 試験において主要評価項目が統計学的有意差を以って達成された。andexanet alfaは、2013年にFDAからBT指定を受けていた。 第3 相ANNEXA-R 試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験で、50~75歳の健康成人にイグザレルトで誘導した抗凝固状態を回復させるためにandexanet alfaを投与し、安全性と有効性を評価する試験である。主要評価項目は抗FXaレベル、副次評価項目は血漿中の遊離イグザレルトレベル、トロンビン生成レベルなどである。イグザレルト20 mg/日を4 日間投与後、Cmax の時点でandexanet alfa 800 mgを急速静注(27例)、またはプラセボ(14例)を投与したところ、主要評価項目が有意に達成された。 この試験結果から、andexanet alfaがファクターXa阻害作用を有する抗凝固剤に対するユニバーサルな中和剤として使用することができることが示された。これまでに、アピキサバン(商品名:エリキュース)、エドキサバン(商品名:リクシアナ)、およびエノキサパリン(商品名:クレキサン)などでも有効であることが確認されている。