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8月, 2017の投稿を表示しています

FDA、ADC 薬MYLOTARGをCD33陽性AML 治療薬として再承認

FDA は、CD33 発現陽性の、新たに診断された成人の急性骨髄性白血病(AML)患者の治療薬として、抗CD33 ADC薬MYLOTARG(一般名:gemtuzumab ozogamicin)を承認した。また、再発又は初回治療に難治性のために無効だった、2 歳及びそれ以上のCD33 陽性AML 患者の治療を再承認した。本剤は希少病薬の指定を受けていた。 MYLOTARG は、2000 年5 月に加速承認制度の下で、再発を経験した60 歳以上のCD33 陽性AML 患者に対する単剤療法として承認された。2010年、ファイザーは臨床上のベネフィットを証明する第3相試験(SWOGS0106)において、治療に関連した肝静脈閉塞症(VOD)を含む副作用により、MYLOTARG 群の致死率が有意に高まったため、自主的にMYLOTARG の承認を取り下げた。当時、用法用量は9 mg/m2の高用量を使用していた。 承認申請の根拠とした臨床試験では、化学療法との併用療法および単剤療法が検討された。MYLOTARG の1回の投与量を1/3 の3 mg/m2に減量して再評価した。 1) 化学療法との併用療法: CD33陽性AMLと新たに診断された271人の患者を、MYLOTARG と化学療法(ダウノルビシン+シタラビン)との併用療法、あるいは化学療法のみの何れかに割付けた。評価項目は、イベントフリー生存率、治療への反応に失敗、病勢進行、無合併症生存率などである。合併症の無い期間は、化学療法単独群では9.5 ヵ月、MYLOTARG と化学療法の併用群では17.3ヵ月であった。 2) 単剤療法:2 本の独立した臨床試験で評価された。① 最初の試験;強化化学療法に忍容性が無い、または強化化学療法を受けないことを選択した被験者237 人を無作為に、MYLOTARG 群または最良支持療法群の何れかに割付けた。試験の評価は、全生存(OS)期間の比較である。MYLOTARG 群の患者と、最良支持療法群のOSは、それぞれ4.9ヵ月と3.6 ヵ月であった。② 第2の試験;一度再発を経験したCD33陽性AML 患者57人を登録した単アーム試験で、被験者はMYLOTARG治療 の1コースを受けた。完全寛解率は26%で、完全寛解持続期間の中央値は11.6 ヵ月であった。 Link  » ファイザー

ノバルティスのCAR-T 細胞療法KYMRIAH (tisagenlecleucel) をFDAが承認

 ノバルティス のCAR-T 細胞療法 KYMRIAH (一般名:tisagenlecleucel)について、小児および25 歳以下の若年成人の難治性あるいは少なくとも2 回再発したB 細胞急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者の治療法として初の販売承認をFDAが認可した。審査はBreakthrough Therapy の指定を受け、優先審査により申請受理から、約7ヵ月で承認された。  KYMRIAHは、遺伝子修飾自家T 細胞免疫療法で、患者個人のT 細胞を用いて製造される、1 種のカスタマイズド製品である。採取した患者のT 細胞を製造センターに送付し、ベクターを用いて新たな遺伝子を挿入する。特異抗原CD19 を発現している白血病細胞を標的にできるキメラ抗原受容体を発現している遺伝子修飾T 細胞を患者に戻し、CD19 陽性癌細胞に対して殺細胞作用を発揮させる。 承認申請の根拠となった、再発・難治性前駆B 細胞ALL の小児と若年成人63 人を対象にした多施設試験における治療開始3 ヵ月以内の総合寛解率は83%であった。  今後、再発・難治性びまん性大細胞型B 細胞性リンパ腫(DLBCL)の効能追加をFDA およびEMA に本年中に申請する予定であり、欧米以外の地域には2018 年の販売承認の申請を予定している。 Link  » ノバルティス

CAR-T/TCR 療法に特化したKite Pharma をギリアドが119 億$で買収

 CAR-T 療法でノバルティスを追うCAR-T/TCR 細胞療法に特化したKite Pharma(Kite)は、ギリアドがKite の全株式を1 株当たり25 日の終値の29%プレミアム付き、現金$180.00 で購入することに両社の取締役会が全会一致で了承し、最終合意に至ったと発表した。  Kite のCAR-T 細胞療法の主力開発品axicabtagene ciloleucelは現在米国でFDA により優先審査の指定を受けてPDUFA審査期限は2017 年11 月29 日に設定されている。EU ではEMA によりPRIME 指定の加速審査制度の下で2018 年には販売承認の取得が期待される。 リンク> CAR T 細胞療法

全遺伝子型(GT1~6)のHCVに対して「NS3/4A+NS5A阻害薬配合剤」をFDAが承認

慢性C型肝炎の成人患者を対象に、グレカプレビル(NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬)/ピブレンタスビル(NS5A阻害薬)の二剤配合剤(G/P)をアッヴィが開発、販売名はMAVYRET(マビレット)となった。リバビリンの併用投与は不要である。HCVの遺伝子型(GT1~6 型)すべてを対象とし、未治療の非肝硬変患者に対しては1 日1 回、8 週間投与の短期治療を可能とした。 Link  » C型肝炎

DDS製剤VYXEOS(ビグゼオス)をAML 1 次療法としてFDAが承認

 Jazz Pharmaceuticals plc (Jazz)が開発した、シタラビン とダウノルビシンを固定比率で配合したリポソーム配合製剤である。FDAは「新たに診断された治療関連急性骨性白血病(t-AML)または骨髄異形成関連の変化を伴うAML(AML-MRC)」の治療薬として承認した。  導入療法としてダウノルビシン44 mg/m2 とシタラビン100 mg/m2 モル比(1:5) のリポソーム製剤を第1 日、第3 日、第5 日目に静脈内投与、地固め療法(強化療法)としてはダウノルビシン29 mg/m2とシタラビン65 mg/m2のリポソーム製剤を第1 日、第3 日に静脈内投与する。  VYXEOS の安全性および有効性は新たに診断されたt-AML あるいはAML-MRC 患者309 人を対象に検討された。登録患者は、VYXEOS またはシタラビン およびダウノルビシンを別々に投与する方法の何れかに無作為に割り付けられた。試験開始以後の生存期間 (OS)は、シタラビンおよびダウノルビシンを別々に投与した場合に比べてVYXEOSのほうが長かった(OS 中央値;VYXEOS;9.56 ヵ月 vs. 併用投与群;5.95ヵ月)。 Link  »  血液がん 、 DDS製剤

移植片対宿主病(GVHD)患者の初の治療薬としてインブルビカ がFDAの追加承認を取得

 1 回又はそれ以上の治療に失敗した慢性移植片対宿主病(cGVHD)の成人患者の初の治療薬として、アッヴィのBTK 阻害剤インブルビカ(一般名:イビルチニブ)の効能追加をFDAが承認した。インブルビカにとって6 番目の承認効能であり、癌以外では最初の効能である。Bruton 型tyrosine kinase (BTK )阻害の幅の広さを示す事例である。本剤についてはPharmacyclics LLC(Pharmacyclics)とヤンセンが共同開発したが、アッヴィ がPharmacyclics を買収したため3 社による共同開発となった。  インブルビカは、BTK を標的にすることにより腫瘍細胞の生存シグナルを阻害して増殖を抑制する。cGVHD の承認は、オープンラベル、多施設、単一群、第1b/2 相PCYC-1129 試験の知見に基づいている、コルチコステロイド1 次療法に失敗し、追加の治療法が必要なcGVHD 患者42 人を対象にイブルチニブの安全性と有効性を評価した。患者の年齢中央値は56 歳(範囲19〜74 歳)、男性52%、白人93%である。  cGVHDと診断後の期間の中央値は14 ヵ月で、cGVHD に対する前治療回数の中央値は2 回(範囲1~3 回の治療)であった。ベースラインの時点で、大部分の患者(88%)は、口(86%)、皮膚(81%)、および消化管(33%)最低2 つの臓器が侵されていた。奏効はcGVHD が発症している全臓器(口、皮膚、消化管、および肝)について観察された。奏効率(ORR)は、67%であった(完全奏効:21%、部分奏効:45%)。48%の患者で持続的な奏効率が少なくとも20 週継続した。 Link  » アッヴィ 、 J&J 、 BTK阻害剤

オプジーボが化学療法治療後に病勢進行したMSI-H/dMMR 転移性大腸癌に対してFDAの追加承認を取得

 ブリストルマイヤーズ スクイブ (BMS)のオプジーボ(一般名:ニボルマブ)のㇷルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカン(FOI)による治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H;microsatellite instability-high)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR;mismatch repair deficient)の転移性結腸直腸癌(mCRC)に対する適応追加をFDAが承認した。加速承認制度の下で、奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)の代替評価項目に基づき承認された。  推奨用量は240 mg で、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、2 週間毎(Q2W)、60 分以上かけて静脈内に投与する。追加承認の根拠とされたCheckMate -142 試験では、FOI治療歴の有る患者53 人において、オプジーボ により28%(95%CI:17 - 42; 53人中15 人)で奏効が認められた。完全奏効(CR)率は1.9%(53 人中1 人)、部分奏効(PR)率は26%(53人中14 人)であった。これらの奏効患者において、奏効期間中央値は未達(範囲:2.8+ - 22.1+ヵ月)であった。全登録患者74人における奏効率は、32%(95%CI;22 - 44;74 人中24 人)であり、CRは2.7%(74 人中2 人)、PRは30%(74 人中22 人)であった。  転移性CRC 患者の約5%において、dMMR またはMSI-H のバイオマーカーが認められる。dMMR は、DNA 複製時のミスマッチエラーを修復するタンパクが欠損または機能していない場合に生じ、CRC を含む特定の癌においてMSI-H の腫瘍が発生する原因となる。dMMR またはMSI-H の転移性CRC 患者は、従来の化学療法でベネフィットを得られない場合が多く、一般的に予後不良とされている。 Link  » 大腸がん   マイクロサテライト不安定性 (MSI-H)

免疫チェックポイント阻害剤療法後に増殖速度が急上昇するHyperprogressors の遺伝子解析

 Clinical Cancer Research 誌に、抗PD-1/PD-L1 免疫チェックポイント阻害剤の治療により、一部の癌患者で癌の悪化が加速されるHyperprogression あるいはHyperprogressiorsと呼ばれる症例が報告された。このような患者の遺伝子プロファイルが特定できれば、免疫療法によるhyperprogression のリスクの高い患者の選別の助けになる。 著者らは、California大学San Diego校 Gustave Roussy 研究所によって最近報告された、前治療に比べて腫瘍増殖および臨床的悪化の速度が異常に加速された{進行が早められた}と思われる患者のサブセットに注目し、免疫療法後の「hyperprogression」に関連する潜在的な遺伝子マーカーの検索を行った。  MDM2 ファミリーの増幅、またはEGFR変異陽性患者の中に、抗PD-1/PD-L1 抗体の単剤療法の治療後に腫瘍の増殖速度が著しく増加した例があった。特にPD-1/PD-L1 開発を主導しているBMS やMerckは、その対策に関する更なる研究を進めることを求められている。