投稿

1月, 2014の投稿を表示しています

グローバル製薬企業の 2013 年決算、ジョンソン・アンド・ジョンソン(J&J)が好調

 海外大手 10 社の 2013 年決算は半数の5社で売上高が減少した(前年は7社)。このうち前年に続き減収となったのはファイザー(4%減)、メルク(5%減)、AZ(6%減)、ブリストトル・マイヤーズ(BMS、6%減)の4社で、残り1社は減収に転じたサノフィ(1%減)だった。前年減収だったノバルティ ス(4%増)、リリー(2%増)、GSK(1%増)の3社は回復。残る2社、J&J(8%増)とロシュ(6%増)、は前年に続いて増収だが医療用医薬品だけを見ると J&J(12%増)の好調ぶりが突出している。とくに新製品の前立腺がん治療薬 Zytiga と抗血液凝固薬イグザレルトが大きく伸びた。  減収の企業では主力製品が特許切れとなった「2012 年問題」の影響が続いている。12 年にはコレステロール低下剤リピトール(ファイザー)、抗ぜんそく薬シングレア(メルク)、抗精神病薬セロクエル(AZ)、抗血小板薬プラビックス(BMS /サノフィ)など各社の大型製品が合計で2兆円減少したが。13 年も1兆円近く減った。  医療用医薬品の売上順位は、ロ シュがメルクとサノフィを抜いて前年の5位から3位へ躍進、J&Jは AZ を追い越し8位から7位に上昇した。1 位ファイザー、2 位ノバルティスの順位は変わらないが1 兆円以上あった差は半減した。

アッヴィ(AbbVie)のPARP阻害剤VELIPARIB (ABT-888)が乳がんのP3試験を開始 [1/15]

PARP阻害剤VELIPARIBは白金錯体カルボプラチンとの併用でトリプルネガティブ乳がん620症例を目標とするP3試験を開始した。評価項目は全生存率(Overall Survival, OS)に加えて、ロシュがHER2二量体形成阻害剤パージェタで用いた病理学的complete response(pCR)。PARPはDNA修復に関与する酵素であり、その阻害剤は白金錯体の抗がん作用を増強する。アストラゼネカのPARP阻害剤olaparibは卵巣がん治療薬として昨年9月に欧州で申請した。

米国メルク(MSD)がPD-1阻害剤MK-3475を悪性黒色腫治療薬として承認申請

MSDの抗PD-1抗体MK-3475 の臨床試験はP1b段階だが肺がん、乳がん、大腸がんなど主要な癌種を網羅している。昨年4月にFDAのBT指定を受けた進行性悪性黒色腫では、ブリストルマイヤーズ(BMS)の腫瘍免疫療法薬剤YERVOYの治療歴がある患者に限定して「ローリング申請」を開始した。さらに、YERVOYの未使用、併用など、追加の臨床データを集積しながら申請を拡大して行く模様。 抗PD-1抗体はT 細胞自身の細胞死に関与するPD-1 受容体を遮断して、がん細胞に対する免疫攻撃を回復する。開発段階で現在もっとも注目される「腫瘍免疫療法」の抗がん剤だ。昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)ではBMSが小野薬品から導入したNivolumabが脚光を浴びた。日本では小野薬品が昨年12月に申請した。BMSはプレスリリースを出していないが米国でも申請(準備)段階に達している模様。PD-1阻害剤として「世界初」の栄冠は小野、BMS、MSDのいずれになるか注目。

グラクソ(GSK)の悪性黒色腫治療薬、MEK阻害剤とBRAF阻害剤の併用をFDAが承認 [1/13]

GSKのMekinist は日本たばこが創製し、世界初のMEK阻害剤として昨年5月にFDA承認を取得した。適応症は切除不能または転移性の「BRAF変異陽性」悪性黒色腫だがBRAF 阻害剤を経験した患者は適応除外とされた。GSKはMekinistと同時に自社開発のBRAF阻害剤Tafinlarの承認を取得していたが、ようやく併用可能となった。世界初のBRAF阻害剤として2011年に承認されたZelboraf(ロシュ/第一三共)の他剤との併用は未承認。ロシュはMEK阻害剤Cobimetinibを導入し、Zelborafとの併用試験を実施中(P3)。 悪性黒色腫は死亡率が高く、治療薬の開発が困難なアンメット・メディカル・ニーズの代表格、FDAの後押しもあり、抗がん薬開発の入り口となっている。アストラゼネカのMEK阻害剤selumetinibはさらに「KRAS変異陽性」非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬としてP3段階にある。GSKは悪性黒色腫ですでに承認されたBRAF阻害剤Tafinlarを非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬としてFDAのブレークスルー(BT)指定を受けた[1/9]。

ジョンソン&ジョンソン(J&J)が診断薬事業をプライベート・エクイティ(PE)の買収ファンドに売却

J&Jの診断薬事業の2013年売上は19億ドル(2000億円)。その大半を占める子会社Orhtoを41億ドルで買収するカーライル・グループは米国屈指のPEファンド。日本でも塩野義からカプセル事業(クオリカプス)を買収した実績がある。

FDAの2013年新薬承認は27品目へ減少、ブレークスルー指定制度の成果は今後に期待

FDAの新薬承認は2012年の42品目から27品目へ減少。画期的新薬の承認を加速するブレークスルー(BT)指定制度が本格稼働した矢先の減少にFDAも困惑気味だ。メーカー側の申請件数の減少が一番の要因と指摘。BT指定は32品目に達しており、今後の承認数の増加が期待される。