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アストラゼネカの第1四半期決算、抗血小板薬「ブリリンタ」が貢献

2015年第1四半期決算を発表、ブリリンタが貢献している。最大製品のコレステロール低下薬「クレストール」の減少が続くものの連結売上げ高は1%増加した。全体の56%を占める成長品目(Growth Platform)に限ると13%の増加だった。ブリリンタは前年比45%増加して1.3億ドル(150億円)となった。米国で順調、市場シェアは9%を超えて、7%台に低下したLilly/第一三共のエフィエントを逆転した。新発売のPARP阻害剤の卵巣がん治療薬「リンパルザ」の売上げは10億円(1-3月、$9m)だった。 [ リンク ]   アストラゼネカ  ➔経営分析

BMS/小野薬品の抗PD-1抗体オプジーボのEU承認をCHMPが勧告

ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)と小野薬品が開発中の抗PD-1抗体オプジーボOpdivo(一般名:ニボルマブnivolumab)に対してEMA/CHMP(欧州医薬品庁の医薬品評価委員会)は進行性悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬として承認を勧告した。未治療のメラノーマ患者を対象としたCheckMate-066試験(➜ par news )、およびYervoy(一般名:イピリムマブipilimumab)の治療歴のあるメラノーマ患者を対象としたCheckMate-037 試験の結果が承認勧告の根拠となった。 [参考] オプジーボが欧州で最初に承認されるPD-1阻害剤となりそうだ。米国では2014年12月に申請から3か月という短期間で承認されたものの、メラノーマに絞って先行申請していたメルクのキートルーダの承認から3か月遅れた。しかし日本では2014年7月に悪性黒色腫を適応症として承認され、オプジーボが世界初のPD-1阻害剤となった(➜ par news )。2015年3月には非小細胞肺癌に対してFDAが申請受理とほぼ同時に承認した(➜ par news )。さらに、大腸がん、血液がん、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)など幅広く、複数がん腫での臨床試験を進めている。 [ リンク ] 新薬開発  ➜PD-1阻害剤   ➜悪性黒色腫

レミケードのバイオシミラーがノルウェーで市場シェア50%を獲得

 バイオシミラー製品については開発段階、製造段階でのコスト問題が負担となり、価格はオリジナル製品の70%程度までしか下げられないと言われてきた。  しかしノルウェー市場では、韓国のセルトリオンから抗TNFα抗体レミケードのバイオシミラー製品を導入したオリオン・オイ社が低価格戦略に転換して価格をオリジナル製品の20%にまで引き下げた。その結果、市場シェアは50%にまで拡大したと報じられている(ブルーンバーグ4月22日)。  2014年2月に、オリジナル製品に対する値引き率を39%として発売したが市場シェアは7%程度で低迷していた。 [ リンク ]  バイオシミラー  ➔業界動向

アッヴィのPARP阻害剤ベリパリブがイリノテカンとの併用でトリプルネガティブ乳癌に奏効

米国癌学会(AACR2015)において、アッヴィが開発中のPARP(poly ADP-ribose polymerase)阻害薬ベリパリブveliparibとイリノテカンの併用療法のトリプルネガティブ乳癌(TNBC)に対する第1相試験の結果が報告され、良好な忍容性が示された。また、24例中20例で治療効果が評価され、そのうち生殖細胞系BRCA遺伝子変異陽性(gBRCAm)のTNBC患者8例中7例(88%)でPRが認められた。カルボプラチンとの併用でトリプルネガティブ乳がん620症例を目標とするP3試験を昨年(2014年)1月に開始した (→ per news )。 今回、症例数は少ないが高い奏効率が認められたことは注目される。 PARPは1本鎖DNA損傷を修復する酵素である。PARP阻害薬は、主にPARP酵素活性を阻害してDNA修復を抑制する。一方、BRCA1/2は2本鎖DNA切断を修復する。BRCA1/2に遺伝子変異のある癌細胞では、PARP阻害によりDNA修復が抑制されるとBRCA1/2による修復ができないためアポトーシスが引き起こされる。BRCA1/2が正常な細胞は、PARPが阻害されても細胞死に至ることはないと考えられている 。 昨年(2014年)12月にアストラゼネカのリンパルザ(Lynparza、一般名olaparib)がPARP阻害剤として初めて、卵巣がん治療薬として承認されている。 [参考] 乳がん治療薬市場は69億ドル(8200億円、2014年)を売上げるロシュのHER2阻害剤ハーセプチンの独占状態が続いている。TNBCは原発乳がんの15%程度と言われるがエストロゲン、プロゲステロンのホルモン感受性とHER2発現が陰性なのでハーセプチンの効力は期待できない。 ノバルティスのmTOR阻害剤アフィニトール(2012年7月効能追加)、ファイザーのCDK4/6阻害剤イブランス(2015年2月FDA承認)など新しいメカニズムの新薬に注目が集まっている。PARP阻害剤の乳がん適応ではサノフィはイニパリブ(iniparib)が先行していたが2013年6月に開発中止となった。 [ リンク ]   乳がん  ➔ 新薬開 発   ➔ 市場動向

Lillyのイキセキズマブ、乾癬性関節炎に対して改善効果

Eli Lillyが開発中の抗IL-17A抗体イキセキズマブixekizumabが、活動性乾癬性関節炎(PsA)患者を対象とした第3相試験(SPIRIT-P1試験)において、関節炎の有効性評価基準であるACR20達成率で、プラセボに対する統計学的優越性を示した。 PsAは、皮膚疾患である乾癬に、腫れと痛みを伴う関節炎を合併する疾患で、爪病変や身体的機能障害が生じることもある。PsAは、一般人口集団では0.3~1%、乾癬患者の10~30%に認められる。 SPIRIT-P1試験では、疾患修飾性抗リウマチ生物学的製剤(bDMARDs)による治療歴のない活動性PsA患者を対象とし、イキセキズマブ160mg皮下投与(開始用量)後、80mg(2週に1回)あるいは40mg(4週に1回)投与した群とプラセボを比較した試験である。イキセキズマブ群で関節症状がプラセボ群より優位に改善された。 [ リンク ]i  Eli Lilly  ➔ 経営分析 [ リンク ]i   新薬開発  ➜乾癬

BMS-小野薬品がオプジーボの肺癌に対する第3相試験を好成績から早期終了

ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)はオプジーボ(一般名:ニボルマブnivolumab)の非小細胞肺癌(NSCLC)を対象とした第3相CheckMate-057試験を早期に終了した。対照群と比較してすぐれた全生存期間(OS)延長が認められたため、独立データモニタリング委員会(DMC)が試験の早期終了を勧告した。 CheckMate-057試験では、前治療歴のある進行または転移性非扁平上皮性NSCLC患者582例を対象として、オプジーボ(3 mg/kg、2週に1回)とドセタキセル(75mg/m2、3週に1回)を比較した。主要評価項目はOS、副次的評価項目は奏効率、無増悪生存期間(PFS)などである。DMCにより行われた臨床試験の有効性評価で、対照のドセタキセル群と比較してオプジーボ群のOSが有意に優れていたことから早期終了が勧告された。 (参考) FDAは先月(3月)に、オプジーボの進行扁平上皮肺癌の効能追加を申請受理から3日で承認している。 CheckMate-017試験が承認の根拠となった。 (2015年3月4日水曜日)➜ per news [ リンク ]  新薬開発  ➜PD-1阻害剤   ➜肺がん

アムジェンの慢性心不全治療薬イバブラジンをFDAが承認

FDAは、アムジェンの慢性心不全治療薬Corlanor(一般名:イバブラジンivabradine)を承認した。  適応症は、「安静時の心拍数が70拍/分(bpm)以上」の、「βブロッカー(最大耐用量)を使用中」あるいは「βブロッカーが禁忌で、かつ左室駆出率が35%以下」の、「安定した症候性慢性心不全患者」における、「心不全の悪化による入院リスクの低減」、である。  イバブラジンは、Ifチャネルを選択的に阻害して、心洞結節の自発ペースメーカー活性を抑制する。心臓ペースメーカーの役割を演じている過分極活性化環状ヌクレオチド感受性チャネルをブロックし、左室再分極および心筋収縮力には影響を及ぼさない。 承認の根拠: 第3相SHIFT試験では、左室駆出率が35%以下の心不全患者6,500例を対象として、βブロッカーを含む標準療法にイバブラジンあるいはプラセボを上乗せして比較した。複合主要評価項目である心不全による入院、あるいは心血管系死の相対リスク(RRR)をイバブラジンは18%低下した。 (参考) 米国では約570万人が心不全に罹患していて、今後、さらに増加すると予測されている。米国では心不全の医療費の大部分を入院費が占めており、入院リスクの減少はコスト削減の面で期待される。

2014年の米国医薬品市場は44兆円へ前年比10%増加

2014年の米国医薬品市場は前年比10%増加して3,739億ドル(44兆円)となった(IMS発表➔  市場動向 )。名目ベースの増加率13%は前年(2013年)の3%を大きく上回り、2001年17%に次ぐ高水準、1年間の増加金額430億ドル(5兆円)は記録を塗り替えた。 昨年発売された新薬数は近年の記録となる42品目に上ったが新薬による増加額200億ドル(2.4兆円)の大半はC型肝炎治療薬によるものだった。高価格設定の問題もあるが、C型肝炎の受診患者数が前年比10倍近くまで増加した影響も大きかった。 ブランド製品の平均値上げ率は13.5%に上った。しかし、リベートや出荷後値引きを合算すると実質は5-7%の値上げだった。特許期間終了(パテントクリフ)による市場縮小119億ドル(1兆4000億円)は、ピークとなった2012年の293億ドル(3兆5000億円)から大きく減少している。

バイオ医薬品に対する後発品参入の動きが本格化

バイオ医薬品に対するジェネリック開発については低分子医薬品の場合とは異なり、 1) 細胞由来のタンパク成分であるため、先発品に対してシミラー(同等)であっても同一ではない 2) バイオシミラー製品では成分名を先発品と同一にできない可能性がある 3) 後発品でありながらも製造設備への多大な初期投資が必要となる といった困難が指摘されてきた。(Financial Times 4/8記事) 低分子の大型医薬品が相次いで特許終了となった「2006年問題」、「2012年問題」をバイオ医薬品に焦点をあてた「高分子シフト」で乗り越えてきた先発品メーカーにとって「パテント・クリフは過去のもの」という、株式市場の楽観論にはこのような背景があった。 ところが米国で「Affordable Care Act of 2010」が成立し、バイオシミラーに対する行政面の障害はかなり取り除かれたようだ。FDAは今年(2015年)3月に米国で初めてのバイオシミラー製品となるザルジオ(ZARXIO、フィルグラスチム-サンド)をアムジェンのNEUPOGEN(フィルグラスチム)と同一の効能で承認した。 バイオシミラーの次の標的となっている抗リウマチ薬レミケードに対しては、すでにアムジェン、ファイザー、バイオジェン、といった大手企業が莫大な資金を投下して準備を進めている。バイオシミラーの脅威に対するこれまでの楽観論を見直す必要がありそうだ。 [ リンク ]  バイオシミラー  ➔業界動向 投稿者  三島 茂   時刻:  20:34   0 件のコメント: 

Clovis OncologyのPARP阻害薬ルカパリブをFDAがBT指定

FDAは米国Clovis Oncologyが開発中の経口ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬ルカパリブrucaparibを、BRCA変異陽性の少なくとも2種のプラチナベース化学療法を受けている卵巣癌[生殖細胞系BRCA(gBRCA)および体細胞系BRCA(sBRCA)変異陽性を含む]患者に対する単剤療法としてBT指定した。 ルカパリブは、PARP1およびPARP2の双方を強力に阻害する。BT指定は、ARIEL2試験などの中間解析の結果に基づいている。ARIEL2試験は、再発性白金感受性卵巣癌患者206例を対象としたオープンラベル第2相試験では、DNAシーケンシングを用いて各腫瘍のルカパリブに対する感受性を予測する。中間解析では、BRCA変異陽性患者の70%(16/23)がRECISTおよび/またはCA-125規定の奏効に達したと報告された。DNAシーケンシングを用いた解析において、BRCA様HRDシグネチャーを示す患者ではルカパリブに対する高い感受性が予測された。 (参考) アストラゼネカのリンパルザ(Lynparza、一般名olaparib)がPARP阻害剤として初めて、昨年(2014年)12月に卵巣がん治療薬として承認された。PARP阻害剤で先行していたサノフィはイニパリブ(iniparib)を卵巣がん、乳がん、肺がんの治療薬としてP3段階まで進めたが2013年6月に開発を中止した。PARP阻害剤の乳がん治療薬としては アッヴィ(AbbVie) のベリパリブ(veliparib、ABT-888)が2014年1月にP3試験を開始している。