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6月, 2012の投稿を表示しています

アステラス製薬の過活動膀胱治療剤MYRBETRIQをFDAが承認

過活動膀胱治療剤Myrbetriqは世界で初めてのβ 3 アドレナリン受容体作動薬。日本(昨年7月)に続いて米国でも承認。アステラス製薬は抗コリン剤ベシケアとの合計で世界売上1600 億円をめざす。

エーザイが提携するArena社の抗肥満薬ロルカセリン(製品名BELVIQ)をFDAが承認

抗肥満薬BELVIQ は 5月のFDA諮問委員会で承認勧告され、予定通りの承認。エーザイが米州20カ国で販売、米国アナリストの間ではピーク時20億ドル(1600億円)という予想もある。BELVIQと開発競争を繰り広げてきた2品目のうちVivus社のQSYMIAも7月18日に承認された。FDAが抗肥満薬を承認するのはロシュの脂肪吸収阻害剤XENICAL以来13年ぶり。相次いで承認された2品目はどちらも2009年末に申請→諮問委員会の非承認勧告→FDAの承認見送り(CRL)→再申請→承認へと、初回申請からは3年近くを要した。 今なお未承認のOrexigen社のCONTRAVEの方が当初は順調だったがFDAは11年1月に諮問委員会の承認勧告に反してCRLとし、1年後の今年2月に心血管系リスクを評価する追加臨床試験のSPA(Special Protocol Assessment)に合意した。患者組み入れは順調で13年に再申請、14年の承認となりそうだ。 CONTRAVEは既存製品として安全性が確立している2つの成分、オピオイド系の食欲抑制剤ナルトレキソンと抗うつ薬ブプロピオンの合剤。一方、QSYMIAも既発売2成分の合剤だが食欲抑制剤フェンテルミンには心拍上昇、抗てんかん薬トピラマートには催奇形性が懸念されていた。BELVIQの成分ロルカセリンは脳内セロトニン受容体を刺激する新規化合物で、一般論では未知の副作用もあり得た。 この状況で武田薬品が北米販売権を取得したCONTRAVEは最もリスクが少ない選択だった。一方、エーザイがBELVIQで支払った一時金5000万ドル(40億円)はCONTRAVEと同額。エーザイの幸運が際立つ結果となった。

ファクターXa阻害剤の開発競争:ELIQUISの新薬申請、XARELTOのACS追加申請はともに承認見送り [6/25、6/21]

ファクターXa阻害剤ELIQUISに対するFDAのCRLが報じられたが、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)社の株価は微増、株式市場の反応は冷静だった。会社側からは、FDAが問題としたのはSPAF(Stroke Prevention in Atrial Fibrillation、心房細動患者の脳卒中予防)を対象とした大規模臨床試験アリストテレスのデータ管理の詳細で、新たな臨床試験は不要との説明。だが審査期限を3ヵ月延長した上でのCRLからは安全性問題に神経質となっているFDAの様子が伺える。トップを走るバイエルのXARELTOはまず「整形外科手術によるDVT(深部静脈血栓症)抑制」で承認取得、昨年11 月に本命のSPAF効能を追加した。続いて追加申請したACS(Acute Coronary Syndrome、急性冠症候群)は今回非承認となり申請を取り下げた。

Onyx社の多発性骨髄腫(MM)治療薬carflizomibの承認をFDA諮問委員会が全会一致(11:0)で勧告 [6/21]

多発性骨髄腫(MM、multiple myeloma)治療薬の最大製品レブラミド(セルジーン社)は経口剤の利点もあり、2011年世界売上は30%増加して2500億円(32億ドル)に達した。注射剤の武田薬品ベルケイドは自社で500億円、導出先J&Jで1000億円(13億ドル)にとどまっているが、皮下注射の剤形追加が米国で今年1月に承認された。ベルケイドの一段の拡大が期待される一方、新たな競合品が注目されている。FDA諮問委員会が全会一致で承認勧告したOnyx社のcarflizomibはベルケイドと同じプロテアソーム阻害剤である。257例のP2b試験で好結果を得て、昨年11月に早期申請に踏み切り、承認勧告が伝えられた6月21日には株価が40%上昇した。Onyxではさらに経口剤としたプロテアソーム阻害剤ONX 0912がP1b/2段階にある。

J&J は「抗ホルモン治療無効の転移性前立腺がん」治療薬ZYTIGAのファーストライン追加承認を米欧同時申請

ZYTIGA ( J&J )は経口のテストステロン合成阻害剤で「タキソテールなどの化学療法剤が無効」となった末期患者を対象として 2011 年 5 月に FDA 承認を取得した。今年3月には化学療法の前治療歴がない、無症候性を含む軽度~中等度の患者を対象とした P 3試験が中間解析で好成績を示し、早期に論文化する準備にはいった。他にも、申請中の経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤 MDV3100 (アステラス製薬)、 P2 段階にある武田薬品の 17-20 リアーゼ阻害剤 TAK-700 など、新規の分子標的やメカニズムに基づいて様々な前立腺がん治療薬が開発されている。一方で昨年承認された免疫療法剤 Provenge の販売は期待外れの状況、 1 年前には 40 ドルを超えていた Dendreon 社の株価は 8 ドルを下回っている。

フィラデルフィアで開催された米国糖尿病学会(ADA)でSGLT2阻害剤の発表が相次ぐ

SGLT-2 阻害剤 の糖尿病治療薬の開発が佳境に入ってきた。一番手の dapagliflozin ( BMS/AZN 共同開発)は FDA が今年 1 月に承認を見送った後、欧州では 4 月に承認勧告となった。今年の米国糖尿病学会( ADA )ではカナグリフロジン( J&J /田辺三菱)が 5 本の P3 試験で得た好結果を発表。さらにベーリンガー・インゲルハイムとイーライ・リリーが P3 段階で共同開発中の empagliflozin の P2b 成績を発表。 90 週間にわたり HbA1c 、 FPG (空腹時血糖値)、さらに体重の減少を達成している。

サノフィ・アベンティスが多発性硬化症(MS)治療薬AUBAGIOのフェーズ3、TOWER試験の結果を発表

AUBAGIO ( teriflunomide )は多発性硬化症の年間再発率を 36 %低下。田辺三菱がノバルティスに導出した Gilenya に次いで 2 番目となる「経口」の MS 治療薬をめざす。

米国癌治療学会(ASCO)での注目発表: ADC抗がん剤の乳がん治療薬T-DM1(ロシュ)がPFSを35%改善

T-DM1 は抗体医薬の乳がん治療薬ハーセプチンに強力な化学療法剤をリンカー(接続分子)で組み合わせた抗体・薬物複合体( ADC 、 Antibody-Drug Conjugate )である。ロシュは世界で初めての ADC 抗がん剤として 2010 年に FDA 申請したが、代替エンドポイントを用いたフェーズ2試験での緊急承認、とはならなかった。その間に武田薬品が Seattle Genetics と共同開発した ADC 抗がん剤のホジキンリンパ腫治療薬アドセトリス( ADCETRIS )が緊急承認されて「世界初」の栄冠を手にした。 T-DM1 の方は P 3試験 EMILIA を追加して無増悪生存期間( PFS )の 35% 改善を証明( n=495 、 p<0.0001 )して今年シカゴで開催された ASCO で発表した。年内に欧米で同時申請の予定。