投稿

3月, 2015の投稿を表示しています

リキッド・バイオプシー(続報):未治療びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のバイオマーカー

NCI研究所癌研究センターリンパ性悪性疾患部門の研究チームが、未治療びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者における血中循環腫瘍DNA(ctDNA)がバイオマーカーとして有用であることをLancet Oncologyオンライン版に発表した。 DLBCLの再発の検出は、現在、CTスキャンやinterim PETなどの画像診断でモニターされている。今回報告された研究では、未治療DLBCL患者126例を対象として、シーケンシング技術を用いてctDNAを分析した。すべての対象は、1993年5月~2013年6月にリツキシマブおよびEPOCH(エトポシド/プレドニゾン/ビンクリスチン/シクロホスファミド/ドキソルビシン)を含む薬物療法を受けていた。CTスキャンで再発と診断される3.5ヵ月前(中央値)に、ctDNA検査により疾患の再発を検出することができた。ctDNA検査により、CTスキャンの回数を削減して放射線被曝量を減らし、医療費を軽減できると期待される。さらに、ctDNAレベルは治療に反応しないハイリスク患者を特定するためのバイオマーカーとしても有望と考えられている。

トムソン・ロイターがブロックバスター候補の新薬11品目を選出

今後5年間で年間売上高が10億ドルを超えるブロックバスターとなりそうな新薬11品目のリストをトムソン・ロイターが発表した。1位は小野薬品が創製し、ブリストル・マイヤーズが共同開発するPD-1阻害剤の腫瘍免疫治療薬「オプディーボ」で、5年後(2019年)の売上高を56億ドル(6800億円)と予想している。 2位はコレステロール低下剤としてサノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤の抗体医薬「アリロクマブ」alirocumabで予想は44億ドル(5200億円)。同様のPCSK9阻害剤で先行して申請段階にあるアムジェンの「エボロクマブ」evolocumabについては18億ドル(2100億円)と一段低い予想となっている点が興味深い。 PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。日本ではアステラス製薬との合弁子会社「アステラス・アムジェン・バイオファーマ」が2015年3月に承認申請した。 実は、臨床段階ではサノフィ陣営が大きく先行していた。2011年のAHA(米国心臓病学会)ではアリロクマブのフェーズ2の好結果が発表されて注目を集めたが、エボロクマブはその時点ではまだP1段階だった。このような経緯から、「学会での認知度に差があり、これから市場浸透の段階で逆転が見込まれる」、という予想なのか(?)注目したい。 3位以下は次の通り: LCZ-696(ノバルティス、慢性心不全、37億ドル)、イブランス(ファイザーpalbociclib、乳がん、27億ドル)、ルマカフトール(バーテックス、嚢胞性線維症、27億ドル)、ヴィエキラ・パック(アッヴィ、C型肝炎、25億ドル)、エボロクマブ(アムジェン、高コレステロール血症、18億ドル)、ガーダシル9(メルクMSD、HPVワクチン、16億ドル)、ブレクスピプラゾール(大塚製薬、統合失調症、13億ドル)、Toujeo(サノフィ、時効型インスリン、12億ドル)、セクキヌマブ(ノバルティスCosentyx、乾癬、10億ドル) 選出された11品目のうち7品目が抗体医薬、ペプチドホルモンなどの「バイオ医薬品」だった。のこる「低分子医薬品」4品目のなかではノバルティスの慢性心不全治療薬LCZ-696が最も注目される。世界初のネプリライシン(NEP)阻...

尋常性乾癬のP3試験でセクキヌマブ(ノバルティス、製品名Cosentyx)がステラーラに優越性を示す

尋常性乾癬を対象とした第III相臨床試験CLEAR試験において、コセンティクス(一般名:セクキヌマブ、ノバルティス)が、ステラーラ(一般名:ウステキヌマブ、ヤンセン)に優越性を示したことが、サンフランシスコで開催された第73回米国皮膚科学会(AAD)のLate-Breaking sessionで報告された。 コセンティクスは、世界初のインターロイキン−17A(IL-17A)阻害剤で、米国では2015年1月に成人尋常性乾癬に対して承認された(➜ per news )。日本では、2014年12月に世界に先駆けて尋常性乾癬と関節性症乾癬の適応で承認され、2015年2月27日に発売された。国内ではマルホが販売する。 CLEAR試験:中等症から重症の尋常性乾癬患者679例を対象として、コセンティクスとステラーラの有効性を長期の安全性と忍容性を比較した。北米、欧州、アジア、オーストラリアの24ヵ国が参加した。日本はこの臨床試験に参加していない。主要評価項目の投与16週の時点におけるPASI90は、コセンティクス群79.0%、ステラーラ群57.6%で、コセンティクス群のほうが有意に高かった(p<0.0001)。また、16週の時点の完全寛解(PASI100)率は、44.3% vs. 28.4%で、コセンティクス群のほうが有意に高かった(P<0.0001)。 (参考)ジョンソン&ジョンソンが2014年決算で計上したステラーラのグローバル売上高は前年比27%増加して21億ドルとなった。インターロイキン−の12と23に対する阻害剤で米国で2009年、日本で2011年に承認された。

サノフィの抗PCSK9抗体アリロクマブのODYSSEY LONG TERM試験がNEJM誌に掲載

サノフィと Regeneron が共同開発中の抗 PCSK9 抗体のアリロクマブ alirocumab (商品名: PRALUENT)のODYSSEY LONG TERM試験の結果が3月22日発行のNEJM誌に掲載された(➔  par news )。 ODYSSEY LONG TERM試験は、心血管系イベントリスクの高い高コレステロール血症患者2,341例を対象として、アリロクマブ150mgを2週ごとに投与する群とプラセボ群を18ヵ月間(78週)にわたり比較する試験である。 アリロクマブ群(1,553例)は、プラセボ群(788例)と比較して、主要評価項目である24週時点のLDL-Cを62%低下させ(p<0.0001)、この作用は78週にわたり持続した。78週時点のLDL-Cの低下率は56%であった(p<0.0001)。 心血管系イベントの評価はODYSSEY LONG TERM試験の目的ではないが、主要心血管系イベント(死亡、心筋梗塞、脳卒中、入院を要する不安定狭心症)の発現は、アリロクマブ群1,550例中27例(1.7%)、プラセボ群788例中26例(3.3%)であった(HR:0.52、95%CI:0.31-0.90、p<0.01)。約18,000例を対象としてアリロクマブの循環器弛緩に対する有用性を5年間にわたり評価するODYSSEY OUTCOMES試験が現在、継続して行われている。 (参考) FDAへの承認申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。「優先審査」は小児の希少病治療薬開発に関してFDAがバイオマリン社に賦与した「バウチャー(証票)」を買い取って権利を得ていた。競合するアムジェンの「エボロクマブ」のFDA申請は昨年8月に提出していたが受理されたのは3カ月後の11月10日だった。通常審査とされ、PDUFA期限は8月27日となっている。

アムジェンが開発中のコレステロール低下薬(抗PCSK9抗体)REPATHA(evolocumab)が心血管系イベントを抑制

アムジェンが開発中の抗PCSK9阻害剤の新規LDL-C低下薬Repatha(一般名:evolocumab)の第2相試験(OSLER-1)および第3相試験(OSLER-2)の結果が第64回米国心臓病学会(ACC.15)のLate-breaking sessionで報告され、New Engl J Med誌にも掲載された。 OSLER-1試験とOSLER-2試験は、evolocumab投与の長期的影響を評価するオープンラベル延長試験である。evolocumab(140 mg、2週に1回、あるいは420 mg、1回、1年間投与)と標準療法を併用する群(2,976例)と標準療法群(1,489例)を比較した。死亡、心筋梗塞、入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術、入院を要する脳卒中と一過性脳虚血性発作または心不全を含む心血管イベントの発現率は、evolocumab併用群では0.95%で標準療法群の2.18%と比較して低下した。年齢、性別、スタチン使用などのサブグループでも同様であった。また、evolocumab併用群では標準療法群と比較して、LDL-C値の中央値が61%低下した。 (参考)PCSK9阻害剤の開発競争ではアムジェンが先陣を切って昨年(2014年)8月にFDAに申請、ほぼ同時にサノフィを特許侵害で提訴している。サノフィがリジェネロンと共同開発しているPCSK9阻害剤「アリロクマブ」alirocumabのFDA申請は今年(2015年)1月26日付で審査期限6ヶ月の優先審査で受理され、PDUFA期限は7月24日となった。アムジェンのRepathaは通常審査でPDUFA期限8月27日となっており、FDA承認では逆転される可能性が高くなっている。

バイエルが医薬品事業の成長を加速、2017年目標は250億ユーロ(3.3兆円)

2014年度の医療用医薬品は前年比7.7%増加して120億ユーロ(1兆6000億円)を超え、微増だった大衆薬80億ユーロ(1兆円)を加えた「医薬品事業(ヘルスケア)」はほぼ200億ユーロ(2兆6000億円)となった。250億ユーロの2017年計画は3年間で25%(50億ユーロ、6500億円)の拡大、年率では7.7%の成長目標となる。 昨年9月に買収した米国メルクの大衆薬事業(2000億円)が加わるので、医療用医薬品では4500億円の拡大を見込む計算だ。抗血液凝固薬イグザレルト、加齢黄斑変性症治療薬アイリーア、肺高血圧症治療薬アデムパス、抗がん剤のスチバーガ(大腸がん)とゾフィーゴ(前立腺がん)、といった最近の新薬が好調。2015年度はこの新薬5製品が合計で11億ドル(1300億円)増加して40億ドル(4800億円)に達する見通しだ。 「医療用」医薬品だけでも、2017年には200億ドルを超えてグローバル企業ランキングでトップ10に入る可能性がでてきた。2014年は15位だった。非医薬品事業については昨年9月、高機能プラスチックなどの「マテリアル・サイエンス」事業を独立の上場企業として分離する計画を発表している。マテリアル・サイエンスは2014年度に116億ユーロ(1兆5000億円)を売上げ、連結構成比は28%と、医療用医薬品29%とならぶ主要事業だった。 参考 ➔ 【経営分析】バイエル  ➔  【業界動向】 グローバル企業ランキング

米国で初のバイオシミラー製品となるフィルグラスチム-サンドをFDAが承認

 FDAはノバルティスの後発品専業子会社サンドがBLA申請していたバイオシミラー製剤ZARXIO(フィルグラスチム-サンド、EP2006)を承認した。米国で承認された最初のバイオシミラー製剤となったZARXIOは、1991年に米国で承認されたアムジェンのNEUPOGEN(フィルグラスチム)と同一の効能が承認された。 [参考]  バイオシミラー製剤は、既承認製品(先行バイオ医薬品)と高度に類似していることを示すことにより承認されるが、安全性と有効性に関しては臨床試験により、先行品と有意な差がないことを証明しなければならない。今回、米国で承認されたサンドのバイオシミラー製品は欧州と日本ではすでに承認されていたが、米国での承認は遅れていた。

オプジーボの進行扁平上皮肺癌の効能追加を申請受理から3日でFDAが承認

 FDAはブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)と小野薬品が共同開発中の抗PD-1受容体抗体「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ、nivolumab)の進行性扁平上皮肺癌に対する効能追加を申請受理後3日で承認した。  「プラチナベースの化学療法で治療中」または「治療後に進行が認められた」転移性肺扁平上皮癌の治療としての承認は、オプジーボとドセタキセルを比較した第3相試験CheckMate-017試験が根拠となった。生存期間(OS)中央値はオプジーボ群9.2ヵ月、ドセタキセル群7.3ヵ月となり、死亡リスクが41%低下した。治療歴のある転移性肺扁平上皮癌にたいして、オプジーボは患者の生存期間を延長した、最初のPD-1抗体である。 [参考]  FDAは2013年にオプジーボの進行性扁平上皮癌と悪性黒色腫の治療をファスト・トラックに指定し、2014年には悪性黒色腫とホジキンリンパ腫の治療をBT指定した(➜ par news )。2014年12月22に、切除不能の転移性悪性黒色腫の治療薬として承認した。肺の進行扁平上皮癌の申請資料の 一部は2014年4月に提出されていた。日本では、悪性黒色腫に対する承認を2014年7月に、世界に先駆けて取得している(➜ par news )。